延暦寺
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其の時に、山階寺の大衆、此の事を聞て、「多武の峰は大織冠の御廟也。然れば、尤も山階寺の末寺にこそ有るべけれ。何かでか延暦寺の末寺には成さるべきぞ」と云ひ喤り合て、殿下に此の由を訴へ申ければ、殿、前に延暦寺の末寺と為べき由、申し請しに依て、「既に仰せ下し畢ぬ」と仰せられて、承引無かりければ、叶わずして止にけり。
而る間、横川の慈恵僧正、天台座主として、殿下の御修法して、法性寺に有けるに、彼の法師、木を伐るままに、法性寺に急ぎ参て此の由を座主に申ければ、其の時に、座主、肩を並ぶる人無かりけるに、大きに嗔て、良算を召しに遣たりければ、良算、「我は山階寺の末寺の司也。何の故に、天台座主、我を心に任て召すべきぞ」と云て、放言して参らざりければ、座主、弥よ嗔て、山の所司を呼下して、其れを以て祇薗の神人等・代人等の延暦寺に寄する寄文を書儲て、「其れに判を加へよ」と、押責ければ、神人等責められ侘て、判を加へてけり。