少将高光かしらおろしにひえの山にのほるよし申て出けるを、いつものならひに思て、我いとふゆへにやとうらみてよみ侍ける

大納言師氏女



あはれとも
思はぬ山に
君しいらは
ふもとの草の
露とけぬへし
あはれとも
おもはぬやまに
きみしいらは
ふもとのくさの
つゆとけぬへし