人の元に罷りける夜、蟋蟀の鳴きけるを聞きて詠める
ひともとまかれりける蟋蟀きりぎりすきけるをきてめる


蟋蟀
甚くな鳴きそ
秋夜の
長き思ひは
我ぞ勝れる
きりぎりす
いたくななきそ
あきのよの
ながきおもひは
われぞまされる


素性法師 或 藤原忠房