つれもなき
梢の雪も
消そめて
雫にゝごる
松の下水
つれもなき
こずゑのゆきも
きえそめて
しずくににごる
まつのしたみづ
И снег
На ветках деревьев
Начал таять,
От капели помутилась
Вода под соснами.
Примерный перевод

湊いりの
あしのくちばの
霜の上に
むれゐし鴈も
立歸也
みなといりの
あしのくちばの
しものうへに
むれゐしかりも
たちかへるなり


をしほ山
神代もきかぬ
紅の
うす花ざくら
いまさかりなり
をしほやま
かみよもきかぬ
くれなゐの
うすはなざくら
いまさかりなり


あすもこん
山櫻戶に
入日さす
柴の庵の
はなのゆふばへ
あすもこん
やまさくらとに
いりひさす
しばのいほりの
はなのゆふばへ


こゝろさへ
あらぬ梢に
うつるかな
一樹の花の
色かはるより
こころさへ
あらぬこずゑに
うつるかな
ひときのはなの
いろかはるより


深山より
出るをぞまつ
時鳥
ゆふべの月の
光ならねど
みやまより
いづるをぞまつ
ほととぎす
ゆふべのつきの
ひかりならねど


時鳥
をのがさ月の
くれはどり
あやめもしらぬ
時となくなり
ほととぎす
をのがさつきの
くれはどり
あやめもしらぬ
ときとなくなり


うちはへて
さらす日もなし
布引の
瀧の白糸の
五月雨の比
うちはへて
さらすひもなし
ぬのびきの
たきのしらいとの
さみだれのころ


茂りあふ
信太の杜の
下草は
千枝の梢に
猶まさりけり
しげりあふ
しのだのもりの
したくさは
ちえのこずゑに
なほまさりけり


もえあまる
あしの忍びの
思故
こやに夜更て
飛螢かな
もえあまる
あしのしのびの
おもひゆゑ
こやによふけて
とぶほたるかな


夏と秋と
行あひのわせの
ほの〴〵と
明る門田の
かぜぞ身にしむ
なつとあきと
ゆきあひのわせの
ほのぼのと
あくるかどたの
かぜぞみにしむ


むらさきは
一もとならで
秋はぎの
花も色こき
むさし野の原
むらさきは
ひともとならで
あきはぎの
はなもいろこき
むさしののはら


露結ぶ
袖を衣の
關路とや
空行月も
影とゞむらむ
つゆむすぶ
そでをころもの
せきぢとや
そらゆくつきも
かげとどむらむ


さがの山
紅葉の錦
たちきてん
千世のふる道
いそぐ御幸に
さがのやま
もみぢのにしき
たちきてん
ちよのふるみち
いそぐみゆきに


あすか風
いたづらにちる
紅葉かな
都をとをみ
みる人やなき
あすかかぜ
いたづらにちる
もみぢかな
みやこをとをみ
みるひとやなき
Ветер Асука
Впустую разбрасываешь
Листья осенние,
Ведь столица далека
И нет людей, кто это б видел.
Примерный перевод
* Очевидно, аллюзия на песню принца Сики в Манъёсю [51]
あさな〳〵
霜をく山の
をかべなる
苅田の面に
かるゝいなくき
あさなあさな
しもをくやまの
をかべなる
かりたのおもに
かるるいなくき


はしたかの
かりばの鳥の
おち草を
吹なみだりそ
野べの夕かぜ
はしたかの
かりばのとりの
おちくさを
ふきなみだりそ
のべのゆふかぜ


朝より
友なふ月の
なかりせば
なぐさめがたき
旅ねならまし
あしたより
ともなふつきの
なかりせば
なぐさめがたき
たびねならまし

イ:みやこより
しほがまの
うら悲しかる
舟出かな
霧の笆の
嶋がくれして
しほがまの
うらかなしかる
ふなでかな
きりのまがきの
しまがくれして


夜な〳〵の
月をしるべに
こぐ舟は
あけ行浪や
とまり成らん
よなよなの
つきをしるべに
こぐふねは
あけゆくなみや
とまりなるらん


神風や
長閑なる世と
白露の
玉ぐしの葉の
枝もならさず
かみかぜや
のどかなるよと
しらつゆの
たまぐしのはの
えだもならさず


わが思
あさまの嶽に
あらぬ身の
戀の煙は
人なとがめそ
わがおもひ
あさまのたけに
あらぬみの
こひのけぶりは
ひとなとがめそ


いのれども
つゐになびかで
つれなきも
うきも我身の
から崎の松
いのれども
つゐになびかで
つれなきも
うきもわがみの
からさきのまつ


打とけぬ
人はつらゝの
とことはに
うきねのみ鳴
をしの獨ね
うちとけぬ
ひとはつららの
とことはに
うきねのみなく
をしのひとりね


うきにたへて
したへばこそは
あひみつれ
ながかるべきは
心なりけり
うきにたへて
したへばこそは
あひみつれ
ながかるべきは
こころなりけり


うつり行
人の契は
月草の
はなたの帶の
結ひたえつゝ
うつりゆく
ひとのちぎりは
つきくさの
はなたのおびの
むすひたえつつ


なには江の
ふかき恨も
つくしても
猶しるしなき
わが思哉
なにはえの
ふかきうらみも
つくしても
なほしるしなき
わがおもかな

イ:ふかきうらみを (тогда получится みをつくし)
恨侘
身にしむものは
ことの葉の
末野にかるゝ
くずの秋かぜ
うらみわび
みにしむものは
ことのはの
すゑのにかるる
くずのあきかぜ


いかにせん
をしふる庭に
まださかぬ
若木の梅の
花のをそさを
いかにせん
をしふるにはに
まださかぬ
わかこのうめの
はなのをそさを


世中に
光なくても
すむものは
かすめる月と
われとなりけり
よのなかに
ひかりなくても
すむものは
かすめるつきと
われとなりけり


時鳥
いざ事とはん
世のうきめ
見えぬ山路を
などかいでしと
ほととぎす
いざこととはん
よのうきめ
みえぬやまぢを
などかいでしと


和哥の浦や
松の木のまの
夜半の月
心つくさで
身をてらさばや
わかのうらや
まつのこのまの
よはのつき
こころつくさで
みをてらさばや


住吉の
おまへの沖の
しほあひに
うかび出たる
淡路嶋山
すみよしの
おまへのおきの
しほあひに
うかびいでたる
あはぢしまやま


名にたかき
なにはの浪の
立かへり
いくたびみつゝ
人にかたらん
なにたかき
なにはのなみの
たちかへり
いくたびみつつ
ひとにかたらん


君すめば
嶺にもおにも
家ゐして
み山ながらの
都なりけり
きみすめば
みねにもおにも
いへゐして
みやまながらの
みやこなりけり


世に出ば
光そふべき
月影の
まだ山ふかき
雲の上かな
よにいでば
ひかりそふべき
つきかげの
まだやまふかき
くものうへかな


これやこの
木丸殿と
思へども
名のらでゆけば
しる人もなし
これやこの
きのまろどのと
おもへども
なのらでゆけば
しるひともなし


君が代に
あへばぞこゆる
つかふべき
みちや位の
山路なるらむ
きみがよに
あへばぞこゆる
つかふべき
みちやくらゐの
やまぢなるらむ


うきせには
しづみもはてじ
芳野川
よしや世中
なげかざらなん
うきせには
しづみもはてじ
よしのかは
よしやよのなか
なげかざらなん


玉ゆくも
世にをきがたき
白露の
消なばきえね
光なき身は
たまゆくも
よにをきがたき
しらつゆの
きえなばきえね
ひかりなきみは

イ:玉ゆらも
おもひ出る
袖に泪を
つゝむまで
うれしかりしは
身の昔成
おもひいづる
そでになみだを
つつむまで
うれしかりしは
みのむかしなり


昔せし
身のあらましの
末の露
かはれば袖の
雫とぞなる
むかしせし
みのあらましの
すゑのつゆ
かはればそでの
しずくとぞなる


曇なき
露の臺の
月はあれど
君がみかげは
猶まさりけり
くもりなき
つゆのうてなの
つきはあれど
きみがみかげは
なほまさりけり