靑柳の
みどりうつろふ
川の瀬に
なびく玉藻も
數やそふらん
あをやぎの
みどりうつろふ
かはのせに
なびくたまもも
かずやそふらん


玉ぼこの
道ある時は
苗代の
水もこゝろに
まかせてぞひく
たまぼこの
みちあるときは
なはしろの
みづもこころに
まかせてぞひく


風そよぐ
ならのはがくれ
影見えて
くもるもすゞし
夏の夜の月
かぜそよぐ
ならのはがくれ
かげみえて
くもるもすずし
なつのよのつき


あれにける
志賀の都の
秋風に
ひとりや月の
宮木もるらん
あれにける
しがのみやこの
あきかぜに
ひとりやつきの
みやきもるらん


秋の夜の
有明の空に
なるまゝに
山のはかへて
出る月かげ
あきのよの
ありあけのそらに
なるままに
やまのはかへて
いづるつきかげ


紅葉ちる
山のすそ野の
花薄
くれなゐくゝる
浪かとぞみる
もみぢちる
やまのすそのの
はなすすき
くれなゐくくる
なみかとぞみる
Опали листья,
И на поле под горой
Травы сусуки
Кажутся волнами,
Окрасившимися алым...
Примерный перевод

神も又
ことしの秋は
旅ねして
思ひ出らし
春日野の月
かみもまた
ことしのあきは
たびねして
おもひいでらし
かすがののつき


あふとみる
夢路を今は
賴かな
せめてうつゝの
つらき餘に
あふとみる
ゆめぢをいまは
たのむかな
せめてうつつの
つらきあまりに


あふことの
うれしきにさへ
さきだつは
うきにもおちし
泪なりけり
あふことの
うれしきにさへ
さきだつは
うきにもおちし
なみだなりけり


今はゝや
かはる契の
あさはのに
人もこすげの
みだれわびつゝ
いまははや
かはるちぎりの
あさはのに
ひともこすげの
みだれわびつつ


俤を
さそへばくもる
月をしも
かた見なれとは
など契けん
おもかげを
さそへばくもる
つきをしも
かたみなれとは
などちぎりけん


わが君の
世にあふ坂の
關の戶は
さゝぬを告て
鳥や鳴らむ
わがきみの
よにあふさかの
せきのとは
ささぬをつげて
とりやなくらむ


なにはえや
芦間の浪の
よるの鶴
子を思みちは
さはらずも哉
なにはえや
あしまのなみの
よるのつる
こをおもふみちは
さはらずもがな


住吉の
松よりすだつ
鶴の子の
千とせはけふや
始なるらん
すみよしの
まつよりすだつ
つるのこの
ちとせはけふや
はじめなるらん