Весна
3
Лето
6
Осень
14
Зима
2
Любовь
47
Благопожелания
2
Странствия
4
Разлука
0
Скорбь
1
Буддийское
1
Синтоистское
0
Разное
41
Иное
0
藻塩草
かくともつきじ
君が代の
数によみおく
和歌の浦波
もしほぐさ
かくともつきじ
きみがよの
かずによみおく
わかのうらなみ
В бухте Вака морские травы
Приносят волны к берегам,
Их много, все их не собрать,
Как нет конца японским песням
И будущим твоим годам, о государь!
* Сложена поэтом в первый день вступления в должность ответственного секретаря Департамента поэзии.

* Бухта Вака находится в г. Вакаяма, ассоциируется с вака — «японская песня»: как невозможно собрать все водоросли, что приносит волна, так не собрать и всех песен (главной функцией Департамента поэзии был сбор песен и составление поэтических антологий). Восхваляя поэзию вака, автор, используя двузначный образ водорослей и песен, желает долголетия императору.

見し人は
世にもなぎさの
藻塩草
かきおくたびに
袖ぞしをるる
みしひとは
よにもなぎさの
もしほぐさ
かきおくたびに
そでぞしをるる
Родные и друзья уходят друг за другом.
И каждый раз,
Когда записываю на доске их имена,
От слез обильных
Промокает мой рукав.
* Записываю на доске их имена — речь идет о деревянной тонкой и длинной доске с начертанными на ней сутрами, на которой записывались имена умерших для поминальной службы.
和歌の浦に
かきとどめたる
もしほ草
これを昔の
かたみとは見よ
わかのうらに
かきとどめたる
もしほくさ
これをむかしの
かたみとはみよ


つひによも
あだにはならじ
もしほ草
かたみをみよの
跡にのこせば
つひによも
あだにはならじ
もしほくさ
かたみをみよの
あとにのこせば


敷島や
大和の国は
天地の
開け始めし
昔より
岩戸をあけて
おもしろき
神楽の言葉
歌ひてし
さればかしこき
ためしとて
ひじりの御世の
道しるく
人の心を
たねとして
よろづのわざを
言の葉に
鬼神までも
あはれとて
八州のほかの
四つの海
波も静かに
をさまりて
空吹く風も
やはらかに
枝も鳴らさず
降る雨も
時定まれば
君々の
みことのままに
したがひて
和歌の浦路の
もしほ草
かき集めたる
あと多く
それが中にも
名をとめて
三代までつぎし
人の子の
親のとりわき
ゆづりてし
そのまことさへ
ありながら
思へばいやし
信濃なる
そのははき木の
そのはらに
種をまきたる
とがとてや
世にも仕へよ
生ける世の
身を助けよと
契りおく
須磨と明石の
つづきなる
細川山野
山川の
わづかに命
かけひとて
伝ひし水の
水上も
せきとめられて
今はただ
陸にあがれる
魚のごと
かぢを絶えたる
舟のごと
寄るかたもなく
わびはつる
子を思ふとて
夜の鶴
泣く泣く都
出でしかど
身は数ならず
鎌倉の
世のまつりごと
しげければ
聞こえあげてし
言の葉も
枝にこもりて
梅の花
四年の春に
なりにけり
行くへも知らぬ
中空の
風にまかする
故郷は
軒端も荒れて
ささがにの
いかさまにかは
なりぬらむ
世々の跡ある
玉づさも
さて朽ち果てば
葦原の
道もすたれて
いかならむ
これを思へば
私の
嘆きのみかは
世のためも
つらきためしと
なりぬべし
行く先かけて
さまざまに
書き残されし
筆の跡
かへすがへすも
いつはりと
思はましかば
ことわりを
ただすの森の
ゆふしでに
やよやいささか
かけて問へ
みだりがはしき
末の世に
麻はあとなく
なりぬとか
いさめおきしを
忘れずは
ゆがめることを
また誰か
ひき直すべき
とばかりに
身をかへりみず
頼むぞよ
その世を聞けば
さてもさは
残るよもぎと
かこちてし
人のなさけも
かかりけり
同じ播磨の
境とて
一つ流れを
汲みしかば
野中の清水
よどむとも
もとの心に
まかせつつ
とどこほりなき
水茎の
跡さへあらば
いとどしく
鶴が岡べの
朝日影
八千代の光
さしそへて
明らけき世の
なほも栄えむ
しきしまや
やまとのくには
あめつちの
あけはじめし
むかしより
いはとをあけて
おもしろき
かぐらのことは
うたひてし
さればかしこき
ためしとて
ひじりのみよの
みちしるく
ひとのこころを
たねとして
よろづのわざを
ことのはに
おにがみまでも
あはれとて
八州のほかの
よつのうみ
なみもしづかかに
をさまりて
そらふくかぜも
やはらかに
えだもならさず
ふるあめも
ときさだまれば
きみ々の
みことのままに
したがひて
わかのうらぢの
もしほくさ
かきあつめたる
あとおほく
それがなかにも
なをとめて
みよまでつぎし
ひとのねの
おやのとりわき
ゆづりてし
そのまことさへ
ありながら
おもへばいやし
しなのなる
そのははきこの
そのはらに
たねをまきたる
とがとてや
よにもつかへよ
いけるよの
みをたすけよと
ちぎりおく
すまとあかしの
つづきなる
ほそかはやまの
やまかはの
わづかにいのち
かけひとて
つたひしみづの
みなかみも
せきとめられて
いまはただ
陸にあがれる
いをのごと
かぢをたえたる
ふねのごと
よるかたもなく
わびはつる
ねをおもふとて
よのつる
なくなくみやこ
いでしかど
みはかずならず
かまくらの
よのまつりごと
しげければ
きこえあげてし
ことのはも
えだにこもりて
うめのはな
よとしのはるに
なりにけり
ゆくへもしらぬ
なかそらの
かぜにまかする
ふるさとは
のきはもあれて
ささがにの
いかさまにかは
なりぬらむ
よよのあとある
たまづさも
さてくちはてば
あしはらの
みちもすたれて
いかならむ
これをおもへば
私の
なげきのみかは
よのためも
つらきためしと
なりぬべし
ゆくさきかけて
さまざまに
かきのこされし
ふでのあと
かへすがへすも
いつはりと
おもはましかば
ことわりを
ただすのもりの
ゆふしでに
やよやいささか
かけてとへ
みだりがはしき
すゑのよに
あさはあとなく
なりぬとか
いさめおきしを
わすれずは
ゆがめることを
またたれか
ひき直すべき
とばかりに
みをかへりみず
たのむぞよ
そのよをきけば
さてもさは
のこるよもぎと
かこちてし
ひとのなさけも
かかりけり
おなじはりまの
さかひとて
ひとつながれを
くみしかば
のなかのしみづ
よどむとも
もとのこころに
まかせつつ
とどこほりなき
みづぐきの
あとさへあらば
いとどしく
つるがをかべの
あさひかげ
やちよのひかり
さしそへて
あきらけきよの
なほもさかえむ


もしほ草
しきつのうらの
ねさめには
時雨にのみや
袖はぬれける
もしほくさ
しきつのうらの
ねさめには
しくれにのみや
そてはぬれける


いそかくれ
かきはやれとも
もしほ草
たちくる浪に
あらはれやせん
いそかくれ
かきはやれとも
もしほくさ
たちくるなみに
あらはれやせむ


淺ましや
などかきたゆる
藻鹽草
さ社は蜑の
すさびなり共
あさましや
などかきたゆる
もしほくさ
さこそはあまの
すさびなりとも


和歌の浦に
しられぬ蜑の
藻汐草
すさび計に
朽や果てなむ
わかのうらに
しられぬあまの
もしほくさ
すさびばかりに
くちやはてなむ


藻汐草
かき置く跡や
いかならむ
我身によらむ
和歌の浦浪
もしほくさ
かきおくあとや
いかならむ
わがみによらむ
わかのうらなみ


さみだれに
ほすひまなくて
もしほ草
けぶりもたてぬ
うらのあま人
さみだれに
ほすひまなくて
もしほくさ
けぶりもたてぬ
うらのあまひと


五月雨に
いせをの海士の
藻汐草
ほさでも頓て
朽ぬべき哉
さみだれに
いせをのあまの
もしほくさ
ほさでもやがて
くちぬべきかな
В пору летних дождей
Водоросли, что собирают
Рыбаки из Исэ,
Должно быть, не сохнут никак,
Лишь портятся только...
Примерный перевод

わかの浦に
おひずば爭で
藻汐草
浪の所爲も
かき集めまし
わかのうらに
おひずばいかで
もしほくさ
なみのしよゐも
かきあつめまし

所爲?
藻汐草
かくかひあらば
和歌の浦に
跡つけぬべき
言の葉もがな
もしほくさ
かくかひあらば
わかのうらに
あとつけぬべき
ことのはもがな


藻鹽草
かき集めたる
和歌の浦の
その人數に
思ひ出でずや
もしほくさ
かきあつめたる
わかのうらの
そのひとかずに
おもひいでずや


若の浦の
波の數には
もれにけり
かくかひもなき
藻鹽草哉
わかのうらの
なみのかずには
もれにけり
かくかひもなき
もしほくさかな


袖濡らす
人もや有ると
藻鹽草
形見のうらに
書きぞ集むる
そでぬらす
ひともやあると
もしほくさ
かたみのうらに
かきぞあつむる


たにかなひ、一ふしのとるべきあるをば、これをすつる事なしといへども、よものうみのなみのさはぎも、こよろぎのいそとせにをよベれば、家々のことの葉風にちり、浦々のもしほ草、かきもらせるたぐひも又なきにあらざるべし。



もしほ焼
煙のすゑも
見えそめて
空よりはるゝ
浦の朝霧
もしほやき
けぶりのすゑも
みえそめて
そらよりはるる
うらのあさぎり


蜑のたく
浦のもしほ木
我なれや
からき思に
もえこがれつゝ
あまのたく
うらのもしほき
われなれや
からきおもひに
もえこがれつつ


五月雨にいせをの海士の藻汐草ほさでも頓て朽ぬべき哉

六條入道前太政大臣


頼實公
田子の浦の
藻鹽も燒かぬ
梅雨に
絶えぬは富士の
烟なりけり
たごのうらの
もしほもやかぬ
さみだれに
たえぬはふじの
けぶりなりけり
В бухте Таго
Из водорослей соль не жгут
В пору летних дождей,
И лишь не прервался
Дым горы Фудзи.
Примерный перевод

わくらはに
とふ人あらは
すまの浦に
もしほたれつつ
わふとこたへよ
わくらはに
とふひとあらは
すまのうらに
もしほたれつつ
わふとこたへよ
Если спросят тебя,
что делаю я в этом мире, —
отвечай, что в Сума,
орошая рукав слезами
соль из водорослей добываю…

須磨の浦に
海人のこりつむ
藻塩木の
からくも下に
燃えわたるかな
すまのうらに
あまのこりつむ
もしほぎの
からくもしたに
もえわたるかな
Печаль на сердце
Горше соли,
Что добывают в Сума рыбаки,
В огне любви, — как на костре,
Вот-вот сгорю я сам!

なびかじな
海人の藻塩火
たきそめて
煙は空に
くゆりわぶとも
なびかじな
あまのもしほび
たきそめて
けぶりはそらに
くゆりわぶとも
Короткой струйкой
Потянулся к небу
Дымок рыбацкого костра...
Но про огонь в моей груди
Едва ли ты узнаешь...

恋をのみ
須磨の浦人
藻塩たれ
ほしあへぬ袖の
はてを知らばや
こひをのみ
すまのうらひと
もしほたれ
ほしあへぬそでの
はてをしらばや
Как рукава у рыбаков,
Что добывают водоросли из моря,
Не просыхают и мои,
Тоской любовной я измучен.
Что делать мне?

藻塩焼く
海人の磯屋の
夕煙
立つ名も苦し
思ひ絶えなで
もしほやく
あまのいそやの
ゆふけぶり
たつなもくるし
おもひたえなで
Словно вечером дым,
Поднявшийся от рыбацких костров,
Разнеслась обо мне
Людская молва.
Но ей не загасить огня любви!

浦にたく
藻塩の煙
なびかめや
よもの方より
風は吹くとも
うらにたく
もしほのけぶり
なびかめや
よものかたより
かぜはふくとも
Разве к другим
Склонится моё сердце?
Ведь в бухте, где жгут водоросли рыбаки,
В одну лишь сторону относит ветер дым,
Хоть дует с разных он сторон.

藻塩ほくむ
袖の月影
をのづから
よそにあかさぬ
すまのうら人
もしほくむ
そでのつきかげ
をのづから
よそにあかさぬ
すまのうらひと
Рыбак, что добывает соль
В заливе Сума,
Любуется лишь отраженьем
Луны рассветной
На промокшем рукаве.

沖つ風
夜寒になれや
田子の浦の
海人の藻塩火
焚きまさるらむ
おきつかぜ
よさむになれや
たごのうらの
あまのもしほび
たきまさるらむ
Близится полночь,
И ветер холодный с моря подул:
Недаром в бухте Тага
Ярче стало гореть
Пламя рыбацких костров.
Таго?
浦ちかく
たつ秋霧の
藻汐やく
煙とのみぞ
見えわたりける
うらちかく
たつあききりの
もしほやく
けぶりとのみぞ
みえわたりける


さみたれは
あまのもしほ木
くちにけり
うらへに煙
たえてほとへぬ
さみたれは
あまのもしほき
くちにけり
うらへにけふり
たえてほとへぬ


一かたに
なひくもしほの
煙かな
つれなき人の
かからましかは
ひとかたに
なひくもしほの
けふりかな
つれなきひとの
かからましかは


たこの浦に
霞のふかく
見ゆるかな
もしほのけふり
たちやそふらん
たこのうらに
かすみのふかく
みゆるかな
もしほのけふり
たちやそふらむ


もしほやく
煙になるる
すまのあまは
秋立つ霧も
わかすやあるらん
もしほやく
けふりになるる
すまのあまは
あきたつきりも
わかすやあるらむ


旅の空
夜はの煙と
のぼりなば
蜑の藻汐火
たくかとやみむ
たびのそら
よはのけぶりと
のぼりなば
あまのもしほひ
たくかとやみむ
В небо странствия
Полуночное дым
Если не поднимался,
То и огонь, где рыбаки выжигают соль,
Гореть бы перестал...
Примерный перевод

風ふけば
もしほの煙
うち靡き
我も思はぬ
かたにこそゆけ
かぜふけば
もしほのけぶり
うちなびき
われもおもはぬ
かたにこそゆけ
Лишь ветер подул,
И дым от костров,
Где выжигают соль
Склонился в сторону такую,
Куда я и подумать бы не смог.
Примерный перевод

立ち昇る
藻汐の煙
たえせねば
空にも志るき
すまの浦かな
たちのぼる
もしほのけぶり
たえせねば
そらにもしるき
すまのうらかな


藻汐やく
須磨の浦人
うちはへて
厭ひやすらむ
五月雨の空
もしほやく
すまのうらひと
うちはへて
いとひやすらむ
さみだれのそら


風ふけば
もしほの烟
かたよりに
靡くをひとの
心ともがな
かぜふけば
もしほのけぶり
かたよりに
なびくをひとの
こころともがな
Лишь подует ветер,
Дым от костров, где соль из водорослей жгут,
В одну сторону клонится,
Хочу же, чтоб и её сердце
Так же склонилось!
Примерный перевод

藻鹽やく
煙もきりに
埋もれぬ
すまのせきやの
秋の夕ぐれ
もしほやく
けぶりもきりに
うづもれぬ
すまのせきやの
あきのゆふぐれ
Не в дыме ль от костров
Где выжигают из водорослей соль,
Утонула совсем
Застава Сума
Этим осенним вечером.
Примерный перевод

煙だに
それともみえぬ
夕霧に
猶志たもえの
蜑のもしほ火
けぶりだに
それともみえぬ
ゆふぎりに
なほしたもえの
あまのもしほひ


恨みじな
難波のみつに
立つ烟
心からやく
あまの藻しほ火
うらみじな
なにはのみつに
たつけぶり
こころからやく
あまのもしほひ


來ぬ人を
松尾の浦の
夕なぎに
燒くや藻鹽の
身も焦れつゝ
こぬひとを
まつほのうらの
ゆふなぎに
やくやもしほの
みもこかれつつ


石見潟
なみ路隔てゝ
行く船の
よそにこがるゝ
蜑の藻鹽火
いはみかた
なみぢへだてて
ゆくふねの
よそにこがるる
あまのもしほひ


こと浦の
煙のよそに
年ふれど
猶こりはてぬ
海士の藻鹽木
ことうらの
けぶりのよそに
としふれど
なほこりはてぬ
あまのもしほき


契りおきし
契の上に
そへおかむ
わかの浦路の
蜑のもしほ木
ちぎりおきし
ちぎりのうへに
そへおかむ
わかのうらぢの
あまのもしほき


心ある
海士の藻汐木
たきすてゝ
月にぞあかす
松がうら島
こころある
あまのもしほき
たきすてて
つきにぞあかす
まつがうらしま


志きしまや
やまと島ねの
かぜとして
吹き傳へたる
ことの葉は
神の御代より
かはたけの
世々に流れて
絶えせねば
今もはこやの
やまかぜの
枝もならさず
しづけさに
むかしの跡を
たづぬれば
峰の木ずゑも
かげしげく
よつの海にも
なみ立たず
和歌のうら人
かずそひて
藻汐のけぶり
立ちまさり
行く末までの
ためしをぞ
島のほかにも
きこゆなる
これを思へば
きみが代に
あふくま河は
うれしきを
みわだに懸る
うもれ木の
しづめることは
からびとの
みよ迄あはぬ
なげきにも
限らざりける
身のほどを
思へばかなし
かすがやま
峯のつゞきの
まつがえの
いかに指ける
すゑなれや
きたの藤なみ
かけてだに
云にもたらぬ
しづえにて
した行く水の
こされつゝ
いつゝの品に
としふかく
十とてみつに
へにしより
よもぎの門に
さしこもり
みちのしば草
おひはてゝ
春のひかりは
こととをく
秋はわが身の
うへとのみ
つゆけき袖を
いかゞとも
とふ人もなき
まきの戸に
猶ありあけの
つきかげを
まつことがほに
ながめても
思ふこゝろは
おほぞらの
空しき名をば
おのづから
殘さむことも
あやなさに
なにはのことも
津のくにの
葦のしをれの
刈りすてゝ
すさびにのみぞ
なりにしを
きし打つ浪の
たちかへり
かゝるみことも
かしこさに
入江のもくづ
かきつめて
とまらむ跡は
みちのくの
忍ぶもぢずり
みだれつゝ
忍ぶばかりの
ふしやなからむ
しきしまや
やまとしまねの
かぜとして
ふきつたへたる
ことのはは
かみのみよより
かはたけの
よよにながれて
たえせねば
いまもはこやの
やまかぜの
えだもならさず
しづけさに
むかしのあとを
たづぬれば
みねのこずゑも
かげしげく
よつのうみにも
なみたたず
わかのうらひと
かずそひて
もしほのけぶり
たちまさり
ゆくすゑまでの
ためしをぞ
しまのほかにも
きこゆなる
これをおもへば
きみがよに
あふくまかはは
うれしきを
みわだにかける
うもれこの
しづめることは
からびとの
みよまであはぬ
なげきにも
かぎらざりける
みのほどを
おもへばかなし
かすがやま
みねのつづきの
まつがえの
いかにさしける
すゑなれや
きたのふぢなみ
かけてだに
いにもたらぬ
しづえにて
したゆくみづの
こされつつ
いつつのしなに
としふかく
とをとてみつに
へにしより
よもぎのかどに
さしこもり
みちのしばくさ
おひはてて
はるのひかりは
こととをく
あきはわがみの
うへとのみ
つゆけきそでを
いかがとも
とふひともなき
まきのとに
なほありあけの
つきかげを
まつことがほに
ながめても
おもふこころは
おほぞらの
むなしきなをば
おのづから
のこさむことも
あやなさに
なにはのことも
つのくにの
あしのしをれの
かりすてて
すさびにのみぞ
なりにしを
きしうつなみの
たちかへり
かかるみことも
かしこさに
いりえのもくづ
かきつめて
とまらむあとは
みちのくの
しのぶもぢずり
みだれつつ
しのぶばかりの
ふしやなからむ


藻しほ燒く
烟も絶えて
松島や
をじまの浪に
はるゝ月かげ
もしほやく
けぶりもたえて
まつしまや
をじまのなみに
はるるつきかげ


藻鹽やく
煙な立てそ
須磨の蜑の
ぬるゝ袖にも
月は見る覽
もしほやく
けぶりなたてそ
すまのあまの
ぬるるそでにも
つきはみるらん
Дым от костров,
Где жгут из водорослей соль,
Не поднимайся!
Там рыбаки из Сума, должно быть,
Видят луну и в промокших рукавах...
Примерный перевод

月澄めば
蜑の藻しほの
煙だに
立ちも登らず
うら風ぞ吹く
つきすめば
あまのもしほの
けぶりだに
たちものぼらず
うらかぜぞふく


藻鹽燒く
蜑の栲繩
打ちはへて
苦しとだにも
いふ方ぞなき
もしほやく
あまのたくなは
うちはへて
くるしとだにも
いふかたぞなき


人問はゞ
よその思と
いひなさむ
藻しほの煙
風にまかせて
ひととはば
よそのおもひと
いひなさむ
もしほのけぶり
かぜにまかせて


煙だに
思ひばかりは
志るべせよ
いそまの浦の
蜑の藻汐火
けぶりだに
おもひばかりは
しるべせよ
いそまのうらの
あまのもしほひ


徒らに
思ひこがれて
年もへぬ
人をみぬめの
浦の藻しほ火
いたづらに
おもひこがれて
としもへぬ
ひとをみぬめの
うらのもしほひ


なびくかと
みえし藻汐の
煙だに
今はあとなき
浦風ぞ吹く
なびくかと
みえしもしほの
けぶりだに
いまはあとなき
うらかぜぞふく


藻鹽やく
烟を雲の
便りにて
しぐれをいそぐ
須磨のうら風
もしほやく
けぶりをくもの
たよりにて
しぐれをいそぐ
すまのうらかぜ


冬深き
あこぎの海士の
藻鹽木に
雪つみそへて
さゆる浦風
ふゆふかき
あこぎのあまの
もしほきに
ゆきつみそへて
さゆるうらかぜ


藻鹽やく
烟になるゝ
海士衣
うきめをつゝむ
袖やぬれなむ
もしほやく
けぶりになるる
あまころも
うきめをつつむ
そでやぬれなむ


伊勢の海の
蜑の藻鹽火
拷繩の
くるれば最ど
燃え増りつゝ
いせのうみの
あまのもしほひ
拷なはの
くるればいとど
もえまさりつつ


戀侘びて
もえむ烟の
末もうし
さのみあはでの
浦の藻鹽火
こひわびて
もえむけぶりの
すゑもうし
さのみあはでの
うらのもしほひ


蜑衣
ぬれそふ袖の
うらみても
見るめ渚に
もしほたれつゝ
あまころも
ぬれそふそでの
うらみても
みるめなぎさに
もしほたれつつ


知られじな
海士の藻汐木
こりずまに
猶下燃の
絶えぬ思は
しられじな
あまのもしほき
こりずまに
なほしたもえの
たえぬおもひは


須磨の蜑の
藻鹽の烟
そのまゝに
霞みなれたる
春の夜の月
すまのあまの
もしほのけぶり
そのままに
かすみなれたる
はるのよのつき


行く末の
名をこそ思へ
藻鹽草
かきおく跡の
くちぬ頼みに
ゆくすゑの
なをこそおもへ
もしほくさ
かきおくあとの
くちぬたのみに


藻しほやく
烟も波も
うづもれて
霞のみ立つ
春のあけぼの
もしほやく
けぶりもなみも
うづもれて
かすみのみたつ
はるのあけぼの


藻鹽草
かきおく數は
積れども
又あらはるゝ
言の葉ぞなき
もしほくさ
かきおくかずは
つもれども
またあらはるる
ことのはぞなき


早苗とる
田子の浦人
この頃や
もしほもくまぬ
袖濡すらむ
さなへとる
たごのうらひと
このころや
もしほもくまぬ
そでぬらすらむ

Земледелец как дзё к бухте Таго
思ふとも
知らじなよそに
海士の燒く
藻鹽の烟
下に焦れて
おもふとも
しらじなよそに
あまのやく
もしほのけぶり
したにこかれて


渡つ海の
そことも知らぬ
蜑なれば
藻鹽の烟
立たば尋ねむ
わたつみの
そこともしらぬ
あまなれば
もしほのけぶり
たたばたづねむ


藻鹽草
流石かき置く
跡なれや
八十ぢを越ゆる
和歌の浦波
もしほくさ
さすがかきおく
あとなれや
やそぢをこゆる
わかのうらなみ


忍べとて
書きおく浦の
藻鹽草
長らへてだに
形見ともなれ
しのべとて
かきおくうらの
もしほくさ
ながらへてだに
かたみともなれ


いかにせん
忍の浦の
もしほ草
かきやる浪の
ひまだにもなし
いかにせん
しのぶのうらの
もしほくさ
かきやるなみの
ひまだにもなし


我かたに
藻しほたるゝも
しらでこそ
石浦人の
みるめかるらん
わがかたに
もしほたるるも
しらでこそ
いしうらひとの
みるめかるらん


いかにせん
蜑のもしほ木
こりずまの
恨ても猶
もゆる思を
いかにせん
あまのもしほき
こりずまの
うらみてもなほ
もゆるおもひを


里のあまの
浪かけ衣
よるさへや
月にも秋は
もしほたるらん
さとのあまの
なみかけころも
よるさへや
つきにもあきは
もしほたるらん


いかにせん
あまのもしほ火
たえす立
煙によはる
浦風もなし
いかにせん
あまのもしほひ
たえすたつ
けぶりによはる
うらかぜもなし


尋はや
煙を何に
まかふらん
忍ふの浦の
あまのもしほ火
たづねはや
けぶりをなにに
まかふらん
しのふのうらの
あまのもしほひ


すくもたく
もしほの煙
なひけたゝ
うらみし末の
しるへともみん
すくもたく
もしほのけぶり
なひけたた
うらみしすゑの
しるへともみん


松島や
あまのもしほ木
それならて
こりぬ思ひに
立けふりかな
まつしまや
あまのもしほき
それならて
こりぬおもひに
たつけふりかな


あまのたく
もしほの煙
我かたに
なひかぬ恋の
身をこかすかな
あまのたく
もしほのけぶり
わがかたに
なひかぬこひの
みをこかすかな

*4なひかぬ恋にイ
風を猶
うらみつるかな
もしほやく
煙のなひく
方をしらねは
かぜをなほ
うらみつるかな
もしほやく
けぶりのなひく
かたをしらねは


わかの浦
へたてし跡の
もしほ草
かく数ならて
又や朽なん
わかのうら
へたてしあとの
もしほくさ
かくかずならて
またやくなん


かき置し
わかの浦ちの
もしほ草
いかなる方に
浪のよすらん
かきおきし
わかのうらちの
もしほくさ
いかなるかたに
なみのよすらん


里のあまの
焼すさひたる
もしほ草
又かきつめて
煙立つる
さとのあまの
やきすさひたる
もしほくさ
またかきつめて
けぶりたちつる


もしほやく
あまのとまやの
しるへかは
恨みてそ吹
秋の初風
もしほやく
あまのとまやの
しるへかは
うらみてそふく
あきのはつかぜ


すまのあまの
もしほの煙
立そひて
ひくかたしらぬ
関の夕霧
すまのあまの
もしほのけぶり
たちそひて
ひくかたしらぬ
せきのゆふぎり


絶すたつ
もしほの浦の
夕けふり
いかなる時に
思ひけたれん
たえすたつ
もしほのうらの
ゆふけふり
いかなるときに
おもひけたれん


いせの海の
あまのもしほ木
こりもせて
おなしうらみに
年そふりぬる
いせのうみの
あまのもしほき
こりもせて
おなしうらみに
としそふりぬる


今さらに
すまのうらちの
もしほ草
かくにつけても
ぬるゝ袖哉
いまさらに
すまのうらちの
もしほくさ
かくにつけても
ぬるるそでかな


和歌浦に
波よせかくる
もしほ草
かきあつめてそ
玉もみえける
わかうらに
なみよせかくる
もしほくさ
かきあつめてそ
たまもみえける


もしほ火も
月の夜ころは
焼さして
煙なたてそ
すまの浦人
もしほひも
つきのよころは
やきさして
けぶりなたてそ
すまのうらひと


もしほやく
浦の煙を
風にみて
なひかぬ人の
心をそおもふ
もしほやく
うらのけぶりを
かぜにみて
なひかぬひとの
こころをそおもふ


行もぬれ
とまるもしほる
袖なれは
きぬ〳〵にこそ
月もわかるれ
ゆくもぬれ
とまるもしほる
そでなれは
きぬきぬにこそ
つきもわかるれ


こほれおちし
人の涙を
かきやりて
我もしほりし
夜半そ忘ぬ
こほれおちし
ひとのなみだを
かきやりて
われもしほりし
よはそわすれぬ


夕日さす
波の上より
たつ煙
いかなる浦に
もしほやくらん
ゆふひさす
なみのうへより
たつけぶり
いかなるうらに
もしほやくらん


難波かた
風のとかなる
夕なきに
煙なひかぬ
あまのもしほ火
なにはかた
かぜのとかなる
ゆふなきに
けぶりなひかぬ
あまのもしほひ


もしほ火の
煙のすゑを
たよりにて
しはし立よる
和歌の浦なみ
もしほひの
けぶりのすゑを
たよりにて
しはしたちよる
わかのうらなみ


捨る世の
跡まて残る
もしほ草
かたみなれとや
かきとゝめけん
すつるよの
あとまてのこる
もしほくさ
かたみなれとや
かきととめけん


すつる世の
かたみとみすは
もしほ草
かきをく跡も
かひやなからん
すつるよの
かたみとみすは
もしほくさ
かきをくあとも
かひやなからん


もしほ草
かきあつめても
かひそなき
行ゑもしらぬ
和かのうら風
もしほくさ
かきあつめても
かひそなき
ゆくゑもしらぬ
わかのうらかぜ


袖ぬらす
記念なりけり
もしほ草
かきをく跡の
わかの浦波
そでぬらす
かたみなりけり
もしほくさ
かきをくあとの
わかのうらなみ