Весна
0
Лето
0
Осень
80
Зима
1
Любовь
2
Благопожелания
0
Странствия
1
Разлука
1
Скорбь
2
Буддийское
0
Синтоистское
0
Разное
9
Иное
0
むざんやな
甲の下の
きりぎりす
むざんやな
かぶとのしたの
きりぎりす
Жестока судьба!
Под славным шлемом сегодня
Ютится кузнечик.

人のもとにまかれりける夜、きりきりすのなきけるをききてよめる

藤原忠房
人のもとにまかれりける夜、きりきりすのなきけるをききてよめる

藤原忠房
Сложил, когда при посещении одного дома услышал верещание кузнечика

Фудзивара-но Тадафуса

きりぎりす
夜寒に秋の
なるままに
よわるか声の
遠ざかりゆく
きりぎりす
よさむにあきの
なるままに
よわるかこゑの
とほざかりゆく
Осень... Всё холоднее ночи,
И у сверчков как будто нет уж сил:
Слышу, как постепенно замирают,
Словно удаляясь,
Их голоса...

秋ふけぬ
鳴けや霜夜の
きりぎりす
やや影寒し
よもぎふの月
あきふけぬ
なけやしもよの
きりぎりす
ややかげさむし
よもぎふのつき
Осень глубокая...
Ночами хоть бы вы, сверчки,
Подали голос из травы заиндевелой,
Освещённой
Луны холодным светом...
* Поэт следует песне-прототипу — танка Сонэ-но Ёситада из антологии «Госюисю» (свиток «Песни осени»):
Плачьте же, плачьте, сверчки,
Что в травах густых
Затаились:
Поистине, грусти полна
Уходящая осень.

きりぎりす
鳴くや霜夜の
さむしろに
衣かたしき
ひとりかも寝む
きりぎりす
なくやしもよの
さむしろに
ころもかたしき
ひとりかもねむ
Жалобно стонут сверчки,
Иней сверкает на травах, —
В эту холодную ночь
Неужели придётся
Одинокое ложе стелить?
* Мотив ассоциируется с песней неизвестного автора из «Кокинсю», а также знаменитой танка Хитомаро из «Сюисю» (см. коммент. 99, 420).

Включено в антологию Огура хякунин иссю, 91.
床近し
あなかま夜半の
きりぎりす
夢にも人の
見えもこそすれ
とこちかし
あなかまよはの
きりぎりす
ゆめにもひとの
みえもこそすれ
Сверчки!
Как громко раздаются ваши голоса!
Словно у изголовья!
О, дайте хоть вр сне
Увидеться с любимой!

秋の夜の
あかつきがたの
きりぎりす
人づてならで
聞かましものを
あきのよの
あかつきがたの
きりぎりす
ひとづてならで
きかましものを
Лишь сменит
Ночь осеннюю рассвет,
Послушал бы живые голоса сверчков,
А здесь, увы,
О них лишь песни!

きりぎりす
鳴くや霜夜の
さむしろに
衣かたしき
ひとりかも寝む
きりぎりす
なくやしもよの
さむしろに
ころもかたしき
ひとりかもねむ
Сверчок не смолкает
Под половицей в морозной ночи.
Веет стужей циновка.
Не скинув одежды, прилягу.
Ужели мне спать одному?!
Данное стихотворение взято из ант. «Синкокинсю», 518 («Песни осени», книга вторая).
Ужели мне спать одному? — см. стихотворение Какиномото-но Хитомаро.
蟋蟀
いたくななきそ
秋の夜の
長き思ひは
我そまされる
きりきりす
いたくななきそ
あきのよの
なかきおもひは
われそまされる
О кузнечик в саду!
Не надо, не пой так печально —
ведь сильнее, чем ты,
я тоскую, и скорбные думы,
как осенние ночи, долги…

あき萩も
色つきぬれは
きりきりす
わかねぬことや
よるはかなしき
あきはきも
いろつきぬれは
きりきりす
わかねぬことや
よるはかなしき
Может быть, оттого,
что хаги увяли, поблекли
на осеннем лугу, —
как и я, не уснёт кузнечик,
безутешно всю ночь рыдает…
125. Хаги — леспедеца двуцветная Lespedeza bicolor, полукустарник с желтыми цветами.
我のみや
あはれとおもはむ
きりきりす
なくゆふかけの
やまとなてしこ
われのみや
あはれとおもはむ
きりきりす
なくゆふかけの
やまとなてしこ
Разве только меня
чарует вечер осенний?
Трель во мраке звенит —
на лугу меж цветов гвоздики
неумолчно поет кузнечик…

もろともに
なきてととめよ

秋のわかれは
をしくやはあらぬ
もろともに
なきてととめよ
きりきりす
あきのわかれは
をしくやはあらぬ
Все мы вместе с тобой
разрыдаемся нынче, кузнечик,
чтоб отсрочить отъезд —
о, сколь горестна будет разлука,
что грядет порою осенней!..

秋はきぬ
いまやまかきの
きりきりす
よなよななかむ
風のさむさに
あきはきぬ
いまやまかきの
きりきりす
よなよななかむ
かせのさむさに
Вот и осень пришла —
теперь по ночам за оградой
на холодном ветру
будет петь тоскливо кузнечик,
на ветвях хурмы примостившись…

秋風に
ほころひぬらし
ふちはかま
つつりさせてふ
蟋蟀なく
あきかせに
ほころひぬらし
ふちはかま
つつりさせてふ
きりきりすなく
На осеннем ветру
гибнут в поле «цветы-шаровары» —
и, горюя о том,
верещат кузнечики хором:
«Эй, сшивайте швы, швы сшивайте!»
387. «Шаровары» — см. коммент, к № 239. Верещание кузнечика передается звукоподражанием, которое в буквальном переводе может означать «сшивать по швам» и относиться к слову «шаровары».
秋風の
吹きくる宵は
きりぎりす
草の根ごとに
聲亂れけり
あきかぜの
ふきくるよひは
きりぎりす
くさのねごとに
こゑみだれけり
В этой ночи,
В дующем ветре осеннем
Смешались
Голоса кузнечиков,
Что сидят на каждом корне травы...
Примерный перевод

我ごとく
物や悲しき
きりぎりす
草の宿りに
聲たえずなく
われごとく
ものやかなしき
きりぎりす
くさのやどりに
こゑたえずなく
Подобно мне
О чём-то печалится
Кузнечик?
В приюте из трав
Голос его не смолкает.
Примерный перевод

秋のよの
あはれはたれも
しるものを
われのみとなく
きりきりすかな
あきのよの
あはれはたれも
しるものを
われのみとなく
きりきりすかな
Хоть и знаю,
Что все печальны
Осенней ночью,
Но только со мною лишь
Плачет кузнечик.
Примерный перевод

秋ふかく
なりにけらしな
きりきりす
ゆかのあたりに
こゑきこゆなり
あきふかく
なりにけらしな
きりきりす
ゆかのあたりに
こゑきこゆなり
Осень
Поздней стала,
Кузнечика
Слышу стрекотание
Где-то на полу.

Примерный перевод

かなしさは
秋の嵯峨野の
きりぎりす
なほふるさとに
音をや鳴くらむ
かなしさは
あきのさがのの
きりぎりす
なほふるさとに
ねをやなくらむ
Осенней поре привычна печаль...
Слышу, как плачут сверчки
На поле Сагано.
Не так ли и там,
В твоей стороне?

秋の夜きりぎりすを聞くといふ題をよめと、人々に仰せられて、おほとのごもりにける朝に、その歌を御覧じて

天暦御歌(村上天皇)
秋の夜きりぎりすを聞くといふ題をよめと、人々に仰せられて、おほとのごもりにける朝に、その歌を御覧じて

天暦御歌(村上天皇)
Повелел всем слагать песни на тему: «Слушая голоса сверчков осенней ночью», а наутро, посмотрев их, сложил

Тэнряку

なけやなけ
よもぎが杣の
蟋蟀
過ぎゆく秋は
げにぞ悲しき
なけやなけ
よもぎがそまの
きりきりす
すぎゆくあきは
げにぞかなしき
Пой же, пой,
В моём домишке
Кузнечик!
Осень проходящая
До чего ж печальна!
Примерный перевод
杣— пиломатериалы, строевой лес
yomogigasoma — Очень заросшее полынью место, похожее на гору Сомаяма, или уничижительное прозвание своего дома
きりきりすのちかくなきけるをよませ給うける

花山院御製
きりきりすのちかくなきけるをよませ給うける

花山院御製
Император Кадзан

きりぎりす。

Кузнечик.

露繁き
のべに傚ひて
きり〴〵す
我が手枕の
下になくなり
つゆしげき
のべにならひて
きりぎりす
わがたまくらの
したになくなり
Привыкший к росам
Обильным в эту пору в полях,
Кузнечик,
Под моими ладонями
Заплакал.
Примерный перевод
Перевод

*Под ладонями мокро от слёз, что кузнечик перепутал с росой поздней осени, к которой уже привык, и от его голоса только печальней.
きり〴〵すをよめる

前齋院六條

О кузнечике

Бывшая сайин Рокудзё

月のすむ
あさぢにすだく
きりぎりす
露のおくにや
秋をしるらん
つきのすむ
あさぢにすだく
きりぎりす
つゆのおくにや
あきをしるらん


わがよとや
ふけゆく空を
おもふらん
こゑもやすまぬ
きりぎりすかな
わがよとや
ふけゆくそらを
おもふらん
こゑもやすまぬ
きりぎりすかな


ゆふざれや
たまおく露の
こざさふに
声はつならす
きりぎりすかな
ゆふざれや
たまおくつゆの
こざさふに
こゑはつならす
きりぎりすかな


きりぎりす
なくなるのべは
よそなるを
おもはぬそでに
露のこぼるる
きりぎりす
なくなるのべは
よそなるを
おもはぬそでに
つゆのこぼるる


きりぎりす
夜さむになるを
つげがほに
まくらのもとに
きつつなくなり
きりぎりす
よさむになるを
つげがほに
まくらのもとに
きつつなくなり


ひとりねの
ともにはなれて
きりぎりす
なくねをきけば
もの思ひそふ
ひとりねの
ともにはなれて
きりぎりす
なくねをきけば
ものおもひそふ


しもうづむ
むぐらがしたの
きりぎりす
あるかなきかの
こゑきこゆなり
しもうづむ
むぐらがしたの
きりぎりす
あるかなきかの
こゑきこゆなり


かべにおふる
こぐさにわぶる
きりぎりす
しぐるるにはの
つゆいとふべし
かべにおふる
こぐさにわぶる
きりぎりす
しぐるるにはの
つゆいとふべし


住みなるゝ
床はくさばの

霜にかれゆく
音をや鳴くらむ
すみなるる
とこはくさばの
きりきりす
しもにかれゆく
ねをやなくらむ



鳴くを我が身の
たぐひにて
しらぬ思ひを
哀れとぞきく
きりきりす
なくをわがみの
たぐひにて
しらぬおもひを
あはれとぞきく


夜もすがら
音をばなくとも

我れより勝る
ものは思はじ
よもすがら
ねをばなくとも
きりきりす
われよりまさる
ものはおもはじ


誰が秋の
つらさ恨みて

暮るれば野邊の
つゆに鳴くらむ
たがあきの
つらさうらみて
きりきりす
くるればのべの
つゆになくらむ


尋ねても
誰れとへとてか

ふかきよもぎの
露に鳴くらむ
たづねても
たれとへとてか
きりきりす
ふかきよもぎの
つゆになくらむ


長き夜の
寐覺の床の
きり〴〵す
同じ枕に
ねをのみぞなく
ながきよの
ねざめのとこの
きりぎりす
おなじまくらに
ねをのみぞなく
Долгой ночи
Пробужденье, на постели
Кузнечик
У того же изголовья
Лишь рыдает в голос...
Примерный перевод


そことも見えぬ
庭の面の
暮れ行く草の
かげに鳴くなり
きりきりす
そこともみえぬ
にはのおもの
くれゆくくさの
かげになくなり


霜むすぶ
淺茅が原の
蟋蟀
かればともにと
音をや鳴くらむ
しもむすぶ
あさぢがはらの
きりきりす
かればともにと
ねをやなくらむ


夕されば
蓬がねやの
きり〴〵す
枕のしたに
こゑぞ聞ゆる
ゆふされば
よもぎがねやの
きりぎりす
まくらのしたに
こゑぞきこゆる


きり〴〵す
思ふ心を
いかにとも
互に知らで
なき明すかな
きりぎりす
おもふこころを
いかにとも
互にしらで
なきあかすかな


心とや
なきよわるらむ
きり〴〵す
おのが涙の
露の夜寒に
こころとや
なきよわるらむ
きりぎりす
おのがなみだの
つゆのよさむに


露ふかき
夜さむの秋の
きり〴〵す
草の枕に
恨みてぞ鳴く
つゆふかき
よさむのあきの
きりぎりす
くさのまくらに
うらみてぞなく


きり〴〵す
聲はいづくぞ
草もなき
白洲の庭の
秋の夜の月
きりぎりす
こゑはいづくぞ
くさもなき
しらすのにはの
あきのよのつき


きり〴〵す
月をやしたふ
庭遠く
かたぶく方の
影に鳴く也
きりぎりす
つきをやしたふ
にはとほく
かたぶくかたの
かげになくなり



なく夜をさむみ
置くつゆに
淺茅が上ぞ
いろかれてゆく
きりきりす
なくよをさむみ
おくつゆに
あさぢがうへぞ
いろかれてゆく


夜さむなる
枕の下の
きり〴〵す
哀に聲の
なほのこりける
よさむなる
まくらのしたの
きりぎりす
あはれにこゑの
なほのこりける


初霜に
枯れ行くくさの

あきはくれぬと
きくぞかなしき
はつしもに
かれゆくくさの
きりきりす
あきはくれぬと
きくぞかなしき


うら枯るゝ
淺茅がにはの

よわるを志たふ
我もいつまで
うらかるる
あさぢがにはの
きりきりす
よわるをしたふ
われもいつまで


日影殘る
籬の草に
鳴初めて
暮るゝを急ぐ
きり〴〵すかな
ひかげのこる
まがきのくさに
なきそめて
くるるをいそぐ
きりぎりすかな


なれて聞く
老の枕の
きり〴〵す
なからむ跡の
哀をもとへ
なれてきく
おいのまくらの
きりぎりす
なからむあとの
あはれをもとへ


影くらき
籬のもとの
蟋蟀
暮るゝも待たで
音をや鳴くらむ
かげくらき
まがきのもとの
きりきりす
くるるもまたで
ねをやなくらむ


秋を經て
なるゝ枕の
蟋蟀
知るや五十ぢの
なみだ添ふとは
あきをへて
なるるまくらの
きりきりす
しるやいそぢの
なみだそふとは


芦垣の
まぢかきほどの

おもひやなぞと
いかでとはまし
あしかきの
まぢかきほどの
きりきりす
おもひやなぞと
いかでとはまし


よそに聞く
こゑだにあるを

枕の志たに
なにうらむらむ
よそにきく
こゑだにあるを
きりきりす
まくらのしたに
なにうらむらむ


長き夜は
絶間もあれや

鳴きつくすべき
うらみならぬを
ながきよは
たえまもあれや
きりきりす
なきつくすべき
うらみならぬを


草枕
涙の露の
かかるをや
みねききつら
なくきりぎりす
くさまくら
なみだのつゆの
かかるをや
みねききつらなく
なくきりぎりす

底本「なく」に「本ニ本」と傍書
蟋蟀
甚くな鳴きそ
秋夜の
長き思ひは
我ぞ勝れる
きりぎりす
いたくななきそ
あきのよの
ながきおもひは
われぞまされる


床嫌短腳蛬聲閙
壁厭空心鼠孔穿




おのが鳴く音も
たえ〴〵に
かべのひま洩る
月ぞ悲しき
きりきりす
おのがなくねも
たえだえに
かべのひまもる
つきぞかなしき


庭のむしは
鳴きとまりぬる
雨の夜の
かべに音する
蛬かな
にはのむしは
なきとまりぬる
あめのよの
かべにおとする
きりきりすかな


きり〴〵す
壁のなかにぞ
聲すなる
蓬が杣に
風やさむけき
きりぎりす
かべのなかにぞ
こゑすなる
よもぎがそまに
かぜやさむけき


淺茅生や
床は草葉の
蟋蟀
なく音もかるゝ
野べのはつしも
あさぢうや
とこはくさばの
きりきりす
なくねもかるる
のべのはつしも


きり〴〵す
聲かすかなる
曉の
かべにすくなき
有明のかげ
きりぎりす
こゑかすかなる
あかつきの
かべにすくなき
ありあけのかげ


きり〴〵す
鳴く音も悲し
人知れず
秋の思の
ふかき寢覺に
きりぎりす
なくねもかなし
ひとしれず
あきのおもひの
ふかきねざめに


惜めども
秋は末野の
霜のしたに
うらみかねたる
蟋蟀かな
をしめども
あきはすゑのの
しものしたに
うらみかねたる
きりきりすかな

末野の
中納言、見目よりはじめ、何事にも優れてめでたくおはするを、心ある人は見知りて、嘆かし秋の夕暮れ、きりぎりすいたく鳴きけるを、「長き思ひは」など、ながめ給ひけるを、忘れがたき事に言ひためり。

Тюнагон, не только обликом, но и во всех делах превосходил всех,
きりぎりす
いたくな鳴きそ
秋の夜の
長き思ひは
われぞまされる
〔古今集 196〕
曉の
枕の志たに
住みなれて
寐覺ことゝふ
きり〴〵すかな
あかつきの
まくらのしたに
すみなれて
ねざめこととふ
きりぎりすかな


水くきの
をかのあさちの

霜のふりはや
夜さむ成らん
みづくきの
をかのあさちの
きりきりす
しものふりはや
よさむなるらん


水くきの
をかのあさちの

霜のふりはや
夜さむ成らん
みづくきの
をかのあさちの
きりきりす
しものふりはや
よさむなるらん


つねよりも
ねこそしけけれ

今夜は千ゝに
物やかなしき
つねよりも
ねこそしけけれ
きりきりす
こよひはちゝに
ものやかなしき


秋の野に
やとりをすれは

かたしく袖の
下に鳴なり
あきののに
やとりをすれは
きりきりす
かたしくそでの
したにななり


思ひあまり
とはゝや夜はの

たか枕にも
露やかゝると
おもひあまり
とははやよはの
きりきりす
たかまくらにも
つゆやかかると



老の寝覚を
あはれとや
まくらのしたに
鳴よはるらん
きりきりす
おいのねざめを
あはれとや
まくらのしたに
なよはるらん



なくより外の
をともなし
月かけふくる
浅ちふの宿
きりきりす
なくよりほかの
をともなし
つきかけふくる
あさちふのやど


こよひこそ
秋とおほゆれ
月影に
蛬なきて
風そ身にしむ
こよひこそ
あきとおほゆれ
つきかげに
きりきりすなきて
かぜそみにしむ



哀とそきく
つゐのわか
蓬かもとの
友そとおもへは
きりきりす
あはれとそきく
つゐのわか
よもぎかもとの
ともそとおもへは


浅ちふの
秋の夕の
きり〴〵す
ねになきぬへき
時はしりけり
あさちふの
あきのゆふべの
きりぎりす
ねになきぬへき
ときはしりけり


心して
いたくなゝきそ
きり〴〵す
かことかましき
老のね覚に
こころして
いたくななきそ
きりぎりす
かことかましき
おいのねさめに


きり〴〵す
なかき恨を
すかのねの
思ひみたれて
なかぬ夜そなき
きりぎりす
なかきうらみを
すかのねの
おもひみたれて
なかぬよそなき


哀にも
枕の下の
きり〴〵す
むそちの夢の
ね覚をそとふ
あはれにも
まくらのしたの
きりぎりす
むそちのゆめの
ねさめをそとふ


はるかなる
声はかりして
きり〴〵す
ねなくに秋の
夜をあかしつる
はるかなる
こゑはかりして
きりぎりす
ねなくにあきの
よをあかしつる


ふりまさる
あま夜の閨の
きり〳〵す
絶〳〵になる
声も悲しき
ふりまさる
あまよのねやの
きりぎりす
たえだえになる
こゑもかなしき


夕つく夜
心もしのに
しら露の
をくこの庭に
きり〳〵すなく
ゆふつくよ
こころもしのに
しらつゆの
をくこのにはに
きりぎりすなく


草深み
きり〳〵すいたく
鳴宿の
はき見に君は
いつかきまさん
くさふかみ
きりぎりすいたく
なくやどの
はきみにきみは
いつかきまさん


鳴あかす
友とはきけと
きり〳〵す
思ふ心は
かよひしもせし
なきあかす
ともとはきけと
きりぎりす
おもふこころは
かよひしもせし


きり〳〵す
ね覚の床を
とひかほに
わきて枕の
したにしもなく
きりぎりす
ねさめのとこを
とひかほに
わきてまくらの
したにしもなく


暮ぬとや
かた山陰の
きり〳〵す
夕日かくれの
露になくらん
くれぬとや
かたやまかげの
きりぎりす
ゆふひかくれの
つゆになくらん


かれゆくきり〳〵すの声を聞て

中務卿具平親王



秋ふくる
浅茅か庭の
きり〳〵す
夜やさむからし
声よはり行
あきふくる
あさぢかにはの
きりぎりす
よやさむからし
こゑよはりゆく


鳴よはる
葎かしたの
きり〳〵す
今いくかとか
秋をしるらん
なきよはる
むぐらかしたの
きりぎりす
いまいくかとか
あきをしるらん


秋風の
簾うこかし
ふくなへに
庭草なひき
きり〳〵すなく
あきかぜの
すだれうこかし
ふくなへに
にはくさなひき
きりきりすなく


長き夜の
友とそ頼む
きり〳〵す
我もつゐには
蓬生のもと
ながきよの
ともとそたのむ
きりきりす
われもつゐには
よもぎうのもと


秋草の
枯葉かしたの
きり〳〵す
いつまてありて
人にきかれん
あきくさの
かれはかしたの
きりきりす
いつまてありて
ひとにきかれん


我ことや
秋ふけかたの
きり〳〵す
残りすくなき
ねをは鳴らん
われことや
あきふけかたの
きりきりす
のこりすくなき
ねをはなくらん


露になく
お花かもとの
きり〳〵す
たか手枕の
涙そふらん
つゆになく
おはなかもとの
きりきりす
たかたまくらの
なみだそふらん


かへにおふる
草の中なる
きり〳〵す
いつまて露の
身をやとすらん
かへにおふる
くさのなかなる
きりきりす
いつまてつゆの
みをやとすらん


商飆颯颯葉輕輕
壁蛬流音數處鳴
曉露鹿鳴花始發
百般攀折一枝情



秋風丹
綻沼良芝
藤袴
綴刺世砥手
蛬鳴
あきかせに
ほころびぬらし
ふぢばかま
つづりさせとて
きりぎりすなく

在原棟梁
吾而已哉
憐砥思

鳴暮景之
倭瞿麥
われのみや
あはれとおもはむ
きりぎりす
なくゆふかげの
やまとなでしこ


秋來曉暮報吾聲
蟋蟀高低壁下鳴
耿耿長宵驚睡處
誰言愛汝最丁寧



涼飆急扇物先哀
應是為秋氣早來
壁蛬家家音始亂
叢芽處處萼初開



秋風之
吹立沼禮者

己歟綴砥
木之葉緒曾刺
あきかぜの
ふきたちぬれば
きりぎりす
おのがつづりと
このはをぞさす

佚名
秋風觸處蛬鳴寒
木葉零惟衣一單
夜夜愁音侵客耳
朝朝餘響滿庭壇



きり〳〵す
夜をへて秋は
手枕の
下やすからぬ
ねをや鳴らん
きりきりす
よをへてあきは
たまくらの
したやすからぬ
ねをやなくらん


我れのみや
あはれと思はむ
きりぎりす
鳴く夕影の
大和なでしこ
われのみや
あはれとおもはむ
きりぎりす
なくゆふかげの
やまとなでしこ


秋風に
ほころびぬらむ
藤袴
つづりさせてふ
きりぎりす鳴く
あきかぜに
ほころびぬらむ
ふじばかま
つづりさせてふ
きりぎりすなく