「『この世はめでたく、心にくく、優にて過ぎさせ給へるに、後の世いかが』と思ひ参らせしに、ひたぶるに御行ひたゆみなくせさせ給ひて、御有様あらはに、極楽疑ひなく、めでたくて失せさせ給ひしかば、『一定極楽へ参らせ給ひぬらん』となむ、入道の中将よろこび給ひし」と語り給ひし。
兵部卿致平親王の御子成信中将と、堀川右大臣の子にて重家の少将と聞こえける人、時にとり世にとりて、たぐひなき若人なりければ、照る中将、光る少将とて、同じさまにぞ言はれ給ひける。
兵部卿致平親王の御子成信中将と、堀川右大臣の子にて重家の少将と聞こえける人、時にとり世にとりて、たぐひなき若人なりければ、照る中将、光る少将とて、同じさまにぞ言はれ給ひける。