そのみづおちの石ハ、作石のごとくにして、面うるわしきハ興なし。
滝三四尺にもなりぬれバ、山石の水をちうるわしくして、面くせばミたらむを、もちゐるべきなり。
但水をちよく面くせバみたりといふとも、左右のわき石よせたてむに、おもひあふ事なくは、無益なり。
水溶面よくして、左右のわきいしおもひあひぬべからむ石をたておほせて、ちりばかりもゆがめず、ねをかためてのち、左右のわき石をバ、よせたてしむべき也。
その左右のわきいしと水落の石とのあひだハ、なん尺何丈もあれ、底よりいただきにいたるまで、はにつちをたわやかにうちなして、あつくぬりあげてのち、石まぜにただのつちをもいれて、つきかたむべきなり。
そのつぎに右方はれならば、左方のわきいしのかみにそへて、よき石のたちあがりたるをたて、右のかたのわきいしのうゑに、すこしひきにて、左の石みゆるほどにたつべし。
左方はれならば、右の次第をもちて、ちがへたつべし。
さてそのかみざまは、ひらなる石をせうせうたてわたすべし。
それもひとへに水のみちの左右に、やりみづなどのごとくたてたるはわろし。
ただわすれざまに、うちちらしても、水をそばへやるまじきやうを、おもはへてたつべきなり。
次左右のわき石のまへによき石の半ばかりひきをとりたるをよせたてて、その次々は、そのいしのこはんにしたがひて、たてくだすべし。
滝のまヘハ、ことのほかにひろくて、中石などあまたありて、水を左右へわかちながしたるが、わりなきなり。
はなれをちをこのまば、面によこかどきびしき水落の石を、すこし前へかたぶけて居べし。
つたひおちをこのまば、すこしみづおちのおもてのかどたふれたる石を、ちりばかりのけばらせてたつべきなり。
つたひおちハ、うるわしくいとをくりかけたるやうに、おとす事もあり。
二三重ひきさがりたる前石をよせたてて左右へとかくやりちがへて、おとす事もあるべし。