しるらめや
霞の空を
ながめつつ
花もにほはぬ
春をなげくと
しるらめや
かすみのそらを
ながめつつ
はなもにほはぬ
はるをなげくと
Знаешь ли ты, о слива,
Как весна печальна,
Пока ты не цветёшь?
С тоской смотрю
В подёрнутое дымкой небо.

いつとても
あはれと思ふを
寝ぬる夜の
月はおぼろけ
なくなくぞ見し
いつとても
あはれとおもふを
いぬるよの
つきはおぼろけ
なくなくぞみし
Всегда с восторгом
Созерцаю лунный лик,
Но не могу без слез я вспомнить,
Луну, которою в ту ночь
Мы любовались вместе!

袖の浦の
波吹きかへす
秋風に
雲の上まで
すずしからなむ
そでのうらの
なみふきかへす
あきかぜに
くものうへまで
すずしからなむ
О, этот веер
Как осенний ветер:
Он всколыхнет и волны рукавов,
И принесет, наверное, прохладу
Даже небесным облакам!

定めなき
名にはたてれど
飛鳥川
早く渡りし
瀬にこそありけれ
さだめなき
なにはたてれど
あすかがは
はやくわたりし
せにこそありけれ
Непостоянною зовут
Реку Асука:
То полноводна, то мелка,
Но неизменны исстари
Ее стремнины.

千代ふべき
瓶にさせれど
櫻花
とまらむ事は
常にやはあらぬ
ちよふべき
かめにさせれど
さくらばな
とまらむことは
つねにやはあらぬ


儚なくて
同じ心に
なりにしを
思ふがごとは
思ふらむやぞ
はかなくて
おなじこころに
なりにしを
おもふがごとは
おもふらむやぞ


徒に
度々死ぬと
いふめれば
逢ふには何を
かへむとすらむ
いたづらに
たびたびしぬと
いふめれば
あふにはなにを
かへむとすらむ


秋風の
吹くにつけても
訪ぬ哉
荻の葉ならば
音は志てまし
あきかぜの
ふくにつけても
とはぬかな
をぎのはならば
おとはしてまし


有しだに
憂かりし物を
あはず迚
いづくにそふる
つらさ成覽
ありしだに
うかりしものを
あはずとて
いづこにそふる
つらさなるらむ

あはず迚
あかずとて
白川の
瀧のいとみま
ほしけれど
妄に人を
よせじものとや
しらかはの
たきのいとみま
ほしけれど
みたりにひとを
よせじものをや


あけてだに
何にかはせむ
水の江の
浦島の子を
思遣りつゝ
あけてだに
なににかはせむ
みづのえの
うらしまのこを
おもひやりつつ


さけはちる
さかねはこひし
山桜
思ひたえせぬ
花のうへかな
さけばちる
さかねばこひし
やまざくら
おもひたえせぬ
はなのうへかな
Лишь расцветёт — опала,
А коль не расцветёт — то будет не хватать
Горной сакуры, —
Никак не прервутся о ней
Мои горькие думы...
Примерный перевод
Jp

* И подобно как о той сакуре я без конца тоскую о своём почившем ребёнке...
吉野山
たえす霞の
たなひくは
人にしられぬ
花やさくらん
よしのやま
たえすかすみの
たなひくは
ひとにしられぬ
はなやさくらむ
На горе Ёсино
Без перерывов дымка
Тянется.
Или, может, неведомые людям
Цветы цветут?..
Примерный перевод

夏の夜の
心をしれる
ほとときす
はやもなかなん
あけもこそすれ
なつのよの
こころをしれる
ほとときす
はやもなかなむ
あけもこそすれ


なつのよは
浦島のこか
はこなれや
はかなくあけて
くやしかるらん
なつのよは
うらしまのこか
はこなれや
はかなくあけて
くやしかるらむ
Ночь летняя
Совсем как шкатулка
Урасимо, —
Светает впустую,
До чего же досадно...
Примерный перевод

君かくる
やとにたえせぬ
たきのいと
はへて見まほしき
物にそ有りける
きみかくる
やとにたえせぬ
たきのいと
はへてみまほしき
ものにそありける


うゑて見る
草葉そ世をは
しらせける
おきてはきゆる
けさの朝露
うゑてみる
くさはそよをは
しらせける
おきてはきゆる
けさのあさつゆ


万代を
あきらけく見む
かかみ山
ちとせのほとは
ちりもくもらし
よろつよを
あきらけくみむ
かかみやま
ちとせのほとは
ちりもくもらし


ほともなく
きえぬる雪は
かひもなし
身をつみてこそ
あはれとおもはめ
ほともなく
きえぬるゆきは
かひもなし
みをつみてこそ
あはれとおもはめ


さやかにも
見るへき月を
我はたた
涙にくもる
をりそおほかる
さやかにも
みるへきつきを
われはたた
なみたにくもる
をりそおほかる


うちとなく
なれもしなまし
玉すたれ
たれ年月を
へたてそめけん
うちとなく
なれもしなまし
たまたれの
たれとしつきを
へたてそめけむ


あまの河
河辺すすしき
たなはたに
扇の風を
猶やかさまし
あまのかは
かはへすすしき
たなはたに
あふきのかせを
なほやかさまし


天の河扇
の風に
きりはれて
そらすみわたる
鵲のはし
あまのかは
あふきのかせに
きりはれて
そらすみわたる
かささきのはし


しくれつつ
ふりにしやとの
言の葉は
かきあつむれと
とまらさりけり
しくれつつ
ふりにしやとの
ことのはは
かきあつむれと
とまらさりけり


わすられて
しはしまとろむ
ほともかな
いつかはきみを
ゆめならて見ん
わすられて
しはしまとろむ
ほともかな
いつかはきみを
ゆめならてみむ


うきなから
きえせぬ物は
身なりけり
うら山しきは
水のあわかな
うきなから
きえせぬものは
みなりけり
うらやましきは
みつのあわかな


あかでのみ
歸ると思へば
櫻花
折べき春ぞ
盡きせざりける
あかでのみ
かへるとおもへば
さくらばな
をるべきはるぞ
つきせざりける


吹く風に
亂れぬ岸の
青柳は
いとゞ浪さへ
よればなりけり
ふくかぜに
みだれぬきしの
あをやぎは
いとどなみさへ
よればなりけり


身の上も
人の心も
志らぬまは
ことぞ共なき
音をのみぞ鳴く
みのうへも
ひとのこころも
しらぬまは
ことぞともなき
ねをのみぞなく


ありしより
亂れ増りて
蜑のかる
物思ふ身共
君は知らじな
ありしより
みだれまさりて
あまのかる
ものおもふみとも
きみはしらじな


なき人の
言のは寫す
水莖の
かきもやられず
袖ぞ濡れける
なきひとの
ことのはうつす
みづぐきの
かきもやられず
そでぞぬれける


ゆけばあり
行ねば苦し
志かすがの
渡りにきてぞ
思たゆたふ
ゆけばあり
ゆかねばくるし
しかすがの
わたりにきてぞ
おもたゆたふ


あしびきの
やまほととぎす
しひてなほ
待つはつれなく
更くる夜に
とばかりたたく
眞木の戸は
あらぬくひなと
まがへても
さすがに開けて
たづぬれば
しげきくさ葉の
つゆはらひ
分け入るひとの
すがたさへ
おもひもよらぬ
をりにしも
いともかしこき
なさけとて
つたへ述べつる
ことの葉を
我が身にあまる
ここちして
げに世に知らぬ
ありあけの
つきにとどむる
おもかげの
なごりまでこそ
忘れかねぬれ
あしびきの
やまほととぎす
しひてなほ
まつはつれなく
ふくるよに
とばかりたたく
まことこのとは
あらぬくひなと
まがへても
さすがにあけて
たづぬれば
しげきくさはの
つゆはらひ
わけいるひとの
すがたさへ
おもひもよらぬ
をりにしも
いともかしこき
なさけとて
つたへのべつる
ことのはを
わがみにあまる
ここちして
げによにしらぬ
ありあけの
つきにとどむる
おもかげの
なごりまでこそ
わすれかねぬれ

* たたくの縁語
* 〔御使の傳へ述べたる〕
(*「世に知らぬ心地こそすれ有明の月のゆくへを空にまがへて」〈源氏物語〉)
言の葉に
いかにいひても
かひぞなき
あらはれぬべき
心ならねば
ことのはに
いかにいひても
かひぞなき
あらはれぬべき
こころならねば


ときしもあれ
御垣ににほふ
橘の
かぜにつけても
ひとの問へかし
ときしもあれ
みかきににほふ
たちばなの
かぜにつけても
ひとのとへかし


いかならむ
世にか忘れむ
たちばなの
匂もふかき
今朝のなさけを
いかならむ
よにかわすれむ
たちばなの
にほひもふかき
けさのなさけを


思ひきや
待ちし軒端の
さくら花
ただひとえだを
つてに見むとは
おもひきや
まちしのきはの
さくらはな
ただひとえだを
つてにみむとは

* 傳言
いかにまた
見るにあはれの
いろ添ひて
咲きのこりける
花の心よ
いかにまた
みるにあはれの
いろそひて
さきのこりける
はなのこころよ


一枝も
折りて見せずは
さくら花
ただいたづらに
散りぞ過ぎまし
ひとえだも
をりてみせずは
さくらはな
ただいたづらに
ちりぞすぎまし


飽かでけふ
歸ると思へど
花櫻
折るべき春や
つきせざりける
あかでけふ
かへるとおもへど
はなさくら
をるべきはるや
つきせざりける


天川
川瀨しき
七夕に
あふぎの風を
猶やか冷まし
あまのかは
かはせすゞしき
たなばたに
扇のかぜを
なほやかさまし


君手に
任する秋の
風為れば
靡かぬ草も
在らじとぞ思ふ
きみがてに
まかするあきの
かぜなれば
なびかぬくさも
あらじとぞおもふ


秋風の
吹くに付けても
訪ぬ哉
荻葉ならば
音は知てまし
あきかぜの
ふくにつけても
とはぬかな
をぎのはならば
おとはしてまし


御垣守
衛士の炊火の
あらねども
我も心の
內にこそ炊け
みかきもり
ゑじのたくひの
あらねども
われもこころの
うちにこそたけ


石上
古宮處を
來てみれば
昔髻首しゝ
花咲きにけり
いそのかみ
ふるきみやこを
きてみれば
むかしかざしゝ
はなさきにけり


うぐひすの
うつれるやどの
梅の花
香をしるべにて
人は訪はなむ
うぐひすの
うつれるやどの
うめのはな
かをしるべにて
ひとはとはなむ


千よふへき
かめなるはなは
さしなから
とまらぬことは
つねにやはあらぬ
ちよふへき
かめなるはなは
さしなから
とまらぬことは
つねにやはあらぬ


靑柳の
いともくるみの
いかなれは
花よりことに
おとらさりけり
あをやぎの
いともくるみの
いかなれは
はなよりことに
おとらさりけり


氷ぬる
池のみきはゝ
水鳥の
はかせに浪も
さはかさりけり
こほりぬる
いけのみきはは
みづとりの
はかせになみも
さはかさりけり


あひみての
後さへ物の
かなしくは
なくさめかたく
成ぬへき哉
あひみての
のちさへものの
かなしくは
なくさめかたく
なりぬへきかな


侘つゝも
此世はへなむ
わたり河
後のふちせを
誰にとはまし
わびつつも
このよはへなむ
わたりかは
のちのふちせを
たれにとはまし


秋といへと
色もかはらぬ
松山は
たつとも浪の
こえん物かは
あきといへと
いろもかはらぬ
まつやまは
たつともなみの
こえんものかは


我ことや
秋ふけかたの
きり〳〵す
残りすくなき
ねをは鳴らん
われことや
あきふけかたの
きりきりす
のこりすくなき
ねをはなくらん


我よりは
久しかるへき
跡なれと
忍はぬ人は
あはれともみし
われよりは
ひさしかるへき
あとなれと
しのはぬひとは
あはれともみし


をしほ山
松風さむし
大原や
さえ野の沼や
さえまさるらん
をしほやま
まつかぜさむし
おほはらや
さえののぬまや
さえまさるらん


ことならは
雲ゐの月と
成なゝん
恋しき影や
空にみゆると
ことならは
くもゐのつきと
なりななん
こひしきかげや
そらにみゆると


大井河
そこにもみゆる
かめ山の
かはらぬかけは
幾世へぬらん
おほゐかは
そこにもみゆる
かめやまの
かはらぬかけは
いくよへぬらん


玉さゝの
はわけにやとる
露はかり
たまささの
はわけにやとる
つゆはかり


たつのすむ
みきはの菊は
白波の
おれとつきせぬ
影そみえける
たつのすむ
みきはのきくは
しらなみの
おれとつきせぬ
かげそみえける


初かりの
旅の空なる
声きけは
我身をゝきて
哀とそ思ふ
はつかりの
たびのそらなる
こゑきけは
わがみををきて
あはれとそおもふ


都人
まつらんものを
逢坂の
せきまてきぬと
つけややらまし
みやこひと
まつらんものを
あふさかの
せきまてきぬと
つけややらまし


袖敷て
ふしゝ枕を
思ひ出て
月見ることに
ねをのみそなく
そでしきて
ふしゝまくらを
おもひいでて
つきみることに
ねをのみそなく