袖の浦の
波吹きかへす
秋風に
雲の上まで
すずしからなむ
そでのうらの
なみふきかへす
あきかぜに
くものうへまで
すずしからなむ
О, этот веер
Как осенний ветер:
Он всколыхнет и волны рукавов,
И принесет, наверное, прохладу
Даже небесным облакам!

袖の浦の
湊入江の
みをつ串
朽ちず猶や
うき名立ちなむ
そでのうらの
みなといりえの
みをつくし
くちずなほや
うきなたちなむ


つれなさは
有りしに歸る
つらさにて
又も重ねぬ
袖の浦浪
つれなさは
ありしにかへる
つらさにて
またもかさねぬ
そでのうらなみ


徒らに
立つ名もくるし
蜑のかる
みるめはよその
袖の浦波
いたづらに
たつなもくるし
あまのかる
みるめはよその
そでのうらなみ


みるめなき
潮の亂るゝ
蜑なれば
袖の浦にぞ
尋ねても見む
みるめなき
しほのみだるる
あまなれば
そでのうらにぞ
たづねてもみむ


朽ちねたゞ
袖の浦波
かけてだに
人をみるめは
頼なければ
くちねただ
そでのうらなみ
かけてだに
ひとをみるめは
たのみなければ


袖の浦に
みをうしほやく
蜑なれば
みるめがつかで
あらむ物かは
そでのうらに
みをうしほやく
あまなれば
みるめがつかで
あらむものかは


海士の刈る
みるめはよその
契にて
汐干も知らぬ
袖の浦浪
あまのかる
みるめはよその
ちぎりにて
しおほしもしらぬ
そでのうらなみ


さとの蜑の
袖の浦風
長閑にて
いさりにくたす
春の夕なぎ
さとのあまの
そでのうらかぜ
のどかにて
いさりにくたす
はるのゆふなぎ