御手などかまへて〳〵うつくしくかゝせ給ひ候へ。



手のすぢは、こゝろ〴〵にこのみ、をりにしたがふことにて候へば、ともかくもさだめ申がたうおぼえ候。



女の本たいにて*はとをかたち*遠容貌か。


* 手
にて、はかなき筆のすさみも、人のほどおしはかられ、心のきはも見ゆることにて候。



「おきものの御づしの御さうしなど給てかゝせたまふほどに。」とおぼしめし候へ。



まなは女のこのむまじき事にて候なれども、もじやう*、歌の題につけて、さるさまをしらぬほどならんは、をこがましく候。


* 文字樣
御覽じしりて筆のすさびにかゝせおはしまし候べく候。



すみつき、筆のながれ、よるの鶴*にこまかに申げに候。


* 阿仏尼の作
御らん候へ。