一、雲がたハ、雲の風にふきなびかされて、そびけわたりたるすがたにして、石もなく、うゑ木もなくて、ひたしらすにてあるべし。
一、霞形ハ、池のおもてをみわたせば、あさみどりのそらに、かすミのたちわたれるがごとく、ふたかさね三かさねにもいれちがへて、ほそぼそと、ここかしこたぎれわたりみゆべきなり。
一、洲浜がたはつねのごとし。但ことうるわしく紺の文などのごとくなるはわろし。
おなじすわまがたなれども、或ハひきのべたるがごとし、或ハゆがめるがごとし、或せなかあハせにうちちがへたるがごとし、或すはまのかたちかとみれども、さすがにあらぬさまにみゆべきなり。
これにすなごちらしたるうゑに、小松などの少々あるべきなり。
一、片流様ハ、とかくの風流なく、ほそながに水のながしをきたるすがたなるべし。
一、干潟様ハ、しほのひあがりたるあとのごとく、なかバハあらハれ、なかバハ水にひたるがごとくにして、おのづから石少々みゆべきなり。
一、松皮様ハ、まつかはずりのごとく、とかくちがひたるやうにて、たぎれぬべきやうにみゆるところあるべきなり。
これハ石樹ありてもなくても、人のこころにまかすべし。