光明峰寺入道前攝政の家の秋の三十首の歌の中に

辨内侍



有りて憂き
荻の葉風の
音づれは
待たれぬものを
秋の夕暮
ありてうき
をぎのはかぜの
おとづれは
またれぬものを
あきのゆふぐれ