飽かずして
過ぎける人の
魂に
生ける心を
見せ給ふらむ
あかずして
すぎけるひとの
たましひに
いけるこころを
みせたまふらむ


あな恥づかし」とのたまふに、男
あな恥づかし」とのたまふに、男


「なにか、それはおぼしめす。
「なにか、それはおぼしめす。


かくては、果てはえ知ろしめさじ。
かくては、果てはえ知ろしめさじ。


御魂のあるやうも見るべく、試みに、さやなり給はぬ」とて
御魂のあるやうも見るべく、試みに、さやなり給はぬ」とて


「別れなば
おのが魂魂
なりぬとも
おどろかさねば
あらじとぞ思ふ
「わかれなば
おのがたまだま
なりぬとも
おどろかさねば
あらじとぞおもふ


出でてまかりしを、引きとどめて、今日までさぶらはせ給ふ、うるさしかし」と言ひける。
出でてまかりしを、引きとどめて、今日までさぶらはせ給ふ、うるさしかし」と言ひける。