袖ぬらす
萩の上葉の
露ばかり
昔忘れぬ
虫の音ぞする
そでぬらす
はぎのうはばの
つゆばかり
むかしわすれぬ
むしのおとぞする
Увлажняя рукав,
Капает с листьев хаги
Роса...
И слышится тот же, что прежде,
Незабываемый плач сверчков.
思へども
いはで月日は
杉の門
さすがにいかが
忍びはつべき
おもへども
いはでつきひは
すぎのかど
さすがにいかが
しのびはつべき
Тоскуя втайне о тебе,
Провел я годы за калиткой
Из веток криптомерии,
И кажется, что далее так жить
Нет больше сил!
佐保川の
流れ久しき
身なれども
うき瀬に逢ひて
沈みぬるかな
さほかはの
ながれひさしき
みなれども
うきせにあひて
しずみぬるかな
Знал процветание мой древний род,
И плыл легко я
По реке Сахо,
Но ныне, встретившись с преградой,
Иду ко дну...
思ふ事
空しきからに
空蝉の
木隱れはつる
身こそつらけれ
おもふこと
むなしきからに
うつせみの
こかくれはつる
みこそつらけれ
跡絶えて
人も通はぬ
ひとりねの
衣の關を
もるなみだかな
あとたえて
ひともかよはぬ
ひとりねの
ころものせきを
もるなみだかな
高松の
松もかひなし
誰をかも
あはれ歎きの
志る人にせむ
たかまつの
まつもかひなし
たれをかも
あはれなげきの
しるひとにせむ
山ふかく
世にすみかぬる
埋水
やるかたもなき
わが心かな
やまふかく
よにすみかぬる
うもれみづ
やるかたもなき
わがこころかな
松島や
をじまのあまの
すて衣
思ひすつれど
ぬるゝ袖かな
まつしまや
をじまのあまの
すてころも
おもひすつれど
ぬるるそでかな
藻汐草
かくかひあらば
和歌の浦に
跡つけぬべき
言の葉もがな
もしほくさ
かくかひあらば
わかのうらに
あとつけぬべき
ことのはもがな
早苗とる
田面の水の
淺みどり
すゞしきいろに
山風ぞ吹く
さなへとる
たおものみづの
あさみどり
すずしきいろに
やまかぜぞふく
夏草は
しげりにけりな
大江山
越えて生野の
道もなきまで
なつくさは
しげりにけりな
おほえやま
こえていくのの
みちもなきまで
宮城野の
露わけ衣
朝立てば
わすれがたみの
はぎが花ずり
みやぎのの
つゆわけころも
あさたてば
わすれがたみの
はぎがはなずり
На поле Мияги
Шёл сквозь росу, и одежды,
Как утром увидел,
На добрую память
Окрасились в цвета хаги.
よそにみし
雲たにもなし
かつらきや
嵐吹夜の
山のはの月
よそにみし
くもたにもなし
かつらきや
あらしふくよの
やまのはのつき
恋しなは
室の八島に
あらすとも
思ひの程は
煙にもみよ
こひしなは
むろのやしまに
あらすとも
おもひのほどは
けぶりにもみよ
昔見し
かたえもいかに
成ぬらん
身はいたつらに
おふのうらなし
むかしみし
かたえもいかに
なりぬらん
みはいたつらに
おふのうらなし
いく秋か
雲ゐのよそに
なりはてゝ
みしよの空の
月を恋らん
いくあきか
くもゐのよそに
なりはてて
みしよのそらの
つきをこふらん
なかめこし
山のすそ野の
夕霞
その色となく
おしき春かな
なかめこし
やまのすそのの
ゆふかすみ
そのいろとなく
おしきはるかな
むかしわか
つらねし袖は
朽はてゝ
なみたにのこる
秋の夜の月
むかしわか
つらねしそでは
くちはてて
なみたにのこる
あきのよのつき
つく〳〵と
なかむるまゝに
恋しきは
かすめるかたや
むかし成らん
つくつくと
なかむるままに
こひしきは
かすめるかたや
むかしなるらん
いかにして
春の光も
しらぬ身に
かすめる月の
袖にみゆらん
いかにして
はるのひかりも
しらぬみに
かすめるつきの
そでにみゆらん
いつまてと
あまのすくも火
あちきなく
たえぬ煙の
下にくゆらん
いつまてと
あまのすくもひ
あちきなく
たえぬけぶりの
したにくゆらん
立なれて
思へは恋し
九重の
みゆきの庭の
花の下陰
たちなれて
おもへはこひし
ここのへの
みゆきのにはの
はなのしたかげ
芦のやの
なたの塩屋に
立煙
里わく春の
夕霞かな
あしのやの
なたのしほやに
たつけぶり
さとわくはるの
ゆふかすみかな
色も香も
猶身にしむと
しらせはや
おなし昔の
花ならすとも
いろもかも
なほみにしむと
しらせはや
おなしむかしの
はなならすとも
はし鷹の
はらふ上毛に
玉ちりて
交野の原に
霰ふるなり
はしたかの
はらふうはげに
たまちりて
かたののはらに
あられふるなり
かたしきの
袖ゆく水の
うす氷
思ひくたけて
いく夜ねぬらん
かたしきの
そでゆくみづの
うすこほり
おもひくたけて
いくよねぬらん
なき名のみ
立事やすき
あし鴨の
さはく入江の
みつからそうき
なきなのみ
たことやすき
あしかもの
さはくいりえの
みつからそうき
夕暮は
秋のさか野の
鹿の音に
山本深き
露そこほるゝ
ゆふぐれは
あきのさかのの
しかのねに
やまもとふかき
つゆそこほるる
染かぬる
ときはの杜の
こすゑより
月こそ秋の
色はみえけれ
そめかぬる
ときはのもりの
こすゑより
つきこそあきの
いろはみえけれ
枯はつる
落葉かうへの
夕時雨
そめし名残の
色や忘れぬ
かれはつる
おちばかうへの
ゆふしぐれ
そめしなごりの
いろやわすれぬ