いさやまた
月日のゆくも
知らぬ身は
花の春とも
けふこそは見れ
いさやまた
つきひのゆくも
しらぬみは
はなのはるとも
けふこそはみれ
О, наконец-то я,
Счет потеряв
И месяцам и дням,
Любуюсь вновь
Цветущею весною!

憂きながら
なほ惜しいまるる
命かな
後の世とても
頼みなければ
うきながら
なほをしいまるる
いのちかな
のちのよとても
たのみなければ
Много печали в этой жизни,
Однако же расстаться с нею
Жаль:
Надежд особых я не возлагаю
На будущую жизнь.

ながらへて
生けるをいかに
もどかまし
憂き身のほどを
よそに思はば
ながらへて
いけるをいかに
もどかまし
うきみのほどを
よそにおもはば
Коль жизнь мирскую
Буду продолжать,
Неверующим все меня сочтут,
Да я и сам
Себя корил бы.

時雨れゆく
をちのと山の
みねつつき
うつりもあへす
雲かくるらん
しくれゆく
をちのとやまの
みねつつき
うつりもあへす
くもかくるらむ


恋しさを
うきみなりとて
つつみしは
いつまてありし
心なるらん
こひしさを
うきみなりとて
つつみしは
いつまてありし
こころなるらむ


こひしとも
又つらしとも
おもひやる
心いつれか
さきにたつらん
こひしとも
またつらしとも
おもひやる
こころいつれか
さきにたつらむ


恋しさを
いかかはすへき
おもへとも
みはかすならす
人はつれなし
こひしさを
いかかはすへき
おもへとも
みはかすならす
ひとはつれなし


くり返し
くやしき物は
君にしも
おもひよりけん
しつのをたまき
くりかへし
くやしきものは
きみにしも
おもひよりけむ
しつのをたまき


今はたた
いけらぬ物に
みをなして
うまれぬのちの
世にもふるかな
いまはたた
いけらぬものに
みをなして
うまれぬのちの
よにもふるかな


春日山
みねつゞきてる
月影に
しられぬ谷の
松もありけり
かすがやま
みねつづきてる
つきかげに
しられぬたにの
まつもありけり


山のはも
空も一つに
みゆる哉
これやかすめる
春の明ぼの
やまのはも
そらもひとつに
みゆるかな
これやかすめる
はるのあけぼの


櫻花
年の一とせ
匂ふとも
さてもあかでや
この世つきなむ
さくらばな
としのひととせ
にほふとも
さてもあかでや
このよつきなむ


てる月の
みち行く汐に
浮寐して
旅の日數ぞ
思ひ志らるゝ
てるつきの
みちゆくしほに
うきねして
たびのひかずぞ
おもひしらるる


我心
いかなる色に
出でぬらむ
まだみぬ人を
思ひそめつゝ
われこころ
いかなるいろに
いでぬらむ
まだみぬひとを
おもひそめつつ


行末に
斯らむ身共
志らずして
我垂乳根の
おほしたてけむ
ゆくすゑに
かくらむみとも
しらずして
わがたらちねの
おほしたてけむ


年毎に
花は咲けども
人志れぬ
我身ひとつに
春なかりけり
としごとに
はなはさけども
ひとしれぬ
わがみひとつに
はるなかりけり


さりともと
儚き世をも
頼む哉
あるべき程は
みゆる我身を
さりともと
はかなきよをも
たのむかな
あるべきほどは
みゆるわがみを


蓆田に
千歳をかねて
住む鶴も
きみが齡に
志かじとぞ思ふ
むしろたに
ちとせをかねて
すむつるも
きみがよはひに
しかじとぞおもふ


眞木の戸を
敲く水鷄を
それかとも
驚くまでに
訪はぬ君哉
まきのとを
たたくくひなを
それかとも
おどろくまでに
とはぬきみかな


つらかりし
言の葉をなど
恨けむ
其をだにこそ
聞かず成ぬれ
つらかりし
ことのはをなど
うらみけむ
それをだにこそ
きかずなりぬれ


わび人の
やどにはうゑじ
さくら花
散れば歎きの
数まさりけり
わびひとの
やどにはうゑじ
さくらはな
ちればなげきの
かずまさりけり


みわたせば
すゑせきわくる
高瀬川
ひとつになりぬ
さみだれのころ
みわたせば
すゑせきわくる
たかせかは
ひとつになりぬ
さみだれのころ


紀の国や
ゆらのみさきの
月清み
玉よせかくる
おきつしら波
きのくにや
ゆらのみさきの
つききよみ
たまよせかくる
おきつしらなみ


七夕に
まをのにゐ糸
引かけて
くる事絶ぬ
ほし合の空
たなばたに
まをのにゐいと
ひかけて
くることたぬ
ほしあのそら


なかめやる
気色そいつも
哀なる
遠山もとの
あけほのゝ空
なかめやる
けしきそいつも
あはれなる
とほやまもとの
あけほののそら