なでしこの
花をば常に
来てぞ見る
あさぢが原の
草のかげより
なでしこの
はなをばつねに
きてぞみる
あさぢがはらの
くさのかげより


いざやこゝ
若菜摘みてむ
根芹生ふる
淺澤小野は
里遠く共
いざやここ
わかなつみてむ
ねせりおふる
あさぢをのは
さととほくとも


浅茅生の
野辺にしあれば
みずもなき
池に摘みつる
若菜なりけり
あさぢふの
のべにしあれば
みずもなき
いけにつみつる
わかななりけり
Вот молодые травы,
Собранные на Прудах,
Где и воды-то нет.
Ведь те Пруды — равнина
В редких зарослях кустов асадзи[18]
18. Асадзи — низкорослый кустарник аланг-аланг.
いづことも
露のあはれは
わかれじを
あさぢが原の
秋ぞ悲しき
いづことも
つゆのあはれは
わかれじを
あさぢがはらの
あきぞかなしき
Где б ни был ты,
Везде прекрасны росы,
Различий между ними не ищу,
Но на полянах тростниковых ваших
Я полюбила осень.

玉鉾に
君し来寄らば
浅茅生に
まじれる菊の
香はまさりなん
たまぼこに
きみしきよらば
あさぢふに
まじれるきくの
かはまさりなん


浅茅生の
小野の篠原
忍ぶれど
あまりてなどか
人の恋しき
あさじふの
をののしのはら
しのぶれど
あまりてなどか
ひとのこひしき
В поле асадзи —
Мелкий в поле бамбук.
Как я ни таился,
Переполнилось сердце. Зачем
Я так сильно её люблю?!
Данное стихотворение взято из ант. «Госэнсю», 578 («Песни любви», книга первая).
* Первые две строки — фольклорный зачин.
* Поле асадзи — поле, покрытое кустами низкорослого аланг-аланга; там и сям «таятся» тонкие стебли мелкого бамбука.
* Японское название этого бамбука «сино» словно бы вызывает в третьей строке глагол «синобу» (скрывать свои чувства, таиться).
あさちはら
ぬしなきやとの
桜花
心やすくや
風にちるらん
あさちはら
ぬしなきやとの
さくらはな
こころやすくや
かせにちるらむ


浅茅、いとをかし。

Мелкий тростник[141] очень красив.
141. Низкорослый аланг-аланг.
霜枯れの
浅茅にまがふ
ささがにの
いかなるをりに
かくと見ゆらむ
しもかれの
あさぢにまがふ
ささがにの
いかなるをりに
かくとみゆらむ


あさぢ深く
なりゆくあとを
わけ入れば
袂にぞまづ
露はちりける
あさぢふかく
なりゆくあとを
わけいれば
たもとにぞまづ
つゆはちりける


初霜も
置にけらしな
今朝見れば
野邊の淺茅も
色付きに鳬
はつしもも
おきにけらしな
けさみれば
のべのあさぢも
いろづきにけり
Всё в первом инее,
Похоже,
Сегодня глянул я с утра:
Вся мелкая трава, что в поле,
Окрасилась в осенние цвета.

この里も
夕立志けり
淺茅生に
露のすがらぬ
草のはもなし
このさとも
ゆふだちしけり
あさぢうに
つゆのすがらぬ
くさのはもなし
И в этом селении тоже,
После ливня
В зарослях асадзи
Нет ни единой травинки
Без капли росы...
Хотя это не роса
あとたえて
あさぢしげれる
庭のおもに
誰わけいりて
すみれつみてん
あとたえて
あさぢしげれる
にはのおもに
たれわけいりて
すみれつみてん


浅茅生の
をのゝ芝生の
夕露に
菫つむとて
ぬるゝ袖哉
あさぢふの
をののしばふの
ゆふつゆに
すみれつむとて
ぬるるそでかな


露ふかき
庭のあさぢに
風過ぎて
名殘すゞしき
夕立のそら
つゆふかき
にはのあさぢに
かぜすぎて
なごりすずしき
ゆふだちのそら
По густой росе
На кустарниках в саду
Пролетел ветер:
Прохладная память
О дождливом небе.

露まがふ
日影になびく
淺ぢふの
おのづから吹く
夏の夕風
つゆまがふ
ひかげになびく
あさぢふの
おのづからふく
なつのゆふかぜ
Поникли травы
От смешавшейся с солнечным светом росы
На поле, поросшим кустарником,
И от того ли
Дует ветер летнего вечера...

風の音も
いつ變るらむ
秋は來て
まだ淺茅生の
をのゝ篠原
かぜのおとも
いつかはるらむ
あきはきて
まだあさぢうの
をののしのはら


草ふかみ
浅茅まじりの
沼水に
螢とびかふ
夏の夕暮
くさふかみ
あさぢまじりの
ぬまみづに
ほたるとびかふ
なつのゆふぐれ
Над болотной водой,
Где смешались с асадзи
Густые травы,
Летают светлячки
Этим летним вечером...
とびかふ — беспорядочно летать, пересекаясь
あさちふの
露けくもあるか
秋きぬと
めにはさやかに
みえけるものを
あさちふの
つゆけくもあるか
あききぬと
めにはさやかに
みえけるものを


かれはてゝ
後は何せむ
あさぢふに
秋こそ人を
松虫のこゑ
かれはてて
のちはなにせむ
あさぢふに
あきこそひとを
まつむしのこゑ


かきわけて
をればつゆこそ
こぼれけれ
あさぢにまじる
なでしこの花
かきわけて
をればつゆこそ
こぼれけれ
あさぢにまじる
なでしこのはな


なれも又
思にもえて
かげろふの
小野の淺茅に
飛螢かな
なれもまた
おもひにもえて
かげろふの
をののあさぢに
とぶほたるかな


淺茅原
たままく葛の
うら風の
うら悲しかる
秋は來にけり
あさぢはら
たままくくずの
うらかぜの
うらかなしかる
あきはきにけり


淺茅生の
小野の篠原
風そよぎ
人しるらめや
秋立ぬとは
あさぢうの
をののしのはら
かぜそよぎ
ひとしるらめや
あきたたぬとは


秋風に
外山の鹿は
こゑたてゝ
露吹き結ぶ
小野のあさぢふ
あきかぜに
とやまのしかは
こゑたてて
つゆふきむすぶ
をののあさぢふ


淺ぢふに
けさおく露の
寒けくに
枯にし人の
なぞや戀しき
あさぢふに
けさおくつゆの
さむけくに
かれにしひとの
なぞやこひしき


故里は
淺ぢが原と
荒果てゝ
夜すがら虫の
ねをのみぞなく
ゆゑさとは
あさぢがはらと
あれはてて
よすがらむしの
ねをのみぞなく


淺ぢふの
秋の夕暮
なく虫は
わがごと志たに
ものや悲しき
あさぢふの
あきのゆふぐれ
なくむしは
わがごとしたに
ものやかなしき


夕されは
をののあさちふ
玉ちりて
心くたくる
風のおとかな
ゆふされは
をののあさちふ
たまちりて
こころくたくる
かせのおとかな


なをさりの
をのゝあさちに
をく露も
草葉にあまる
秋の夕くれ
なをさりの
をののあさちに
をくつゆも
くさばにあまる
あきのゆふくれ


夜な〳〵の
露の宿りに
成にけり
淺茅が原と
あるゝ古郷
よなよなの
つゆのやどりに
なりにけり
あさぢがはらと
あるるふるさと


誰れか又
秋風ならで
ふるさとの
庭の淺茅の
露もはらはむ
たれかまた
あきかぜならで
ふるさとの
にはのあさぢの
つゆもはらはむ


暮れゆけば
淺茅が原の
虫の音も
尾上の鹿も
聲たてつなり
くれゆけば
あさぢがはらの
むしのねも
をのへのしかも
こゑたてつなり


色かはる
野邊の淺茅に
おく露を
末葉にかけて
秋風ぞ吹く
いろかはる
のべのあさぢに
おくつゆを
すゑはにかけて
あきかぜぞふく


白露の
玉しくをのゝ
浅茅原
風よりさきに
秋はきにけり
しらつゆの
たましくをのの
あさぢはら
かぜよりさきに
あきはきにけり


鶉鳴く
野原の淺茅
打ちなびき
ゆふつゆもろく
秋風ぞふく
うづらなく
のはらのあさぢ
うちなびき
ゆふつゆもろく
あきかぜぞふく


雲かゝる
夕日は空に
かげろふの
小野の淺茅生
風ぞ凉しき
くもかかる
ゆふひはそらに
かげろふの
をののあさぢう
かぜぞすずしき


てる月の
かけさえぬれは
あさちはら
雪のしたにも
むしはなきけり
てるつきの
かけさえぬれは
あさちはら
ゆきのしたにも
むしはなきけり
Сияющей луны
Свет стал леденящим
На равнине, заросшей асадзи,
И под снегом тоже
Звучат голоса насекомых!

あさちはら
はすゑにむすふ
露ことに
ひかりをわけて
やとる月かけ
あさちはら
はすゑにむすふ
つゆことに
ひかりをわけて
やとるつきかけ


君なくで
あれたる宿の
あさぢふに
鶉なくなり
秋の夕ぐれ
きみなくで
あれたるやどの
あさぢふに
うづらなくなり
あきのゆふぐれ


さゝがにの
すがく淺茅の
末毎に
みだれてぬける
白露の玉
ささがにの
すがくあさぢの
すゑごとに
みだれてぬける
しらつゆのたま


あやしくも
なかぬ雁かも
しら露の
をきし浅茅生
色付にけり
あやしくも
なかぬかりかも
しらつゆの
をきしあさぢう
いろづきにけり


雲の上に
雁そ鳴なる
我やとの
浅茅もいまた
紅葉あへなくに
くものうへに
かりそなくなる
わがやとの
あさぢもいまた
もみぢあへなくに


今朝のあさけ
雁かねさむみ
鳴なへに
野辺の浅茅そ
色付にける
けさのあさけ
かりかねさむみ
なくなへに
のべのあさぢそ
いろづきにける


あさぢはら
葉ずゑの露の
たまごとに
ひかりつらぬく
秋のよの月
あさぢはら
はずゑのつゆの
たまごとに
ひかりつらぬく
あきのよのつき


吹結ふ
風よりやかて
乱れけり
しける浅茅の
秋の白露
ふきむすふ
かぜよりやかて
みだれけり
しけるあさぢの
あきのしらつゆ


秋はまだ
淺茅が末の
夕風に
我がそでかけて
露けかるらむ
あきはまだ
あさぢがすゑの
ゆふかぜに
わがそでかけて
つゆけかるらむ


むしのねは
あさちかもとに
うつもれて
秋はすゑはの
色にそ有りける
むしのねは
あさちかもとに
うつもれて
あきはすゑはの
いろにそありける


さまさまの
あさちかはらの
むしのねを
あはれひとつに
ききそなしつる
さまさまの
あさちかはらの
むしのねを
あはれひとつに
ききそなしつる


淺茅原
曲曲二
物念者
故郷之
所念可聞
あさぢはら
つばらつばらに
ものもへば
ふりにしさとし
おもほゆるかも
Поле с мелкою травкой…
Когда начинаю
Вспоминать день за днем свои прежние годы,
Как тоскую всегда
Я о старом селенье!

思ひかね
別れし野べを
きてみれば
淺ちが原に
秋風ぞふく
おもひかね
わかれしのべを
きてみれば
あさちがはらに
あきかぜぞふく
Не в силах тосковать,
Пришёл на поле то, где
Мы расстались,
Увидел, на заросшей тростником равнине
Дует осенний ветер.

秋の行く
野山の淺茅
うら枯れて
峰に分るゝ
雲ぞしぐるゝ
あきのゆく
のやまのあさぢ
うらかれて
みねにわかるる
くもぞしぐるる


秋かぜの
吹ばかつちる
浅茅生の
露を尋て
やどる月影
あきかぜの
ふけばかつちる
あさぢうの
つゆをたづねて
やどるつきかげ


みしまのゝ
淺茅がうは葉
秋風に
色づきぬとや
鶉鳴くらむ
みしまのの
あさぢがうはは
あきかぜに
いろづきぬとや
うづらなくらむ
На поле Мисима
Верхняя листва асадзи
В осеннем ветре
Окрасилась...
Наверное, звучит птица удзура.

うらがるる
浅茅が原の
かるかやの
乱れてものを
思ふころかな
うらがるる
あさぢがはらの
かるかやの
みだれてものを
おもふころかな
Увядший, пожелтевший,
Разбросан на полях повсюду
Скошенный тростник...
Настало время
Смятенья и тревог.
* Скошенный разбросанный тростник — образ смутных, тревожных дум, любовного беспокойства.
浅茅生の
をのゝ白露
吹風に
あまりて月の
影そこほるゝ
あさぢうの
をののしらつゆ
ふくかぜに
あまりてつきの
かげそこほるる


虫の音も
かれ〴〵になる
長月の
淺ぢが末の
露のさむけさ
むしのねも
かれがれになる
ながつきの
あさぢがすゑの
つゆのさむけさ


浅茅生の
をのゝしの原
色付て
露霜さむみ
鶉なくなり
あさぢうの
をののしのはら
いろづて
つゆしもさむみ
うづらなくなり


浅ちふの
をのゝしの原
なくむしの
涙にあまる
秋の夕露
あさちふの
をののしのはら
なくむしの
なみだにあまる
あきのゆふつゆ


夕されば
野邊の淺茅に
吹く風の
色こそ見えね
露ぞこぼるゝ
ゆふされば
のべのあさぢに
ふくかぜの
いろこそみえね
つゆぞこぼるる


聲絶えず
秋の夜すがら
鳴く虫は
淺茅がつゆぞ
涙なりける
こゑたえず
あきのよすがら
なくむしは
あさぢがつゆぞ
なみだなりける


風わたる
浅茅が末の
露にだに
宿りもはてぬ
宵のいなづま
かぜわたる
あさぢがすゑの
つゆにだに
やどりもはてぬ
よひのいなづま
Сметает ветер
Росинки с тростников:
Даже зарницы блеск
Не успевает
В них отразиться.

淺茅生や
かれ行をのゝ
霜の上に
猶影やどす
有明の月
あさぢうや
かれゆくをのの
しものうへに
なほかげやどす
ありあけのつき


置きあまる
露は亂れて
淺茅生の
小野の篠原
秋かぜぞ吹く
おきあまる
つゆはみだれて
あさぢうの
をののしのはら
あきかぜぞふく


浅茅生の
露吹むすふ
凩に
みたれてもなく
むしのこゑ哉
あさぢうの
つゆふむすふ
こがらしに
みたれてもなく
むしのこゑかな


浅ちふの
秋の夕の
きり〴〵す
ねになきぬへき
時はしりけり
あさちふの
あきのゆふべの
きりぎりす
ねになきぬへき
ときはしりけり


人とはぬ
あさちか原の
秋風に
こゝろなかくも
松むしのなく
ひととはぬ
あさちかはらの
あきかぜに
こころなかくも
まつむしのなく


あらち山
夕霧晴るゝ
秋風に
矢田野の淺茅
つゆもとまらず
あらちやま
ゆふぎりはるる
あきかぜに
やたののあさぢ
つゆもとまらず


今よりは
はや寐ねがての
秋風に
色づき初むる
庭の淺茅生
いまよりは
はやねねがての
あきかぜに
いろづきそむる
にはのあさぢう


月のすむ
あさぢにすだく
きりぎりす
露のおくにや
秋をしるらん
つきのすむ
あさぢにすだく
きりぎりす
つゆのおくにや
あきをしるらん


あらち山
矢田の庵野の
月影に
やどり殘さぬ
淺茅生のつゆ
あらちやま
やたのいほのの
つきかげに
やどりのこさぬ
あさぢうのつゆ


あさち原
はらはぬ霜の
ふる郷に
たれ我ためと
衣うつらん
あさちはら
はらはぬしもの
ふるさとに
たれわがためと
ころもうつらん


更けぬるか
露のやどりも
夜寒にて
淺茅が月に
秋風ぞ吹く
ふけぬるか
つゆのやどりも
よさむにて
あさぢがつきに
あきかぜぞふく


ひさきおふる
をののあさちに
おく霜の
しろきをみれは
夜やふけぬらん
ひさきおふる
をののあさちに
おくしもの
しろきをみれは
よやふけぬらむ


身のうきも
誰かはつらき
浅ちふに
恨てもなく
虫の声哉
みのうきも
たれかはつらき
あさちふに
うらみてもなく
むしのこゑかな


水くきの
をかのあさちの
蛬
霜のふりはや
夜さむ成らん
みづくきの
をかのあさちの
きりきりす
しものふりはや
よさむなるらん


人めより
軈てかれにし
我宿の
淺茅が霜ぞ
むすぼゝれ行く
ひとめより
やがてかれにし
わがやどの
あさぢがしもぞ
むすぼほれゆく


虫のねも
うらかれ初る
あさちふに
影さへよはる
有明の月
むしのねも
うらかれそむる
あさちふに
かげさへよはる
ありあけのつき


霜ふかき
庭のあさぢの
志をればに
朝風さむし
岡のへの里
しもふかき
にはのあさぢの
しをればに
あさかぜさむし
をかのへのさと


夜寒なる
野寺の鐘は
おとづれて
淺茅が霜と
澄める月かげ
よさむなる
のてらのかねは
おとづれて
あさぢがしもと
すめるつきかげ


霜枯の
淺茅色づく
冬野には
尾ばなぞ秋の
かたみなりける
しもがれの
あさぢいろづく
ふゆのには
をばなぞあきの
かたみなりける
На зимнем поле,
Где травы асадзи повяли,
Окрасились ярко,
Трава обана —
Память об осени.

終夜
つゆのやどりに
鳴くむしの
なみだ數そふ
庭の淺茅生
よもすがら
つゆのやどりに
なくむしの
なみだかずそふ
にはのあさぢう


浅茅原
はらはぬ庭の
露のうへに
心のまゝに
やとる月哉
あさぢはら
はらはぬにはの
つゆのうへに
こころのままに
やとるつきかな


故郷や
あれ行庭の
浅茅原
露ふかしとて
誰かはらはん
ふるさとや
あれゆにはの
あさぢはら
つゆふかしとて
たれかはらはん


秋の色は
結びもとめぬ
夕霜に
いとゞかれ行く
庭の淺茅生
あきのいろは
むすびもとめぬ
ゆふしもに
いとどかれゆく
にはのあさじふ


心ざし
淺ぢが末に
おく露の
たまさかにとふ
ひとは頼まじ
こころざし
あさぢがすゑに
おくつゆの
たまさかにとふ
ひとはたのまじ


秋ふかき
をのゝ浅茅の
露なから
末葉にあまる
虫の声哉
あきふかき
をののあさぢの
つゆなから
すゑはにあまる
むしのこゑかな


淺茅生に
秋まつ程や
忍ぶらむ
聞きもわかれぬ
むしの聲々
あさぢうに
あきまつほどや
しのぶらむ
ききもわかれぬ
むしのこゑごゑ


霜結ふ
野原の浅茅
うら枯て
むしの音よはる
秋風そ吹
しもむすふ
のはらのあさぢ
うらかて
むしのおとよはる
あきかぜそふ


やゝさむき
をのゝ浅茅の
秋風に
いつより鹿の
鳴はしめけん
ややさむき
をののあさぢの
あきかぜに
いつよりしかの
なきはしめけん


さえわたる
音もあらちの
山風に
矢田野の浅茅
霜結ふ也
さえわたる
おともあらちの
やまかぜに
やたののあさぢ
しもむすふなり


紀伊国や
吹上のをのゝ
浅茅原
なひく霜夜に
さゆる浜かせ



矢田の野の
あさぢが原も
埋れぬ
いくへあらちの
峯の白雪
やたののの
あさぢがはらも
うづもれぬ
いくへあらちの
みねのしらゆき


行く秋の
末葉の淺茅
露ばかり
なほ影とむる
ありあけの月
ゆくあきの
すゑはのあさぢ
つゆばかり
なほかげとむる
ありあけのつき


秋といへば
契りおきてや
結ぶらむ
浅茅が原の
けさの白露
あきといへば
ちぎりおきてや
むすぶらむ
あさぢがはらの
けさのしらつゆ
Рано утром
Росою покрылось
Поле
Мелкого тростника,
Настала осень...
* Мелкий тростник (асадзи или кая) — дикорастущее многолетнее растение из семейства рисовых, высотой около 60 см. В те времена им зарастали огромные просторы. Рос
(иногда специально высаживался) и в садах. Поэтический образ, часто встречающийся ещё в «Манъёсю».

秋されば
おく白露に
我が宿の
浅茅が上葉
色づきにけり
あきされば
おくしらつゆに
わがやどの
あさぢがうはば
いろづきにけり
Осень пришла,
И белой росою покрылся
Мелкий тростник в саду,
Его верхние листья
Окрасил багрянец.