大かたの御もてなし、けはひもいとほしきすぢをそへて、さぶらふ人々にもあさ〳〵しくみだれたるふりなく、よういあるやうに御をしへ候へ。



さるかたにをかしきけして、色をもかをもはえ〴〵しく、しるさまにみせ、いまめかしう花やかなるふるまひは、一どはさるかたにかひある心地し候へども、二たびかへり見候へば、いかにぞや。



見おとりせぬやうは候はぬぞ。



さるべきいらへ、をりふしのなさけ、「いたくむもれ、いぶせくて、ふるぎのかはぎぬにくちおほひたるやう」などと*こそ、くちをしかりぬべく候へ。


* ある
「こはえもいはぬ。」などやうにいらへぬべからんごたちをば、わきてらうたきものにせさせたまへ。



ほどしらぬおもひなきも、むげなる事にて候へば、我こゝろひとついかにおもひおきて候へども、すゑざまにいふがひなく、はぢをもしらぬていなる人だに候へば、我めのとほりならぬことは、あやまりおほき事にて候。



「この人はことのほかならじ。」とすこし心ばせありて御らんぜむ人をば、せう〳〵はなんあることありとも、おぼしめしかへていとほしくもせさせたまへ。



「さのみおもふやうなることは、かたかるべければ。」など、よろづを御こゝろえ候へ。



「ひとのつぼねにいで入いままゐりの、此たびのはまさりたるをとりたる。」といひさたせらるゝは、かへす〴〵あさ〳〵しく、こゝろにくからぬやうに候なり。



おぼろけにては、日比より「そこのたれがし。」など人にもしられ、あひしらひつけたるていにて、としごろになりたらん人をば、いださせ給ひ候まじきにて候。



それもやうにこそより候はんずれ。



心ながきやうをたてても、人になんぜられ、かたへの人のためにもたへがたきことなどの候はんは、又まんに候へ*てもあしく候へば、人のほど心のきはぎはをよく御覽じて、御はからひ候べく候。


* ひ