面影の
うき身にそはぬ
中ならば
我もや人を
忘れはてまし
おもかげの
うきみにそはぬ
なかならば
われもやひとを
わすれはてまし


霧はるゝ
室の八島の
秋かぜに
のこりてたつは
烟なりけり
きりはるる
むろのやしまの
あきかぜに
のこりてたつは
けぶりなりけり
Туман рассеян
На восьми островах Муро
Осенним ветром,
И поднимается лишь
Только дым!
Примерный перевод

くもれたゞ
後に忍ばむ
かげもうし
わが歸るさの
有明の月
くもれただ
のちにしのばむ
かげもうし
わがかへるさの
ありあけのつき


面かげを
思ひも出づな
ます鏡
またこと人に
こゝろ移らば
おもかげを
おもひもいづな
ますかがみ
またことひとに
こころうつらば


なき影の
跡とふ今日の
名殘さへ
くれなば又や
遠ざかりなむ
なきかげの
あととふけふの
なごりさへ
くれなばまたや
とほざかりなむ


訪ふ人も
待たれぬ程に
住慣れて
み山の奥は
寂しさもなし
とふひとも
またれぬほどに
すみなれて
みやまのおくは
さびしさもなし


山深く
身を隱しても
世の中を
遁れ果てぬは
こゝろなりけり
やまふかく
みをかくしても
よのなかを
のがれはてぬは
こころなりけり


あづま野の
露わけ衣
今宵さへ
干さでやくさに
枕むすばむ
あづまのの
つゆわけころも
こよひさへ
ひさでやくさに
まくらむすばむ


宵の間は
志ばし待たれて
郭公
更くれば月の
影に鳴くなり
よひのまは
しばしまたれて
ほととぎす
ふくればつきの
かげになくなり


くもるとも
思ひそはてぬ
秋霧の
うき立空に
すめる月影
くもるとも
おもひそはてぬ
あききりの
うきたつそらに
すめるつきかげ


時のまに
たゝひと時雨
ふり過て
あらしの峰は
雲ものこらす
ときのまに
たたひとしぐれ
ふりすぎて
あらしのみねは
くもものこらす