十月十九日、官廳の行幸なり。



二十一日、御禊の行幸。



出御内侍、*・少輔内侍なり。


* *少將内侍
女御所の内侍、馬には乘るべしとて、勾當とこれ*と、命婦四人、伯耆・かはち・備前・肥前、藏人に、みあれのすむつる。
女御所の内侍、馬には乘るべしとて、勾當とこれと、命婦四人、伯耆はゝき・かはち・備前・肥前、藏人に、みあれのすむつる。

* *中務内侍
陰陽寮にて出で立つ。
陰陽寮おんやうれうにて出で立つ。


裏濃き蘇芳の三衣*、あをき單、纐纈の裳、濃きはかま紫の指貫の股立より褄を出して、くはんの沓とて履きて、髪あげて馬に乘りてくだる。
裏濃き蘇芳そはう三衣さんえ、あをき單、纐纈の裳、濃きはかま紫の指貫の股立もゝだちより褄を出して、くはんの沓とて履きて、髪あげて馬に乘りてくだる。

* 三重の襲の衣
すかりや*に幔を引きて、女御代の御車立てられたり。
すかりやにまんを引きて、女御代の車立てられたり。

* 簀借屋
出車いろ〳〵に見えて、ひんてう*尚侍車の前に立つ。
出車いだしぐるまいろ〳〵に見えて、ひんてう尚侍さうじ車の前に立つ。

* 嬪長か
そらだきものの匂心あしく薫りみちてなむ。
そらだきものの匂心あしくくゆりみちてなむ。


閑院殿のあとに、御ざしき七間、中の間は、院の御方、左は皇后宮の御方なり。
閑院殿のあとに、御ざしき七間けん、中の間は、院の御方、左は皇后宮の御方なり。


紅葉重のおしいだし*見ゆ。


* 出衣
御所の西に、平板敷に紫縁しきて、尚侍二人ていしたり。
御所の西に、平板敷に紫縁むらさきべりしきて、尚侍さうじ二人ていしたり。


御端の間に、西園寺大納言殿著かせ給ふ。



右の方の假屋に、殿上人ども著座したり。



その下に、北面御隨身居たり。
その下に、北面きたおもて御隨身居たり。


菊紅葉植ゑて、御ざしきの儀式いひつくすべくもなし。



過ぎぬれば、道よりおりて、車にて*にまゐる。


* 蔀にて構へたる借屋
石たて松植ゑたり。



主上腰輿にめして祓殿へなる。
主上腰輿えうよにめして祓殿はらへどのへなる。


還御なりて後十三日、その度に、その折つら〳〵久しからむ折などあり。



御わきまへは、その折にとあり。