圓融院御出家の後八月ばかりに廣澤にわたらせ給ひ侍りける御供に左右大將つかうまつり一つ車にて歸り侍りける

按察使朝光于時右大將



秋の夜を
今はと歸る
夕ぐれは
なく虫の音ぞ
悲しかりける
あきのよを
いまはとかへる
ゆふぐれは
なくむしのねぞ
かなしかりける