篁物語
- 第2段
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この男、いとをかしき様をみて、少し馴れゆくままに、顔を見え、物語りなどもして、書の点といふものを取らせたりけるを、見れば、角筆して、歌をなむ、書きたりける。
この男、いとをかしき様をみて、少し馴れゆくままに、顔を見え、物語りなどもして、
書
ふみ
の点といふものを取らせたりけるを、見れば、
角筆
かくひち
して、歌をなむ、書きたりける。
中にゆく
吉野の河は
あせななむ
妹背の山を
越えて見るべく
なかにゆく
よしののかはは
あせななむ
いもせのやまを
こえてみるべく
Оно Такамура
танка
Ёсиногава
Имояма
Сэнояма
любовь
玉葉和歌集 > #1278
とありければ、「かかりける」と心づかひしけれど、「なさけなくやは」とて、
とありければ、「かかりける」と心づかひしけれど、「なさけなくやは」とて、
妹背山
かげだに見えで
やみぬべく
吉野の河は
濁れとぞ思ふ
いもせやま
かげだにみえで
やみぬべく
よしののかはは
にごれとぞおもふ
танка
Ёсиногава
Имояма
Сэнояма
любовь
каэси-ута
玉葉和歌集 > #1279