この山の
花のあるじと
成にけり
又いほしむる
人しなければ
このやまの
はなのあるじと
なりにけり
またいほしむる
ひとしなければ


君があたり
いくへの雲か
隔つらん
伊駒の山の
五月雨の比
きみがあたり
いくへのくもか
へだつらん
いこまのやまの
さみだれのころ
Неужто вкруг тебя
Слоями встали тучи
И заграждают путь...
Ведь на горе Икома
Пора летних дождей.
Примерный перевод

白露の
おくての山田
からでみん
稻葉をしなみ
月やどりけり
しらつゆの
おくてのやまだ
からでみん
いなばをしなみ
つきやどりけり


正木ちる
をと冷じき
夕暮の
嵐にきほふ
秋のむら雨
まさきちる
をとすさまじき
ゆふぐれの
あらしにきほふ
あきのむらさめ


吹をくる
嵐の末の
うき雲や
とをちの里に
又時雨らん
ふくをくる
あらしのすゑの
うきくもや
とをちのさとに
またしぐれらん


狩人の
入野の雉子
妻戀に
忍ばれぬねは
我もたてつゝ
かりひとの
いりののきぎす
つまこひに
しのばれぬねは
われもたてつつ


思やれ
獨かきやる
黑髮の
とけてねられぬ
さよの手枕
おもひやれ
ひとりかきやる
くろかみの
とけてねられぬ
さよのたまくら


なをざりに
賴めをきてし
夜半ならば
更行鐘に
待やよはらん
なをざりに
たのめをきてし
よはならば
ふけゆくかねに
まつやよはらん


ふみゝしは
今ぞくやしき
忍ぶ山
人のこゝろの
おくのつらさに
ふみみしは
いまぞくやしき
しのぶやま
ひとのこころの
おくのつらさに


つれなしと
人にはみえじ
有はてぬ
契にかへし
命なりせば
つれなしと
ひとにはみえじ
ありはてぬ
ちぎりにかへし
いのちなりせば


芦火たき
冬籠せし
なにはめも
今は春べと
いそ菜摘也
あしひたき
ふゆかごせし
なにはめも
いまははるべと
いそなつむなり

若菜?
あたし世の
色にそまじと
のがれきて
身をおく山も
花の下庵
あたしよの
いろにそまじと
のがれきて
みをおくやまも
はなのしたいほり


忘られぬ
雲井の秋の
昔まで
面影さそふ
夜半の月哉
わすられぬ
くもゐのあきの
むかしまで
おもかげさそふ
よはのつきかな


思出て
誰かかたみの
濱千鳥
これぞ昔の
跡とだにみん
おもいでて
たれかかたみの
はまちとり
これぞむかしの
あととだにみん


行てみし
昔は遠き
みちのくも
思いづれば
ちかのしほがま
ゆきてみし
むかしはとほき
みちのくも
おもひいづれば
ちかのしほがま


空蟬の
むなし煙の
末つゐに
かくだにとめぬ
人のよぞうき
うつせみの
むなしけぶりの
すゑつゐに
かくだにとめぬ
ひとのよぞうき

4イ:からだにとめぬ