また、この男、正月の一日の日、雨のいたう降りてながめ居たるに、友達のもとより、かくぞ言ひたる
また、この男、正月の一日の日、雨のいたう降りてながめ居たるに、友達のもとより、かくぞ言ひたる


春雨に
ふりかはりゆく
年月の
年の積りや
老いになるらん
はるさめに
ふりかはりゆく
としつきの
としのつもりや
をいになるらん


さて、その友達の久しく訪れねば、男、また
さて、その友達の久しく訪れねば、男、また


君が思ひ
今は幾らに
分くればか
われに残りの
少なかるらむ
きみがおもひ
いまはいくらに
わくればか
われにのこりの
すくなかるらむ


返し
返し


年ごとに
歎きの数は
そふれども
誰にか分けん
二心なし
としごとに
なげきのかずは
そふれども
たれにかわけん
ふたごころなし