また、この男、逍遥しにて、なま田舎へいにけるに、はるかに鶯の鳴きければ、「いづかたぞ」など、供なる人に、
また、この男、逍遥しにて、なま田舎へいにけるに、はるかに鶯の鳴きければ、「いづかたぞ」など、供なる人に、


鶯の
声のはつかに
聞こゆるは
いづれの山に
鳴く山彦ぞ
うぐひすの
こゑのはつかに
きこゆるは
いづれのやまに
なくやまびこぞ


とぞ、口遊びに言ひける。
とぞ、口遊びに言ひける。