同じくば
日影の雪に
消ぬまを
見せばやとのみ
人ぞ待るゝ
おなじくば
ひかげのゆきに
きえぬまを
みせばやとのみ
ひとぞまたるる


散りはてゝ
後は何せむ
山里の
花みよとてぞ
人は待たれし
ちりはてて
のちはなにせむ
やまざとの
はなみよとてぞ
ひとはまたれし


すみぞめに
咲かぬもつらし
山櫻花
はなげきの
外の物かは
すみぞめに
さかぬもつらし
やまさくら
ばなはなげきの
ほかのものかは


契り置く
月の頃さへ
過ぎ行けば
廻り逢ふべき
頼だになし
ちぎりおく
つきのころさへ
すぎゆけば
めぐりあふべき
たのみだになし


いかはかり
けふはさくらの
花みても
あたになりにし
人をこふらん
いかはかり
けふはさくらの
はなみても
あたになりにし
ひとをこふらん


何とまた
身のうき事を
歎くらん
なきになしても
捨はてし世に
なにとまた
みのうきことを
なげくらん
なきになしても
すてはてしよに