おもひ出候にしたがひて、よろづのことを申つゞけ候へば、おなじこともおほく御覽じにくゝも候はん。



申ても〳〵、この世・後のよにも心のすゑとほり、おもりかにまことある人がよく候へば、人のうへを御らんじても、よからんにつけ、あしからんにつけ、御心つくべきものにて候。



朝夕そはせたまひ候はん人にも、心のきはみえて、「あら、けうざめ。」など思はるゝていの御ふるまひあるまじく候。



中々よその人は、さのみいりたちてのことを、いかでかしり候はん。



身にちかく、めぢ*「目路」か。



もならべたるひと、めしつかふものどもなどの見まゐらせ候はん事は、みなよにちらんずるとおぼしめし候へ。



うときは物をもらすことのやうに、「これは我うちのものなれば、よもいひちらさじ。」とて、をこがましきことはいでき候也。



人のきゝにくきこそまさり候へども、かくれある事は候はぬなり。