夕くれは
をのの萩はら
ふく風に
さひしくもあるか
鹿のなくなる
ゆふされは
をののはきはら
ふくかせに
さひしくもあるか
しかのなくなる


秋風に
吹き返されて
葛の葉の
いかに恨みし
物とかはしる
あきかぜに
ふきかへされて
くずのはの
いかにうらみし
ものとかはしる


ききつとも
いかがかたらむ
ほととぎす
おぼつかなしや
夜半の一声
ききつとも
いかがかたらむ
ほととぎす
おぼつかなしや
よはのひとこゑ