遙なる
浪路隔てゝ
漕ぐ舟は
行くとも見えず
遠ざかりつゝ
はるかなる
なみぢへだてて
こぐふねは
ゆくともみえず
とほざかりつつ
生きて今
歎くだにうし
後の世を
いかにせむとて
背かざる覽
いきていま
なげくだにうし
のちのよを
いかにせむとて
そむかざるらん
心だに
通はゞ苔の
したにても
さぞな哀れと
みづくきの跡
こころだに
かよはばこけの
したにても
さぞなあはれと
みづくきのあと
時鳥
誰れに昔を
しのべとて
さのみ老曾の
もりに鳴くらむ
ほととぎす
たれにむかしを
しのべとて
さのみおいその
もりになくらむ
明くるをぞ
待つべかりける
横雲の
嶺より出づる
郭公かな
あくるをぞ
まつべかりける
よこぐもの
みねよりいづる
ほととぎすかな
なる神の
をとはそことも
なかりけり
くもれる方や
夕立の空
なるかみの
をとはそことも
なかりけり
くもれるかたや
ゆふだちのそら