待つ事を
習ひになして
郭公
なくべき頃も
つれなかりけり
まつことを
ならひになして
ほととぎす
なくべきころも
つれなかりけり
明け易き
空にぞいとゞ
なぐさまぬ
姨捨山の
みじか夜の月
あけやすき
そらにぞいとど
なぐさまぬ
おばすてやまの
みじかよのつき
秋さむく
なるをの浦の
海士人は
波かけ衣
うたぬ夜もなし
あきさむく
なるをのうらの
あまひとは
なみかけころも
うたぬよもなし
祈りこし
志るしあらせよ
石清水
神も我身を
思ひ捨てずば
いのりこし
しるしあらせよ
いはしみづ
かみもわがみを
おもひすてずば
とにかくに
變るぞやすき
飛鳥川
ふち瀬や人の
心なるらむ
とにかくに
かはるぞやすき
あすかがは
ふちせやひとの
こころなるらむ
名に高き
今宵は秋の
中空に
ひかり滿ちたる
月のさやけさ
なにたかき
こよひはあきの
なかそらに
ひかりみちたる
つきのさやけさ
憂かりける
荒磯波の
音までも
ならはぬ旅に
袖ぞしをるゝ
うかりける
ありいそなみの
おとまでも
ならはぬたびに
そでぞしをるる
村雨の
はるゝ日影に
秋草の
花野の露や
そめてほすらん
むらさめの
はるるひかげに
あきくさの
はなののつゆや
そめてほすらん
をとたつる
時雨はやすく
すきのやに
ねさめの袖そ
ぬれて残れる
をとたつる
しぐれはやすく
すきのやに
ねさめのそでそ
ぬれてのこれる
今更に
かへらぬ物と
しりなから
しのはすはなき
むかしなりけり
いまさらに
かへらぬものと
しりなから
しのはすはなき
むかしなりけり