成尋阿闍梨母集
На главную
Полный текст
Русский
English
日本語
Поэтическое собрание, где старая мать, полная мыслей о сыне, посланном в Китай, с мельчайшими подробностями описывает свои чувства. 1071 г.
Оригинал:
宮内庁書陵部本『成尋阿闍梨母集』
上巻 (Первый том)
延久三年正月三十日
子は二人ぞ律師・阿闍梨にて
二年ばかりありてのどやかに物語しつつ
二月十六日門出し給ふとて騒ぐに心の内推し量るべし
その朝文おこせ給へるつらけれど急ぎ見れば
筑紫には生の松原ありと聞きて
ほど経るままに夢を悪しう見たる心地のみして
備前よりとて文持て来たる
三月五日夜の夢に御方例ならずおはすと見えしかば
書き付けでもありぬべきことなれど
下巻 (Второй том)
延久三年正月二十日 二巻
われにもあらずはかなく日数過ぎ六月になりて
年ごろ思ふことなくて世の中騒がしと言へば
立ち別れ聞こえし日より落つる涙の絶え間に
はかなくて過ぐる月日ぞわれ一人がおぼつかなさに
思へども飽かず侍れば昔のことを思ひ出づるに
人々のおのが思ひ思ひもの言ふも耳にも聞き入れられず
例のわれにもあらずながら日ごろ過ぐるほどに霜月にぞ御文ある
世の中いとどかき暗す心地して経をだに読みて
月のいみじう明かきを見侍るに夜更けて入るに
さるは身の思はずなるありさまになり侍りしより
三月つごもりになりて二十七日雨いとおどろおどろしう
五月五日とて幼き稚児どもの菖蒲取り散らして
日数もはかなく過ぎて六月になりぬ
されどなほこの世のおぼつかなさの慰むかたなく思ゆるままに
八月十一日の夢に阿闍梨おはして
正月になりてもこの月のつごもりぞかし岩倉より仁和寺へ渡りしは
唐よりここに文ありと聞きしかどそらごとにや見えず
この方のふたがりたるほど律師四十五日の方違へに
四月一日律師の御房院の御修法に夜べよりあるとて
昔さりともと頼み聞こえさせしあたりも
常は心地の悪しくこのごろもするにや顔も身も腫れて