葛城や
よそにまたるゝ
花の色の
そながらあらぬ
嶺の白雲
かづらきや
よそにまたるる
はなのいろの
そながらあらぬ
みねのしらくも
なく虫の
聲を尋て
分行ば
草むらごとに
露ぞみだるゝ
なくむしの
こゑをたづねて
わけゆけば
くさむらごとに
つゆぞみだるる
山川は
ちる紅葉ばに
せかれてや
よどむかたより
かつ氷らん
やまかはは
ちるもみぢばに
せかれてや
よどむかたより
かつこほるらん
民やすく
國おさまれと
いのるかな
人のひとより
わが君のため
たみやすく
くにおさまれと
いのるかな
ひとのひとより
わがきみのため
高野山
あかつき遠く
松の戸に
光をのこす
法のともしび
たかのやま
あかつきとほく
まつのとに
ひかりをのこす
のりのともしび
さりともと
思ふ心を
契にて
又このくれも
猶ぞまたるゝ
さりともと
おもふこころを
ちぎりにて
またこのくれも
なほぞまたるる
松陰を
便にすめる
山人は
いつも木の間の
月やみるらん
まつかげを
たよりにすめる
やまひとは
いつもこのまの
つきやみるらん
いくとせを
かさねきぬらん
山深み
苔の衣の
あるにまかせて
いくとせを
かさねきぬらん
やまふかみ
こけのころもの
あるにまかせて