女御所の内侍、馬には乘るべしとて、勾當とこれ*と、命婦四人、伯耆・かはち・備前・肥前、藏人に、みあれのすむつる。
女御所の内侍、馬には乘るべしとて、勾當とこれと、命婦四人、伯耆・かはち・備前・肥前、藏人に、みあれのすむつる。
陰陽寮にて出で立つ。
陰陽寮にて出で立つ。
裏濃き蘇芳の三衣*、あをき單、纐纈の裳、濃きはかま紫の指貫の股立より褄を出して、くはんの沓とて履きて、髪あげて馬に乘りてくだる。
裏濃き蘇芳の三衣、あをき單、纐纈の裳、濃きはかま紫の指貫の股立より褄を出して、くはんの沓とて履きて、髪あげて馬に乘りてくだる。
すかりや*に幔を引きて、女御代の御車立てられたり。
すかりやに幔を引きて、女御代の御車立てられたり。
出車いろ〳〵に見えて、ひんてう*尚侍車の前に立つ。
出車いろ〳〵に見えて、ひんてう尚侍車の前に立つ。
そらだきものの匂心あしく薫りみちてなむ。
そらだきものの匂心あしく薫りみちてなむ。
閑院殿のあとに、御ざしき七間、中の間は、院の御方、左は皇后宮の御方なり。
閑院殿のあとに、御ざしき七間、中の間は、院の御方、左は皇后宮の御方なり。
御所の西に、平板敷に紫縁しきて、尚侍二人ていしたり。
御所の西に、平板敷に紫縁しきて、尚侍二人ていしたり。
その下に、北面御隨身居たり。
その下に、北面御隨身居たり。
菊紅葉植ゑて、御ざしきの儀式いひつくすべくもなし。
主上腰輿にめして祓殿へなる。
主上腰輿にめして祓殿へなる。
還御なりて後十三日、その度に、その折つら〳〵久しからむ折などあり。