人の語らふ女を忍びて物いひ侍りけるに物にまかりて歸りける道に此女を男田舎へゐて下り侍りけり。逢坂の關にゆきあひてせむ方なく思ひ侘びて人をかへしていひつかはしける

大中臣能宣朝臣

Онакатоми Ёсинобу

いづ方を
われながめまし
邂逅に
ゆき逢坂の
關なかりせば
いづかたを
われながめまし
わくらばに
ゆきあふさかの
せきなかりせば