有馬の湯に罷たりけるによめる

宇治前太政大臣



いさや又
つゞきもしらぬ
高嶺にて
先くる人に
都をぞ問ふ
いさやまた
つづきもしらぬ
たかねにて
さきくるひとに
みやこをぞとふ


熊野へまうでけるみちにて月をみてよめる

道明法師



都にて
眺めし月を
もろともに
旅の空にも
出でにけるかな
みやこにて
ながめしつきを
もろともに
たびのそらにも
いでにけるかな