第十 哀傷



一條院の御時皇后宮かくれ給ひて後御帳のかたびらの紐にむすびつけられたるふみを見つけたれば内にも御覽ぜさせよとおぼしがほに歌三つかきつけられたりけるなかに



夜もすがら
契りし事を
忘れずば
こひむ涙の
いろぞ床しき
よもすがら
ちぎりしことを
わすれずば
こひむなみだの
いろぞゆかしき