親の、いとよくかしづきける、人のむすめ、ありけり。
親の、いとよくかしづきける、人のむすめ、ありけり。


女のする才のかぎり、しつくして、「今は書読ませむ」とて、「博士にはむつまじからむ人をせむ」とて、異腹の兄、大学の衆にてありけり。
女のするざえのかぎり、しつくして、「今はふみ読ませむ」とて、「博士にはむつまじからむ人をせむ」とて、異腹ことはらこのかみ、大学のしゆうにてありけり。


異腹なれば、うとくて、
異腹なれば、うとくて、


「あひ見ず」
「あひ見ず」


などありけれど、
などありけれど、


「知らぬ人よりは」
「知らぬ人よりは」


とて、簾ごしに、几帳たててぞ、読ませける。
とて、簾ごしに、几帳たててぞ、読ませける。