この寺の仏は、丈六の釈迦仏におはします。
この寺の仏は、丈六の釈迦 仏におはします。
Статуей будды этого храма была статуя Шакьямуни высотой в шесть сяку.
昔、鎌足の大臣の子孫のために造り給ひて、北山階に堂を建てて安置し給へり。
昔、鎌足の大臣 の子孫のために造り給ひて、北山階に堂を建てて安置し給へり。
Была она сделана для сына министра [Фудзивара] Каматари, в построенную в северном Ямасина молельню.
鎌足の大臣=藤原鎌足
天智天皇の、粟津の京に、御門おはしますあひだに造らるるなり。
Был он построен во времена государя Тэндзи, что правил из дворца в Авадзу.
その大臣の御子に、不比等の大臣の御時に、今の山階寺の所に造り移されたるなり。
その大臣 の御子に、不比等の大臣の御時に、今の山階寺の所に造り移されたるなり。
Во времена министра Фухито, что был сыном того министра, храм был перенесён туда, где и сейчас находится храм Ямасина.
不比等=藤原不比等
かの御寺の地は、異所よりは、地の体、亀の甲のやうに高ければ、井を掘れども水出でこず。
かの御寺の地は、異 所よりは、地の体 、亀の甲のやうに高ければ、井を掘れども水出でこず。
Место, где был тот храм, было похоже на панцирь черепахи и возвышалось над равниной высоко, копали там колодец, но воды не было.
されば、春日野より流るる水、寺の内に掘り入れて、よろづの房の内へも流し入れつつ、一寺の人は使ふなり。
されば、春日野より流るる水、寺の内に掘り入れて、よろづの房の内へも流し入れつつ、一寺 の人は使ふなり。
それに、この御堂の廻り廊・中門の北の講堂・西の西金堂・南の南円堂・東の東金堂・食堂・細殿・北室の上の階の僧坊・西室・東室・中室の大小房どもの壁塗るに、国々の夫、多く集まりて水を汲むに、二三町のほどなれば、汲みもやらねば、え塗りもやらで、ことの離るほどに、夕立の少ししけるに、講堂の西の方に、庭の少し窪みたるに、溜り水のただ少ししたるを、壁塗りの寄りて、その水を汲みつつ、「壁土に混ず」とて汲むに、尽きもせず水のあれば、あやしがりて少しばかり掻い掘りて、水底より水湧き出づ。
それに、この御堂の廻り廊・中門の北の講堂・西の西金堂・南の南円堂・東 の東金堂・食堂・細殿・北室の上 の階 の僧坊・西室・東室・中室の大小房どもの壁塗るに、国々の夫、多く集まりて水を汲むに、二三町のほどなれば、汲みもやらねば、え塗りもやらで、ことの離 るほどに、夕立の少ししけるに、講堂の西の方に、庭の少し窪みたるに、溜り水のただ少ししたるを、壁塗りの寄りて、その水を汲みつつ、「壁土に混ず」とて汲むに、尽きもせず水のあれば、あやしがりて少しばかり掻い掘りて、水底より水湧き出づ。
講堂=底本「かはたう」
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прошёл ливень, и с западной стороны в саду в ямке собралась вода, стали черпать, но не смогли вычерпать, подкопали — а там источник бьёт.
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прошёл ливень, и с западной стороны в саду в ямке собралась вода, стали черпать, но не смогли вычерпать, подкопали — а там источник бьёт.
稀有がりて、方二三尺、深さ一尺余ばかり掘りたれば、まことに出づる水なり。
Выкопали размерами прудик два на три сяку, глубиной — один сяку, вода и правда пошла.
また、供養の日の寅の時に、仏渡り給ふに、空つつ闇になり、曇りて星も見えねば、「何をしるしにてか、時をはからはすべきやうもなし」など言ふほどに、風も吹かぬに、御堂の上にあたりて、雲、方四五丈ばかり晴れて、七星きらきらと見え給ふ。
仏渡り給ひて、天蓋を吊るに、仏師定朝がいはく、「蓋は覆いなる物なれば、吊り金ども打ちつけん料に、組入の上に横ざまに、尺九寸の木の、長さ二丈五尺ならん、三筋渡すべかりけり。思ひ忘れて、兼ねて申さざりけり。いかがせんずる」。
仏渡り給ひて、天蓋を吊るに、仏師定朝 がいはく、「蓋は覆いなる物なれば、吊り金ども打ちつけん料に、組入 の上に横ざまに、尺九寸の木の、長さ二丈五尺ならん、三筋渡すべかりけり。思ひ忘れて、兼ねて申さざりけり。いかがせんずる」。
大工吉忠、中の間造る長にていはく、「中の間の梁の上に、上げ過ぐして、尺九寸の木の三丈なるをこそ、三筋あげて候へ。
七大寺巡礼私記