宇治拾遺物語
- 巻第五 範久阿闍梨西方を後にせざる事
巻第五 (Свиток пятый)
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これも今は昔、範久阿闍梨といふ僧ありけり。
山の楞厳院に住みけり。
Рёгон-ин
Хиэ
ひとへに極楽を願ふ。
行住座臥、西方を後にせず。
唾をはき、大小便西に向かはず。
入日を背中に負はず。
西坂より山へ登る時は、身をそばだてて歩む。
常にいはく、「植ゑ木の倒るる事、必ず傾く方にあり。
心を西方にかけんに、なんぞ志を遂げざらん。
臨終正念疑はず」となん言ひける。
往生伝に入りたりとか。