爲忠がときはに爲業侍りけるに、西住・寂爲まかりて、太秦に籠りたりけるに、かくと申したりければ、まかりたりけり。有明と申す題をよみけるに



こよひこそ
心のくまは
知られぬれ
入らで明けぬる
月をながめて
こよひこそ
こころのくまは
しられぬれ
いらであけぬる
つきをながめて