ながらへば
またこの頃や
しのばれむ
憂しと見し世ぞ
今は恋しき
ながらへば
またこのごろや
しのばれむ
うしとみしよぞ
いまはこひしき
Если век мой продлится,
Я, быть может, и эту пору
Припомню с любовью.
О дни моих прежних несчастий,
Как по ним я теперь тоскую!
Данное стихотворение взято из ант. «Синкокинсю», 1843 («Разные песни», книга третья). Поэту было дано чрезвычайно почётное поручение составить очередную императорскую антологию поэзии. Он закончил работу, но государь Нидзё-тэнно, не успев утвердить ее, скончался, и антология не вошла в число официально признанных.

朝霞
深く見ゆるや
けぶり立つ
室の八島の
わたりなるらむ
あさがすみ
ふかくみゆるや
けぶりたつ
むろのやしまの
わたりなるらむ
С утренней дымкою
Смешался пар,
Что поднимается над озером Муро,
И словно вдалеке мелькают
Восемь островов.
* Озеро Муро находится в г. Ибараки одноименной префектуры. В качестве прототипа использована танка Минамото Тосиёри (Сюнрай) из антологии «Сэндзайсю» (свиток «Песни весны» [7]):
Вот только что я видел
Восемь островов
В озере Муро,
И словно дым поднялся над водой,
И небеса заволокло туманом...
おのづから
すずしくもあるか
夏衣
日も夕暮れの
雨の名残に
おのづから
すずしくもあるか
なつころも
ひもゆふぐれの
あめのなごりに
Вечер...
Летний ливень
Прошёл,
После себя оставив
Желанную прохладу.

薄霧の
まがきの花の
朝じめり
秋は夕べと
たれかいひけむ
うすきりの
まがきのはなの
あさじめり
あきはゆふべと
たれかいひけむ
Утренний туман
Лёгкой пеленой окутал
Цветы у плетня...
Кто сказал, что только вечером
Так чувствуется осень?

おのづから
音する物は
庭のおもに
木の葉吹きまく
谷の夕風
おのづから
おとするものは
にはのおもに
このはふきまく
たにのゆふかぜ
Пусто кругом,
Лишь из ущелья ветер дует
По вечерам,
Срывая и разбрасывая листья
В моём саду.

柴の戸に
入日のかげは
さしながら
いかにしぐるる
山辺なるらむ
しばのとに
いひのかげは
さしながら
いかにしぐるる
やまべなるらむ
Сквозь дверь плетёную
Мелькают блики солнца,
Садящегося за горой,
А там, похоже, моросит
Едва заметный дождь...

冬枯れの
杜の朽ち葉の
霜の上に
落ちたる月の
影のさやけさ
ふゆがれれの
もりのくちはの
しものうへに
おちたるつきの
かげのさやけさ
Оголились деревья в роще.
Листья увядшие,
Что лежат на земле,
Иней покрыл.
Сверкают в холодном свете луны.

君来ずは
ひとりや寝なむ
笹の葉の
み山もそよに
さやぐ霜夜を
きみこずは
ひとりやねなむ
ささのはの
みやまもそよに
さやぐしもよを
Коль не придёшь,
Одному коротать мне придется
Эту ночь,
Слушая шорох заиндевелых
Листьев бамбука в горах.
* Прототипом могла стать танка Хитомаро из «Манъёсю»:
На тропе, которой я иду
По склонам гор,
Тихо-тихо шелестит бамбук...
Тяжело вздыхаю я в пути,
Разлученный с милою женой.

年へたる
宇治の橋守り
言問はむ
幾代になりぬ
水のみなかみ
としへたる
うぢのはしもり
こととはむ
いくよになりぬ
みづのみなかみ
Спрошу-ка я у старика,
У сторожа моста
Реки старинной Удзи:
С каких времён
Вода в ней столь чиста?
* Перед песней помета: «Было это в 1-м году Као (1169 г. Као название эры правления императора Такакуры). Принявший монашеский сан бывший министр-канцлер (Канэдзанэ), находясь в Удзи, повелел нам слагать песни на тему: «С давних пор чиста в реке вода».

* В песне использована аллюзия — намёк на танка неизвестного автора из «Кокинсю» (свиток «Разные песни»):
Сторож моста
Реки стремительной и древней Удзи!
Тебя увидел вновь,
И сжалось сердце:
Как годы долгие тебя согнули!
ななそぢに
みつの浜松老
いぬれど
千代の残りは
なほぞはるけき
ななそぢに
みつのはままつおい
いぬれど
ちよののこりは
なほぞはるけき
Пусть семьдесят уж лет
Сосне, растущей в Мицу,
На берегу морском,
Но впереди у ней —
Тысячи лет!
* Сложена к 70-летию жреца храма Хиёси (ныне территория префектуры Сига, г. Оцу).
世の中は
見しも聞きしも
はかなくて
むなしき空の
けぶりなりけり
よのなかは
みしもききしも
はかなくて
むなしきそらの
けぶりなりけり
Да, наша жизнь
Поистине печальна, мимолетна,
Как струйка дыма,
Исчезающая
В бескрайнем небе.
* Под струйкой дыма подразумевается дым от погребального костра.
人知れず
苦しきものは
信夫山
下はふ葛の
恨みなりけり
ひとしれず
くるしきものは
しのぶやま
したはふくずの
うらみなりけり
Любовь скрывать,
Страдая тайно,
Как тяжело!
Так дикая лоза под Тайною горой — Синобу
Изнанкой кверху поворачивает лист.

ながらへば
またこのごろや
しのばれむ
憂しと見し世ぞ
今は恋しき
ながらへば
またこのごろや
しのばれむ
うしとみしよぞ
いまはこひしき
Коль поживу ещё,
С приятностию буду вспоминать
Об этих днях,
Как ныне вспоминаю о былом,
Когда я пребывал в печали.
Включено в антологию Огура хякунин иссю, 84.
みこもりに
あしのわかはや
もえぬらん
玉江のぬまを
あさる春こま
みこもりに
あしのわかはや
もえぬらむ
たまえのぬまを
あさるはるこま


神かきの
みむろの山は
春きてそ
花のしらゆふ
かけてみえける
かみかきの
みむろのやまは
はるきてそ
はなのしらゆふ
かけてみえける


やまふきの
花のつまとは
きかねとも
うつろふなへに
鳴くかはつかな
やまふきの
はなのつまとは
きかねとも
うつろふなへに
なくかはつかな


かさこしを
ゆふこえくれは
ほとときす
ふもとの雲の
そこに鳴くなり
かさこしを
ゆふこえくれは
ほとときす
ふもとのくもの
そこになくなり


時しもあれ
水のみこもを
かりあけて
ほさてくたしつ
五月雨のそら
ときしもあれ
みつのみこもを
かりあけて
ほさてくたしつ
さみたれのそら


たつたひめ
かさしの玉の
ををよわみ
みたれにけりと
みゆるしら露
たつたひめ
かさしのたまの
ををよわみ
みたれにけりと
みゆるしらつゆ
Не из-за того ли, 
Что слаба нить жемчугов
У принцессы Тацута
Разбросаны в беспорядке
Капли белой росы?..
Примерный перевод

しほかまの
うらふくかせに
霧はれて
やそ島かけて
すめる月かけ
しほかまの
うらふくかせに
きりはれて
やそしまかけて
すめるつきかけ


ふけにける
わかよの秋そ
あはれなる
かたふく月は
又もいてなん
ふけにける
わかよのあきそ
あはれなる
かたふくつきは
またもいてなむ


たつた山
松のむらたち
なかりせは
いつくかのこる
みとりならまし
たつたやま
まつのむらたち
なかりせは
いつくかのこる
みとりならまし
На горе Тацута
Если б не было
Сосен растущих,
Где б ещё остался
Тогда зелёный цвет?
Примерный перевод

今そしる
手向の山は
もみち葉の
ぬさとちりかふ
名こそ有りけれ
いまそしる
たむけのやまは
もみちはの
ぬさとちりかふ
なにこそありけれ


きゆるをや
都の人は
をしむらん
けさ山さとに
はらふしら雪
きゆるをや
みやこのひとは
をしむらむ
けさやまさとに
はらふしらゆき


なにはめの
すくもたく火の
したこかれ
うへはつれなき
わかみなりけり
なにはめの
すくもたくひの
したこかれ
うへはつれなき
わかみなりけり


涙川
うきねのとりと
なりぬれと
人にはえこそ
みなれさりけれ
なみたかは
うきねのとりと
なりぬれと
ひとにはえこそ
みなれさりけれ


しはしこそ
ぬるるたもとも
しほりしか
涙にいまは
まかせてそみる
しはしこそ
ぬるるたもとも
しほりしか
なみたにいまは
まかせてそみる


露ふかき
あさまののらに
をかやかる
しつのたもとも
かくはぬれしを
つゆふかき
あさまののらに
をかやかる
しつのたもとも
かくはぬれしを


あふことは
いなさほそえの
みをつくし
ふかきしるしも
なきよなりけり
あふことは
いなさほそえの
みをつくし
ふかきしるしも
なきよなりけり


あさゆふに
みるめをかつく
あまたにも
うらみはたえぬ
物とこそきけ
あさゆふに
みるめをかつく
あまたにも
うらみはたえぬ
ものとこそきけ


いまよりは
ふけ行くまてに
月はみし
そのこととなく
涙おちけり
いまよりは
ふけゆくまてに
つきはみし
そのこととなく
なみたおちけり


山人の
むかしのあとを
きてみれは
むなしきゆかを
はらふ谷かせ
やまひとの
むかしのあとを
きてみれは
むなしきゆかを
はらふたにかせ


あめのした
のとけかれとや
さかきはを
みかさの山に
さしはしめけん
あめのした
のとけかれとや
さかきはを
みかさのやまに
さしはしめけむ


あまの河
うきつの波に
彦星の
つまむかへ舟
今やこぐらし
あまのかは
うきつのなみに
ひこぼしの
つまむかへふね
いまやこぐらし


天の川
みづかげ草に
おく露や
あかぬわかれの
涙なるらむ
あまのかは
みづかげくさに
おくつゆや
あかぬわかれの
なみだなるらむ


雲居より
散りくる雪は
久方の
月のかつらの
花にやある覽
くもゐより
ちりくるゆきは
ひさかたの
つきのかつらの
はなにやあるらん
Из колодца облаков
Снег рассыпающийся и идущий,
Не тот ли это снег,
Что на цветах лавра
С луны с извечной тверди небес.
Примерный перевод

おのづから
行合のわせを
假初に
みし人故や
いねがてにせむ
おのづから
ゆきあひのわせを
かりはつに
みしひとゆゑや
いねがてにせむ


年ふれど
しるしも見えぬ
我戀や
常磐の山の
時雨なるらむ
としふれど
しるしもみえぬ
われこひや
ときはのやまの
しぐれなるらむ


いかにして
覺めし名殘の
儚さぞ
又も見ざりし
夜はの夢哉
いかにして
さめしなごりの
はかなさぞ
またもみざりし
よはのゆめかな


ふる里の
人にみせばや
白浪の
きくよりこゆる
末のまつ山
ふるさとの
ひとにみせばや
しらなみの
きくよりこゆる
すゑのまつやま


あしねはふ
うき身の程や
つれもなく
思ひもしらず
すぐしつゝ
ありへける社
うれしけれ
世にも嵐の
やまかげに
たぐふ木葉の
ゆくへなく
成なましかば
まつが枝に
千世に一だび
咲くはなの
稀なることに
いかでかは
今日は近江に
ありといふ
くち木の杣に
くちゐたる
谷のうもれ木
なにごとを
思ひいでにて
くれたけの
末の世までも
しられまし
うらみを殘す
ことはたゞ
とわたる船の
とりかぢの
取もあへねば
置くあみの
しづみ思へる
こともなく
木の下がくれ
行くみづの
淺きこゝろに
まかせつゝ
かき集めたる
くちばには
由もあらぬに
伊勢の海の
あまのたく繩
ながき世に
とゞめむことぞ
やさしかるべき
あしねはふ
うきみのほどや
つれもなく
おもひもしらず
すぐしつつ
ありへけるこそ
うれしけれ
よにもあらしの
やまかげに
たぐふこのはの
ゆくへなく
なりなましかば
まつがえに
ちよにひとだび
さくはなの
まれなることに
いかでかは
けふはあふみに
ありといふ
くちこのそまに
くちゐたる
たにのうもれき
なにごとを
おもひいでにて
くれたけの
すゑのよまでも
しられまし
うらみをのこす
ことはただ
とわたるふねの
とりかぢの
とりもあへねば
おくあみの
しづみおもへる
こともなく
このしたがくれ
ゆくみづの
あさきこころに
まかせつつ
かきあつめたる
くちばには
よしもあらぬに
いせのうみの
あまのたくなは
ながきよに
とどめむことぞ
やさしかるべき


松が根の
しもうちはらひ
めもあはで
思ひやる
心やいもが
夢にみゆらむ
まつがねの
しもうちはらひ
めもあはで
おもひやる
こころやいもが
ゆめにみゆらむ


睦言も
盡きてあけぬと
聞くからに
鴫の羽根掻
恨めしき哉
むつことも
つきてあけぬと
きくからに
しぎのはねがき
うらめしきかな


いつしかと
霞まざりせば
音羽山
音計りにや
春を聞かまし
いつしかと
かすまざりせば
おとはやま
おとはかりにや
はるをきかまし
Если б внезапно
Не затянуло дымкой прозрачной
Гору Отова,
Как бы по только лишь звуку
Весну бы услышали?
Примерный перевод

思ふ事
殘らぬものは
鹿の音を
聞きあかしつる
寐覺なり鳬
おもふこと
のこらぬものは
しかのねを
ききあかしつる
ねざめなりけり


少女子が
袖ふる山を
きてみれば
花の袂は
ほころびにけり
をとめごが
そでふるやまを
きてみれば
はなのたもとは
ほころびにけり
Пришли увидеть
Древние горы, где танцевали
Девы юные,
А цветочные рукава
Уж распустились!
Примерный перевод

初雪に
我とは跡を
つけじとて
まづあさたゝむ
人を待つ哉
はつゆきに
われとはあとを
つけじとて
まづあさたたむ
ひとをまつかな
Не собирался я
Следов на снегу
Оставлять,
Но, похоже, он первее
Появился и ждал людей.
Примерный перевод

人なみに
あらぬ袂は
かはらねど
泪は色に
なりにけるかな
ひとなみに
あらぬたもとは
かはらねど
なみだはいろに
なりにけるかな


思ひねの
心や行きて
尋ぬらむ
夢にも見つる
山ざくらかな
おもひねの
こころやゆきて
たづぬらむ
ゆめにもみつる
やまざくらかな


田子の浦の
藻鹽も燒かぬ
梅雨に
絶えぬは富士の
烟なりけり
たごのうらの
もしほもやかぬ
さみだれに
たえぬはふじの
けぶりなりけり
В бухте Таго
Из водорослей соль не жгут
В пору летних дождей,
И лишь не прервался
Дым горы Фудзи.
Примерный перевод

思ひやる
心も凉し
彦ぼしの
つままつ宵の
あまのかはかぜ
おもひやる
こころもすずし
ひこぼしの
つままつよひの
あまのかはかぜ


ひたすらに
厭ひも果てじ
村雲の
晴間ぞ月は
照り増りける
ひたすらに
いとひもはてじ
むらくもの
はれまぞつきは
てりまさりける


中々に
思絶えなむと
思ふこそ
戀しきよりも
苦しかりけれ
なかなかに
おもたえなむと
おもふこそ
こひしきよりも
くるしかりけれ


位山
むすぼゝれつる
谷みづは
この春風に
解けにけらしな
くらゐやま
むすぼほれつる
たにみづは
このはるかぜに
とけにけらしな


立歸る
雲居のたづに
言傳てむ
獨さはべに
鳴くと告げなむ
たちかへる
くもゐのたづに
ことつてむ
ひとりさはべに
なくとつげなむ


昔見し
雲のかけ橋
變らねど
我が身一つの
とだえなりけり
むかしみし
くものかけはし
かはらねど
わがみひとつの
とだえなりけり


年を經て
我身はあらず
なり行けど
花の姿は
變らざりけり
としをへて
わがみはあらず
なりゆけど
はなのすがたは
かはらざりけり


終夜
我れを誘ひて
月かげの
果はゆくへも
知らで入りぬる
よもすがら
われをさそひて
つきかげの
はてはゆくへも
しらでいりぬる


鹿の音の
吹き來る方に
聞ゆるは
嵐や己が
たちどなるらむ
しかのねの
ふきくるかたに
きこゆるは
あらしやおのが
たちどなるらむ


小倉山
木々の紅葉の
くれなゐは
峯の嵐の
おろすなりけり
をぐらやま
き々のもみぢの
くれなゐは
みねのあらしの
おろすなりけり


曇なき
玉田の野べの
玉日影
かざすや豐の
あかりなるらむ
くもりなき
たまたののべの
たまひかげ
かざすやとよの
あかりなるらむ


玉垂の
みすのうちより
出でしかば
空だき物と
誰も知にき
たまたれの
みすのうちより
いでしかば
そらだきものと
たれもしりにき


小泊瀬の
花のさかりや
みなの川
峯より落つる
水の白なみ
をはつせの
はなのさかりや
みなのかは
みねよりおつる
みづのしらなみ


うきながら
今はとなれば
惜しき身を
心の儘に
厭ひつる哉
うきながら
いまはとなれば
をしきみを
こころのままに
いとひつるかな


高砂の
おのへの風や
さむからん
すそのゝ原に
鹿そ鳴なる
たかさごの
おのへのかぜや
さむからん
すそののはらに
しかそなくなる


山おろしの
風なかりせは
我宿の
庭の木葉を
誰はらはまし
やまおろしの
かぜなかりせは
わがやどの
にはのこのはを
たれはらはまし

Коль не было бы ветра, дующего с гор, то кто бы за него убрал бы листья в моём саду?..
白妙の
雪吹おろす
かさこしの
峰より出る
冬の夜の月
しろたへの
ゆきふきおろす
かさこしの
みねよりいづる
ふゆのよのつき


伊勢島や
海士のたく火の
ほのかにも
みぬ人故に
身をこかすかな
いせしまや
あまのたくひの
ほのかにも
みぬひとゆゑに
みをこかすかな


おしむ身そ
けふともしらぬ
あたに散
花はいつれの
世にもかはらし
おしむみそ
けふともしらぬ
あたにちる
はなはいつれの
よにもかはらし


いかはかり
としの通路
ちかけれは
一夜のほとに
ゆきかへるらん
いかはかり
としのかよひぢ
ちかけれは
ひとよのほとに
ゆきかへるらん

Как так, выходит, что недалека дорога у года, раз он за одну ночь уходит и тут же возвращается
行まゝに
花の梢に
成にけり
よそにみえつる
嶺のしら雲
ゆくままに
はなのこずゑに
なりにけり
よそにみえつる
みねのしらくも


何事も
むなしき夢と
きく物を
さめぬ心に
なけきつるかな
なにことも
むなしきゆめと
きくものを
さめぬこころに
なけきつるかな


行末を
いはひて出る
わかれちに
心もなきは
涙なりけり
ゆくすゑを
いはひていづる
わかれちに
こころもなきは
なみだなりけり


かく計
おもふ心は
ひまなきを
いつくよりもる
なみたなるらん
かくばかり
おもふこころは
ひまなきを
いつくよりもる
なみたなるらん


恋しさの
なくさむかたや
なからまし
つらき心を
思ひませすは
こひしさの
なくさむかたや
なからまし
つらきこころを
おもひませすは


ちる花は
後のはるとも
またれけり
又もくましき
わかさかりかも
ちるはなは
のちのはるとも
またれけり
またもくましき
わかさかりかも

* было はも. Проверить.

См. Легенды о поэзии XII в., 2016 г.
梅花
にほひも雪に
うつもれは
いかにわきてか
けさはおらまし
うめのはな
にほひもゆきに
うつもれは
いかにわきてか
けさはおらまし


老らくは
心の色や
まさるらん
年にそへては
あかぬ花かな
おいらくは
こころのいろや
まさるらん
としにそへては
あかぬはなかな


山賎の
蓬か垣も
霜かれて
風もたまらぬ
冬はきにけり
やまがつの
よもぎかかきも
しもかれて
かぜもたまらぬ
ふゆはきにけり


そなたより
吹くる風そ
なつかしき
いもかたもとに
ふれやしぬらん
そなたより
ふきくるかぜそ
なつかしき
いもかたもとに
ふれやしぬらん


我ためは
しつくにゝこる
山の井の
いかなる人に
すまむとすらん
わがためは
しつくににこる
やまのゐの
いかなるひとに
すまむとすらん


しきたへの
枕におつる
月みれは
あれたる宿も
うれしかりけり
しきたへの
まくらにおつる
つきみれは
あれたるやども
うれしかりけり


ありし世に
衛士のたく火は
きえにしを
こは又何の
煙なるらん
ありしよに
ゑじのたくひは
きえにしを
こはまたなにの
けぶりなるらん


世をへても
あふへかりける
契こそ
苔のしたにも
くちせさりけれ
よをへても
あふへかりける
ちぎりこそ
こけのしたにも
くちせさりけれ