難波に月見に罷りて五首の歌詠み侍りけるに、海上曉月といふ事を

前大納言爲世



浪の上に
映れる月は
在りながら
伊駒の山の
峯ぞ明け行く
なみのうへに
うつれるつきは
ありながら
いこまのやまの
みねぞあけゆく