「いかがおはします」と言ひければ
「いかがおはします」と言ひければ
消え果てて
身こそはるかに
なり果てめ
夢の魂
君にあひ添へ
きえはてて
みこそはるかに
なりはてめ
ゆめのたましひ
きみにあひそへ
魂は
身をもかすめず
ほのかにて
君まじりなば
何にかはせむ
たましひは
みをもかすめず
ほのかにて
きみまじりなば
なににかはせむ
とて、よろづのことを言ひて泣けども、いらへせずなりにければ、
とて、よろづのことを言ひて泣けども、いらへせずなりにければ、
「死ぬ」とて、泣き騒げば、声を聞きて、ときあけて見れば、絶え入る気色を見て、まどひ出でて、ほかの家に去にけり。
「死ぬ」とて、泣き騒げば、声を聞きて、ときあけて見れば、絶え入る気色を見て、まどひ出でて、ほかの家に去にけり。
親出でて後に、出で居て、入りて、見れば、死にて臥せり。
親出でて後に、出で居て、入りて、見れば、死にて臥せり。