昔、かべの中より求めででたりけむ書の名とば、今の世の人の子は、夢ばかりも、身の上のことは知らざりけりな。

Сегодняшние дети даже во сне не могут знать, что к ним имеет отношение название книги, что в древности извлекли из стены.
Перевод первых трёх блоков: Оськина А.С. (Дневник "Идзаёи никки" монахини Абуцу: содержание, композиция, стиль)
水茎の岡の葛葉、かへすがへすも書きおく跡たしかなれども、かひなきものは親のいさめなりけり。

Как листья пуэрарии на холмах Мидзукуки выворачиваются снова и снова, так переписанное и выверенное стало бесполезно родительское наставление.

また賢王の人をすて給はぬまつりごとにももれ、忠臣の世を思ふなさけにも捨てらるるものは、数ならぬ身ひとうなりけりと思ひ知りなば、またさてしもあらで、なほこのうれへこそ、やるかたなく悲しけれ。

К тому же обойдённая вниманием мудрого императора, а также обделённая состраданием со стороны военного правительства, я думала, что не достойна их милости, но я не могу оставить это дело так, и гложет меня безысходная печаль о моих детях.

さらに思ひつづくれば、やまと歌の道は、ただまこと少なく、あだなるすさみばかりと思ふ人もやあらむ。



日の本の国に天の岩戸ひらけし時より、四方の神たちの神楽の言葉をはじめて、世を治め、物をやはらぐるなかだちとなりにけりとぞ、この道の聖たちは記しおかれたりける。



さてもまた、集を撰ぶ人はためし多かれども、ふたたび勅をうけて、代々に聞こえあげたる家は、たぐひなほありがたくやありけむ。



その跡にしもたづさはりて、三人のをのこ子ども、ももちの歌のふるほぐどもを、いかなる縁かありけむ、あづかりもたることあれど、「道を助けよ、子をはぐくめ、後の世をとへ」とて、深き契りを結びおかれし細川の流れも、故なくせきとどめられしかば、跡とふ法のともし火も、道を守り家を助けむ親子の命も、もろともに消えをあらそふ年月を経て、あやふく心ぼそきながら、何として、つれなく今日までながらふらむ。

Имея отношение к этим людям, что,
возможно, было предрешено еще в прошлых моих жизнях, я стала обладательницей трех сыновей и сотни и тысячи бесценных рукописей со стихами, в которых говорится: “Сбереги путь поэзии!”, “Воспитай детей!”, “Помолись за умерших!”, ...
* этим людям — дому Фудзивара. [А.О.]

Частичный перевод блока: Оськина А.С. (Дневник "Идзаёи никки" монахини Абуцу: содержание, композиция, стиль)
惜しからぬ身ひとつは、やすく思ひ捨つれども、子を思ふ心の闇は、なほ忍びがたく、道をかへりみる恨みはやらむかたなくて、さてもなほ、東の亀の鑑にうつさば、くもらぬ影もやあらはるると、せめて思ひあまりて、よろづのはばかりを忘れ、身をえうなきものになしはてて、ゆくりもなく、いさよふ月にさそはれ出でなむとぞ思ひなりぬる。

Позабыв, наконец, о своих бесчисленных страхах, отбросив мысли о себе, не оглядываясь назад, влекомая нерешительной луной шестнадцатой ночи, я решила двинуться в путь.
Частичный перевод блока: Оськина А.С. (Дневник "Идзаёи никки" монахини Абуцу: содержание, композиция, стиль)

さりとて、文屋の康秀がさそふにもあらず、住むべき国もとむるにあらず。



頃はみ冬たつ初めの空なれば、降りみ降らず、時雨もたえず、嵐にきほふ木の葉さへ、涙とともにみだれ散りつつ、ことにふれて心ぼそく悲しけれど、人やりならぬ道なれば、行きうしとて、とどまるべきにもあらで、何となく、急ぎたちぬ。



めかれせざりつるほどだに、荒れまさりつる庭もまがきも、ましてと見まはされて、したはしげなる人々の袖のしづくも、慰めかねたる中にも、侍従・大夫などの、あながちにうち屈じたるさま、いと心苦しければ、さまざま言ひこしらへ、ねやのうちを見やれば、昔の枕の、さながら変らぬを見るも、今さら恋しくて、かたはらに書きつく。



とどめおく
古き枕の
ちりをだに
わが立ち去らば
誰かはらはむ
とどめおく
ふるきまくらの
ちりをだに
わがたちさらば
たれかはらはむ


代々に書きおかれける歌の草子どもの奥書などして、あだならぬ限りをえりしたためて、侍従のかたへ送るとて、書き添へたる歌、



和歌の浦に
かきとどめたる
もしほ草
これを昔の
かたみとは見よ
わかのうらに
かきとどめたる
もしほくさ
これをむかしの
かたみとはみよ


あなかしこ
横波かくな
浜千鳥
ひとかたならぬ
跡を思はば
あなかしこ
よこなみかくな
はまちとり
ひとかたならぬ
あとをおもはば


これを見て、侍従の返事、いととくあり。



つひによも
あだにはならじ
もしほ草
かたみをみよの
跡にのこせば
つひによも
あだにはならじ
もしほくさ
かたみをみよの
あとにのこせば


迷はまし
教へざりせば
浜千鳥
ひとかたならぬ
跡をそれとも
まよはまし
おしへざりせば
はまちとり
ひとかたならぬ
あとをそれとも


この返事、いとおとなしければ、心やすくあはれなるにも、昔の人に聞かせ奉りたくて、またうちしほたれぬ。



大夫の、かたはら去らずなれ来つるを、ふり捨てられなむ名残、あながちに思ひ知りて、手習ひしたるを見れば、



はるばると
行くさき遠く
したはれて
いかにそなたの
空をながめむ
はるばると
ゆくさきとほく
したはれて
いかにそなたの
そらをながめむ


と書きつけたる、ものよりことにあはれにて、同じ紙に書きそへつ。



つくづくと
空なながめそ
恋しくは
道遠くとも
はや帰り来む
つくづくと
そらなながめそ
こひしくは
みちとほくとも
はやかへりこむ


山より侍従の兄の、をりしも出で立ち見むとておはしたり。



それも、いともの心ぼそしと思ひたるを、この手習ひを見て、また書きそへたり。



あだにただ
涙はかけじ
旅ごころ
心のゆきて
たち帰るほど
あだにただ
なみだはかけじ
たびごころ
こころのゆきて
たちかへるほど


とは、こといみじながら、涙のこぼるるを、荒らかにもの言ひまぎらはすも、さまざまあはれなるを、阿闍梨の君は山伏にて、この人々よりは兄なる、このたびの道のしるべに送らむとて、出でたるめるを、この手習にまじはらむやはとて、書きつく。



たちそふぞ
うれしかりける
旅ごろも
かたみにたのむ
親のまもりは
たちそふぞ
うれしかりける
たびごろも
かたみにたのむ
おやのまもりは


女子はあまたもなし。



ただ一人にて、この近きほどのお女院にさぶらひ給ふ。



院の姫宮ひとところ生まれ給ひしばかりにて、かねて申しおくついでに、侍従・大夫などのこと、はぐくみおほすべきよしも、こまかに書きつづけて、奥に、



君をこそ
朝日とたのめ
故郷に
残るなでしこ
霜にからすな
きみをこそ
あさひとたのめ
ふるさとに
のこるなでしこ
しもにからすな
Стал бы ты
Солнцем утренним!
В родном селении
Гвоздика осталась,
Не высохла б от инея она...
Примерный перевод

と聞こえたれば、御かへりもこまやかに、いとあはれに書きて、歌のかへしには、



思ひおく
心とどめば
故郷の
霜にもかれじ
大和なでしこ
おもひおく
こころとどめば
ふるさとの
しもにもかれじ
やまとなでしこ
Если любящее
Сердце останется,
В родном селении
Даже от мороза не засохнет
Японская гвоздика!
Примерный перевод

とぞある。



五つの子どもの歌、残るなく書きつづけぬるも、かつはいとをこがましけれど、親の心には、あはれにおぼゆるままに、書き集めたり。

Должно быть, это покажется дерзким – записать все стихотворения своих пятерых детей, но я все же собрала их воедино, ведь они не могли не тронуть материнское сердце.
Перевод блока: Оськина А.С. (Дневник "Идзаёи никки" монахини Абуцу: содержание, композиция, стиль)
さのみ心弱くてもいかがとて、つれなくふりすてつ。

И как бы ни было больно, я решилась оставить своих детей.
Перевод блока: Оськина А.С. (Дневник "Идзаёи никки" монахини Абуцу: содержание, композиция, стиль)