あはれ我
五つの宮の
宮人と
その数ならぬ
身をなして
思ひし事は
かけまくも
かしこけれども
頼もしき
蔭に再び
遅れたる
双葉の草を
吹く風の
荒き方には
あてじとて
せばき袂を
ふせぎつつ
塵も据ゑじと
磨きては
玉の光を
誰れか見むと
思ふ心に
おほけなく
上つ枝をば
さし越えて
花咲く春の
宮人と
なりし時はは
いかばかり
茂き蔭とか
頼まれし
末の世までと
思ひつつ
九重ねの
その中に
いつき据ゑしも
言出しも
誰れならなくに
小山田を
人に任せて
我はただ
袂そほつに
身をなして
二春三春
過ぐしつつ
その秋冬の
朝霧の
絶え間にだにも
と思ひしを
峰の白雲
横様に
立ち変りぬと
見てしかば
身を限りとは
思ひにき
命あらばと
頼みしは
人に遅るる
名なりけり
思ふもしるし
山川の
みな下なりし
もろ人も
動かぬ岸に
護り上げて
沈む水屑の
果て果ては
かき流されし
神無月
薄き氷に
閉ぢられて
止まれる方も
泣きわぶる
涙沈みて
数ふれば
冬も三月に
なりにけり
長き夜な夜な
敷妙の
臥さず休まず
明け暮らし
思へどもなほ
悲しきは
八十氏人も
あたら世の
ためしなりとぞ
騒ぐなる
まして春日の
杉村に
いまだ枯れたる
枝はあらじ
大原野辺の
つぼすみれ
罪をかしある
物ならば
照る日も見よと
言ふことを
年の終りに
清めずは
わが身ぞつひに
朽ちぬべき
谷の埋もれ木
春来とも
さてや止みなむ
年の内に
春吹く風も
心あらば
袖の氷を
解けと吹かなむ
五つの宮の
宮人と
その数ならぬ
身をなして
思ひし事は
かけまくも
かしこけれども
頼もしき
蔭に再び
遅れたる
双葉の草を
吹く風の
荒き方には
あてじとて
せばき袂を
ふせぎつつ
塵も据ゑじと
磨きては
玉の光を
誰れか見むと
思ふ心に
おほけなく
上つ枝をば
さし越えて
花咲く春の
宮人と
なりし時はは
いかばかり
茂き蔭とか
頼まれし
末の世までと
思ひつつ
九重ねの
その中に
いつき据ゑしも
言出しも
誰れならなくに
小山田を
人に任せて
我はただ
袂そほつに
身をなして
二春三春
過ぐしつつ
その秋冬の
朝霧の
絶え間にだにも
と思ひしを
峰の白雲
横様に
立ち変りぬと
見てしかば
身を限りとは
思ひにき
命あらばと
頼みしは
人に遅るる
名なりけり
思ふもしるし
山川の
みな下なりし
もろ人も
動かぬ岸に
護り上げて
沈む水屑の
果て果ては
かき流されし
神無月
薄き氷に
閉ぢられて
止まれる方も
泣きわぶる
涙沈みて
数ふれば
冬も三月に
なりにけり
長き夜な夜な
敷妙の
臥さず休まず
明け暮らし
思へどもなほ
悲しきは
八十氏人も
あたら世の
ためしなりとぞ
騒ぐなる
まして春日の
杉村に
いまだ枯れたる
枝はあらじ
大原野辺の
つぼすみれ
罪をかしある
物ならば
照る日も見よと
言ふことを
年の終りに
清めずは
わが身ぞつひに
朽ちぬべき
谷の埋もれ木
春来とも
さてや止みなむ
年の内に
春吹く風も
心あらば
袖の氷を
解けと吹かなむ
あはれわれ
いつつのみやの
みやひとと
そのかすならぬ
みをなして
おもひしことは
かけまくも
かしこけれとも
たのもしき
かけにふたたひ
おくれたる
ふたはのくさを
ふくかせの
あらきかたには
あてしとて
せはきたもとを
ふせきつつ
ちりもすゑしと
みかきては
たまのひかりを
たれかみむと
おもふこころに
おほけなく
かみつえたをは
さしこえて
はなさくはるの
みやひとと
なりしときはは
いかはかり
しけきかけとか
たのまれし
すゑのよまてと
おもひつつ
ここのかさねの
そのなかに
いつきすゑしも
ことてしも
たれならなくに
をやまたを
ひとにまかせて
われはたた
たもとそほつに
みをなして
ふたはるみはる
すくしつつ
そのあきふゆの
あさきりの
たえまにたにもと
おもひしを
みねのしらくも
よこさまに
たちかはりぬと
みてしかは
みをかきりとは
おもひにき
いのちあらはと
たのみしは
ひとにおくるる
ななりけり
おもふもしるし
やまかはの
みなしもなりし
もろひとも
うこかぬきしに
まもりあけて
しつむみくつの
はてはては
かきなかされし
かみなつき
うすきこほりに
とちられて
とまれるかたも
なきわふる
なみたしつみて
かそふれは
ふゆもみつきに
なりにけり
なかきよなよな
しきたへの
ふさすやすます
あけくらし
おもへともなほ
かなしきは
やそうちひとも
あたらよの
ためしなりとそ
さわくなる
ましてかすかの
すきむらに
いまたかれたる
えたはあらし
おほはらのへの
つほすみれ
つみをかしある
ものならは
てるひもみよと
いふことを
としのをはりに
きよめすは
わかみそつひに
くちぬへき
たにのうもれき
はるくとも
さてややみなむ
としのうちに
はるふくかせも
こころあらは
そてのこほりを
とけとふかなむ
いつつのみやの
みやひとと
そのかすならぬ
みをなして
おもひしことは
かけまくも
かしこけれとも
たのもしき
かけにふたたひ
おくれたる
ふたはのくさを
ふくかせの
あらきかたには
あてしとて
せはきたもとを
ふせきつつ
ちりもすゑしと
みかきては
たまのひかりを
たれかみむと
おもふこころに
おほけなく
かみつえたをは
さしこえて
はなさくはるの
みやひとと
なりしときはは
いかはかり
しけきかけとか
たのまれし
すゑのよまてと
おもひつつ
ここのかさねの
そのなかに
いつきすゑしも
ことてしも
たれならなくに
をやまたを
ひとにまかせて
われはたた
たもとそほつに
みをなして
ふたはるみはる
すくしつつ
そのあきふゆの
あさきりの
たえまにたにもと
おもひしを
みねのしらくも
よこさまに
たちかはりぬと
みてしかは
みをかきりとは
おもひにき
いのちあらはと
たのみしは
ひとにおくるる
ななりけり
おもふもしるし
やまかはの
みなしもなりし
もろひとも
うこかぬきしに
まもりあけて
しつむみくつの
はてはては
かきなかされし
かみなつき
うすきこほりに
とちられて
とまれるかたも
なきわふる
なみたしつみて
かそふれは
ふゆもみつきに
なりにけり
なかきよなよな
しきたへの
ふさすやすます
あけくらし
おもへともなほ
かなしきは
やそうちひとも
あたらよの
ためしなりとそ
さわくなる
ましてかすかの
すきむらに
いまたかれたる
えたはあらし
おほはらのへの
つほすみれ
つみをかしある
ものならは
てるひもみよと
いふことを
としのをはりに
きよめすは
わかみそつひに
くちぬへき
たにのうもれき
はるくとも
さてややみなむ
としのうちに
はるふくかせも
こころあらは
そてのこほりを
とけとふかなむ