Весна
0
Лето
0
Осень
131
Зима
0
Любовь
1
Благопожелания
0
Странствия
0
Разлука
0
Скорбь
0
Буддийское
0
Синтоистское
0
Разное
9
Иное
0
あききぬと
めにはさやかに
見えねとも
風のおとにそ
おとろかれぬる
あききぬと
めにはさやかに
みえねとも
かせのおとにそ
おとろかれぬる
То, что осень пришла,
почти незаметно для взора,
но покой мой смутил
и напомнил о переменах
этот шум налетевшего вихря…

久方の
岩戸の關も
あけなくに
夜半にふき志く
秋のはつ風
ひさかたの
いはとのせきも
あけなくに
よはにふきしく
あきのはつかぜ


足引の
山志た風の
いつのまに
音ふきかへて
秋はきぬらむ
あしびきの
やましたかぜの
いつのまに
おとふきかへて
あきはきぬらむ
У ветра дующий
Под распростёртыми горами
Внезапно
Стал слышен как-то по-иному.
Должно быть, пришла осень.
Примерный перевод

秋來ても
なほ夕風を
松が根に
夏を忘れし
かげぞたちうき
あききても
なほゆふかぜを
まつがねに
なつをわすれし
かげぞたちうき


昨日には
變るとなしに
吹く風の
音にぞ秋は
空に志らるゝ
きのふには
かはるとなしに
ふくかぜの
おとにぞあきは
そらにしらるる


玉にぬく
露はこぼれて
むさしのゝ
草の葉むすぶ
秋の初風
たまにぬく
つゆはこぼれて
むさしのゝ
くさのはむすぶ
あきのはつかぜ
На поле Мусаси,
Где роса рассыпалась
Жемчугом,
Травы и листья замерзают
Под первым осенним ветром.
Примерный перевод

音たてゝ
いまはた吹きぬ
わが宿の
荻の上ばの
秋のはつ風
おとたてて
いまはたふきぬ
わがやどの
をぎのうはばの
あきのはつかぜ


夏衣
またひとへなる
うたたねに
心してふけ
秋のはつ風
なつころも
まだひとへなる
うたたねに
こころしてふけ
あきのはつかせ
Одежды летние,
В коих дремлю я
Тонки ещё.
Аккуратнее дуй,
Первый осенний ветер!
Перевод: Павел Белов
はま風に
すずしくなびく
夏草の
野島がさきに
秋はきにけり
はまかぜに
すずしくなびく
なつくさの
のじまがさきに
あきはきにけり


神南備の
御室の山の
葛かづら
浦吹きかへす
秋は来にけり
かむなびの
みむろのやまの
くずかづら
うらふきかへす
あきはきにけり
На священной Мимуро-горе
Ветер гуляет,
Листья плюща
Изнанкою вверх повернув.
Осень настала...
* Мимуро — слово не является собственным названием конкретной горы, имеет значение «обитель богов». Синтоистские святыни находились также на горе Мива в провинции Ямато, горе Тацута (уезд Икома) и др.
いつしかと
荻の葉むけの
かたよりに
そそや秋とぞ
風も聞こゆる
いつしかと
をぎのはむけの
かたよりに
そそやあきとぞ
かぜもきこゆる
Не заметил,
Как стебли у оги склонились
И листья
Изнанкою вверх повернулись:
Шёпот ветра осеннего слышен.
* Песню можно соотнести с танка Оэ Ёситоки из антологии «Сикасю» («Цветы слов»):
Осень...
Шелестят на ветру
Листья оги,
Вот-вот посыплются с них
Белые жемчужинки-росинки.
いつしかと
片敷く袖に
置く露の
たまくら凉し
秋のはつ風
いつしかと
かたしくそでに
おくつゆの
たまくらすずし
あきのはつかぜ
Внезапно
Холодным стало
Изголовье из рук, —
Покрылся росой одинокий рукав
Под первым осенним ветром...
Примерный перевод

今朝みれば
露ぞ隙なき
芦のやの
こやの一夜に
秋や來ぬ覽
けさみれば
つゆぞひまなき
あしのやの
こやのひとよに
あきやきぬらん
Глянул утром —
Вся росой покрыта
Крыша из тростника
На маленькой лачужке.
К ней за одну ночь пришла осень?..
Примерный перевод

昨日より
荻の下葉に
通ひ來て
今朝あらはるゝ
秋のはつ風
きのふより
をぎのしたばに
かよひきて
けさあらはるる
あきのはつかぜ


いつのまに
秋風立ちて
大ともの
三津の濱松
音まさるらむ
いつのまに
あきかぜたちて
おほともの
みつのはままつ
おとまさるらむ
В один миг
Начался осенний ветер,
И в Отомо,
В прибрежных соснах Мицу
Должно быть, громче зашумел...
Примерный перевод

天の河
水かげ草の
いく秋か
枯れなで年の
ひとよ待つらむ
あまのかは
みづかげくさの
いくあきか
かれなでとしの
ひとよまつらむ


とことはに
ふく夕暮の
風なれど
秋立つ日社
凉しかりけれ
とことはに
ふくゆふぐれの
かぜなれど
あきたつひこそ
すずしかりけれ
Хоть и дует
Всегда на закате
Ветер,
Но потому он так холоден,
Что сегодня осень настала.
Примерный перевод

この寝ぬる
夜のまに秋は
来にけらし
朝けの風の
きのふにも似ぬ
このいぬる
よのまにあきは
きにけらし
あさけのかぜの
きのふにもにぬ
За ночь прошедшую
Настала, видно, осень,
И ветер утренний
Так не похож на тот,
Что был вчера.
* Песней-прототипом может быть танка Аки-но Окими из антологии «Сюисю»:
За ночь одну
Настала осень.
Утренний ветер
Дует в рукава,
Пронизывая холодом...

いつも聞く
ふもとの里と
思へども
きのふにかはる
山おろしの風
いつもきく
ふもとのさとと
おもへども
きのふにかはる
やまおろしのかぜ
В селенье живя под горою,
Я к шелесту ветра привык,
Но нынче внимаю я звукам иным:
С воем несётся с гор
Осенний ураганный ветер.
* Осенний ветер с гор, сильный и холодный, с характерным завыванием, получил название яма-ороси — «обрушивающийся сгор». Песня сложена от имени жителя хижины, расположенной у подножия горы, по картине на ширме.

俄にも
風の凉しく
成ぬるか
秋立つ日とは
むべもいひけり
にはかにも
かぜのすずしく
なりぬるか
あきたつひとは
むべもいひけり


打ちつけに
物ぞ悲しき
木葉ちる
秋の始を
けふぞと思へば
うちつけに
ものぞかなしき
このはちる
あきのはじめを
けふぞとおもへば


頼めこし
君はつれなし
秋風は
けふよりふきぬ
我身悲しも
たのめこし
きみはつれなし
あきかぜは
けふよりふきぬ
わがみかなしも


いとゞしく
物思ふ宿の
荻の葉に
秋とつげつる
風の侘しき
いとどしく
ものおもふやどの
をぎのはに
あきとつげつる
かぜのわびしき


秋風の
うちふきそむる
夕ぐれは
空に心ぞ
わびしかりける
あきかぜの
うちふきそむる
ゆふぐれは
そらにこころぞ
わびしかりける


露かけし
袂ほすまも
なきものを
など秋風の
まだき吹く覽
つゆかけし
たもとほすまも
なきものを
などあきかぜの
まだきふくらん


河風の
すすしくもあるか
うちよする
浪とともにや
秋は立つらむ
かはかせの
すすしくもあるか
うちよする
なみとともにや
あきはたつらむ
Свежий ветер с реки
дохнул, навевая прохладу, —
за волною волна
набегают чредой на берег
и с собою осень приносят…

わかせこか
衣のすそを
吹返し
うらめつらしき
秋のはつ風
わかせこか
ころものすそを
ふきかへし
うらめつらしき
あきのはつかせ
Мне отраду принес
свежий ветер осенний с залива,
что впервые дохнул, —
и взлетает, вихрем подхвачен,
шлейф от платья милого друга…

秋風の
吹きにし日より
久方の
あまのかはらに
たたぬ日はなし
あきかせの
ふきにしひより
ひさかたの
あまのかはらに
たたぬひはなし
С той поры, как подул
впервые ветер осенний,
не проходит и дня,
чтобы я не стоял в ожиданье
там, на бреге Реки Небесной…

山城の
鳥羽田の面を
見渡せば
ほのかにけさぞ
秋風はふく
やましろの
とばたのおもを
みわたせば
ほのかにけさぞ
あきかぜはふく
В Ямасиро
На поверхность поля Тоба
Если глянуть:
Вдалеке с утра этого
Дует осенний ветер!
Примерный перевод

君すまば
とはましものを
津の國の
生田の杜の
秋のはつ風
きみすまば
とはましものを
つのくにの
いくたのもりの
あきのはつかぜ
Если б жил тут,
Хотел бы навестить,
В провинции Цу
В лесу Икута
Первый осенний ветер...
Примерный перевод

まくずはふ
あだの大野の
白露を
吹きなはらひそ
秋の初風
まくずはふ
あだのおほのの
しらつゆを
ふきなはらひそ
あきのはつかぜ
Белая роса
Покрыла зелень лиан
На больших полях Ада,
Сдувать её не смей,
Осенний первый ветер.
Примерный перевод

藤袴
はや綻びて
にほはなむ
あきのはつ風
ふきたゝずとも
ふぢばかま
はやほころびて
にほはなむ
あきのはつかぜ
ふきたたずとも
Ранние бутоны
Фудзибакама налились
И вскоре расцветут,
Пусть даже и не дул
Осенний ветер.

Примерный перевод

荻の葉の
そよくねとこそ
秋風の
人にしらるる
始なりけれ
をぎのはの
そよぐおとこそ
あきかぜの
ひとにしらるる
はじめなりけれ
Тихий шелест
Листьев мисканта —
Все знают:
Не иначе, чем этим
Начинается ветер осенний!
Перевод: Павел Белов
をきのはの
そよくおとこそ
あきかせの
ひとにしらるゝ
はしめなりけれ
をぎのはの
そよぐおとこそ
あきかぜの
ひとにしらるる
はじめなりけれ

[拾遺]
萩の葉に
そよぐおとこそ
秋風の
人にしらるる
はしめ成けれ
はぎのはに
そよぐおとこそ
あきかぜの
ひとにしらるる
はじめなりけれ
Легкий шелест
Листьев мисканта
Услышав,
Понял:
Ветер осенний подул!
古今和歌六帖3716
かはかせの
すゝしくもあるか
うちよする
波とともにや
秋はたつらん
かはかせの
すすしくもあるか
うちよする
なみとともにや
あきはたつらん


今朝變る
秋とは風の
音羽山
音に聞くより
身にぞ志みける
けさかはる
あきとはかぜの
おとはやま
おとにきくより
みにぞしみける
С утра
Всё поменянялось в осень.
На горе Отова
От звуков ветра
Особенно прохладно.
Примерный перевод

けさはまた
草ばの玉の
數そひて
露吹きむすぶ
秋の初かぜ
けさはまた
くさばのたまの
かずそひて
つゆふきむすぶ
あきのはつかぜ


蝉の羽の
梢に薄き
夏ごろも
かはらずながら
秋はきにけり
せみのはの
こずゑにうすき
なつごろも
かはらずながら
あきはきにけり


風の音も
いつ變るらむ
秋は來て
まだ淺茅生の
をのゝ篠原
かぜのおとも
いつかはるらむ
あきはきて
まだあさぢうの
をののしのはら


いつしかと
荻のうは葉も
音づれて
袖に志をるゝ
秋の初風
いつしかと
をぎのうはばも
おとづれて
そでにしをるる
あきのはつかぜ


芦の葉の
音にもしるし
津の國の
こや吹き初むる
秋の初風
あしのはの
おとにもしるし
つのくにの
こやふきそむる
あきのはつかぜ


さらでだに
夏をわするゝ
松陰の
岩井の水に
秋はきにけり
さらでだに
なつをわするる
まつかげの
いはゐのみづに
あきはきにけり


岡のへや
いつ共わかぬ
松風の
みにしむ程に
秋はきにけり
をかのへや
いつともわかぬ
まつかぜの
みにしむほどに
あきはきにけり


いそのかみ
ふる野の松の
音までも
むかしを殘す
秋の初風
いそのかみ
ふるののまつの
おとまでも
むかしをのこす
あきのはつかぜ


いつしかと
風渡るなり
天の河
うき津の波に
秋やたつらむ
いつしかと
かぜわたるなり
あまのかは
うきつのなみに
あきやたつらむ


ふかき夜の
老の寐覺の
枕より
露おき初めて
秋はきにけり
ふかきよの
おいのねざめの
まくらより
つゆおきそめて
あきはきにけり


詠めつゝ
又いかさまに
なげゝとて
夕の空に
秋のきぬらむ
ながめつつ
またいかさまに
なげけとて
ゆふべのそらに
あきのきぬらむ


袖の上に
いつともわかぬ
白露の
草ばに結ぶ
秋はきにけり
そでのうへに
いつともわかぬ
しらつゆの
くさばにむすぶ
あきはきにけり


今よりは
凉しくなりぬ
片岡の
志のゝ葉分の
秋のはつかぜ
いまよりは
すずしくなりぬ
かたをかの
しののはわけの
あきのはつかぜ


色ごとに
移ろひゆかば
いかゞせむ
なびくあさぢの
秋の初風
いろごとに
うつろひゆかば
いかがせむ
なびくあさぢの
あきのはつかぜ


けさはゝや
荻の上葉に
音たてゝ
昨日にもにぬ
秋の初風
けさははや
をぎのうはばに
おとたてて
きのふにもにぬ
あきのはつかぜ


都にや
また入たゝぬ
秋ならん
をとばの山は
風ぞ身にしむ
みやこにや
またいりたたぬ
あきならん
をとばのやまは
かぜぞみにしむ


今よりの
ね覺の床の
哀まで
かねてしらるゝ
秋の初風
いまよりの
ねさめのとこの
あはれまで
かねてしらるる
あきのはつかぜ


暁の
ね覺の床に
露ぞをく
枕も今や
秋をしるらむ
あかつきの
ねさめのとこに
つゆぞをく
まくらもいまや
あきをしるらむ


夏と秋と
行あひのわせの
ほの〴〵と
明る門田の
かぜぞ身にしむ
なつとあきと
ゆきあひのわせの
ほのぼのと
あくるかどたの
かぜぞみにしむ


淺茅生の
小野の篠原
風そよぎ
人しるらめや
秋立ぬとは
あさぢうの
をののしのはら
かぜそよぎ
ひとしるらめや
あきたたぬとは


このねぬる
朝けの風の
をとめ子が
袖ふる山に
秋やきぬらむ
このねぬる
あさけのかぜの
をとめこが
そでふるやまに
あきやきぬらむ


から衣
つま吹風の
身にしむは
うらさひしかる
秋やきぬらん
からころも
つまふかぜの
みにしむは
うらさひしかる
あきやきぬらん


朝またき
秋風ふけは
蝉の羽の
うすき衣そ
涼しかりける
あさまたき
あきかぜふけは
せみのはの
うすきころもそ
すずしかりける


今朝のあさけ
袂涼しき
風立て
いとはや秋の
しられぬるかな
けさのあさけ
たもとすずしき
かぜたてて
いとはやあきの
しられぬるかな


昨日こそ
夏はくれしか
朝戸出の
衣手さむし
秋の初風
きのふこそ
なつはくれしか
あさといでの
ころもでさむし
あきのはつかぜ


秋風の
ふきただよはす
しら雲は
たなばたつめの
あまつひれかも
あきかぜの
ふきただよはす
しらくもは
たなばたつめの
あまつひれかも


秋あさき
日影に夏は
のこれとも
暮るまかきは
荻のうは風
あきあさき
ひかげになつは
のこれとも
くるるまかきは
をぎのうはかぜ


秋風
吹漂蕩
白雲者
織女之
天津領巾毳
あきかぜの
ふきただよはす
しらくもは
たなばたつめの
あまつひれかも
Ах, облако белейшее, что вдаль
Плывет по воздуху в порыве ветра
Осеннею порой,
То не небесный шарф
Звезды тоскующей Ткачихи?

荻の葉ぞ
風にみだれて
音すなる
ものおもふほどに
秋やきぬらむ
をぎのはぞ
かぜにみだれて
おとすなる
ものおもふほどに
あきやきぬらむ


今よりの
秋の夜風や
いかならむ
けさだに葛の
うらみがほなる
いまよりの
あきのよかぜや
いかならむ
けさだにくずの
うらみがほなる


ながめつつ
すぐる月日も
しらぬまに
秋のけしきに
なりにけるかな
ながめつつ
すぐるつきひも
しらぬまに
あきのけしきに
なりにけるかな


いつもきく
かせをはきけと
をきのはの
そよくおとにそ
あきはきにける
いつもきく
かせをはきけと
をきのはの
そよくおとにそ
あきはきにける


いつもふく
風とはきけど
荻の葉の
そよぐ音にぞ
秋はきにける
いつもふく
かぜとはきけど
をぎのはの
そよぐおとにぞ
あきはきにける


いまさらに
きけばものこそ
かなしけれ
かねておもひし
秋の初風
いまさらに
きけばものこそ
かなしけれ
かねておもひし
あきのはつかぜ


いつしかと
けさふく風の
身にしみて
秋の色にも
なりにけるかな
いつしかと
けさふくかぜの
みにしみて
あきのいろにも
なりにけるかな


たまほこの
道もやどりも
しら露に
風のふきしく
をののしのはら
たまほこの
みちもやどりも
しらつゆに
かぜのふきしく
をののしのはら


秋とだに
ふきあへぬ風に
色かはる
生田の杜の
露の下草
あきとだに
ふきあへぬかぜに
いろかはる
いくたのもりの
つゆのしたくさ


あらたまの
ことしもなかば
いたづらに
涙かずそふ
荻のうは風
あらたまの
ことしもなかば
いたづらに
なみだかずそふ
をぎのうはかぜ


しらてこそ
有へかりけれ
秋きぬと
荻ふく風の
音にたてすは
しらてこそ
あるへかりけれ
あききぬと
をぎふくかぜの
おとにたてすは


風わたる
軒はにそよく
呉竹の
一夜のうちに
秋そきにける
かぜわたる
のきはにそよく
くれたけの
ひとよのうちに
あきそきにける


此ねぬる
朝けの露に
袖ぬれて
我ためつらき
秋はきにけり
このねぬる
あさけのつゆに
そでぬれて
わがためつらき
あきはきにけり


哀しる
秋の夕の
しら露は
たか袖よりか
をきはしめけん
あはれしる
あきのゆふべの
しらつゆは
たかそでよりか
をきはしめけん


よひ++に
秋の草葉に
をく露は
玉とぬかむと
とれは消つゝ
よひよひに
あきのくさばに
をくつゆは
たまとぬかむと
とれはきえつつ


たかぬける
玉にかあるらん
秋のゝの
草葉残らす
結ふ白露
たかぬける
たまにかあるらん
あきののの
くさばのこらす
むすふしらつゆ

*2イ:玉にかあらん
露むすふ
下草みれは
桜麻の
おふのかりふに
秋はきにけり
つゆむすふ
したくさみれは
さくらあさの
おふのかりふに
あきはきにけり


吹結ふ
風よりやかて
乱れけり
しける浅茅の
秋の白露
ふきむすふ
かぜよりやかて
みだれけり
しけるあさぢの
あきのしらつゆ


ほしやらぬ
涙の露の
数そへて
物思ふ袖に
秋は来にけり
ほしやらぬ
なみだのつゆの
かずそへて
ものおもふそでに
あきはきにけり


なをさりに
ほすゑを結ふ
荻のはの
音もせてなと
人の過らん
なをさりに
ほすゑをむすふ
をぎのはの
おともせてなと
ひとのすぐらん


音たつる
風のやとりと
成はてゝ
露にはうとき
庭の荻原
おとたつる
かぜのやとりと
なりはてて
つゆにはうとき
にはのをぎはら


故郷は
軒はの荻を
かことにて
ねぬ夜の床に
秋風そふく
ふるさとは
のきはのをぎを
かことにて
ねぬよのとこに
あきかぜそふく


をと絶す
軒はの荻の
そよく哉
いつふく風の
名残なるらん
をとたえす
のきはのをぎの
そよくかな
いつふくかぜの
なごりなるらん


しのゝめの
空きりわたり
いつしかと
秋のけしきに
世は成にけり
しののめの
むなしきりわたり
いつしかと
あきのけしきに
よはなりにけり


しののめの
空霧りわたり
いつしかと
秋のけしきに
世はなりにけり
しののめの
そらきりわたり
いつしかと
あきのけしきに
よはなりにけり


いつくにも
秋はきぬれと
山里の
松ふく風は
ことにそ有ける
いつくにも
あきはきぬれと
やまざとの
まつふくかぜは
ことにそありける


心あての
思ひの色そ
たつた山
けさしも染し
木ゝの白露
こころあての
おもひのいろそ
たつたやま
けさしもそめし
きゝのしらつゆ


今朝よりは
吹くる風も
をく露も
袖にはしめて
秋そしらるゝ
けさよりは
ふきくるかぜも
をくつゆも
そでにはしめて
あきそしらるる


草のうへに
朝をく庭の
露みれは
袖も涼しく
秋はきにけり
くさのうへに
あさをくにはの
つゆみれは
そでもすずしく
あきはきにけり


さひしさの
あはれをそへぬ
宿もあらし
よもの草木の
秋の初風
さひしさの
あはれをそへぬ
やどもあらし
よものくさきの
あきのはつかぜ


吹まさる
風のまゝなる
くすの葉の
うらめつらしく
秋はきにけり
ふきまさる
かぜのままなる
くすのはの
うらめつらしく
あきはきにけり


身にしみて
吹こそまされ
日晩の
鳴夕くれの
秋の初風
みにしみて
ふきこそまされ
ひぐらしの
なくゆふくれの
あきのはつかぜ


かねてたに
涼しかりしを
片岡の
森の木すゑの
秋の初風
かねてたに
すずしかりしを
かたをかの
もりのこすゑの
あきのはつかぜ


秋はきぬ
とはかりこそは
なかめつれ
籬の暮に
萩の下露
あきはきぬ
とはかりこそは
なかめつれ
まがきのくれに
はぎのしたつゆ


人よりも
わきて露けき
袂かな
我ためにくる
秋にはあらねと
ひとよりも
わきてつゆけき
たもとかな
わがためにくる
あきにはあらねと


秋のきて
けふ三か月の
雲間より
心つくしの
影そほのめく
あきのきて
けふみかつきの
くもまより
こころつくしの
かげそほのめく


秋にこそ
また成ぬれと
思ふより
心にはやく
そふあはれかな
あきにこそ
またなりぬれと
おもふより
こころにはやく
そふあはれかな


我もかなし
草木も心
いたむらし
秋風ふれて
露くたるころ
われもかなし
くさきもこころ
いたむらし
あきかぜふれて
つゆくたるころ


久かたの
雲ゐはるかに
待わひし
天つ星合の
秋もきにけり
ひさかたの
くもゐはるかに
まちわひし
あまつほしあひの
あきもきにけり


彦星の
つまこひ衣
こよひたに
袖の露ほせ
秋のはつ風
ひこぼしの
つまこひころも
こよひたに
そでのつゆほせ
あきのはつかぜ


七夕の
五十機衣
をく露に
ぬれてかさぬる
秋はきにけり
たなばたの
いそぢはたぎぬ
をくつゆに
ぬれてかさぬる
あきはきにけり


おく露は
草葉のうへと
おもひしに
袖さへぬれて
秋はきにけり
おくつゆは
くさばのうへと
おもひしに
そでさへぬれて
あきはきにけり


風の音に
今日より秋の
たつたひめ
身にしむ色を
いかでそむらむ
かぜのねに
けふよりあきの
たつたひめ
みにしむいろを
いかでそむらむ


御祓せし
昨日の瀬ゝの
川波に
秋立風や
今日わたるらむ
みそぎせし
きのふのせゝの
かはなみに
あきたつかぜや
けふわたるらむ


山里に
秋をしらする
はけしさも
昨日にまさる
軒の松かせ
やまざとに
あきをしらする
はけしさも
きのふにまさる
のきのまつかせ


松浦かた
八重の塩路の
秋風は
もろこしよりや
吹はしむらん
まつらかた
やへのしほぢの
あきかぜは
もろこしよりや
ふきはしむらん


涙こそ
まつこほれぬれ
露はまた
をきあへぬ袖の
秋の初風
なみだこそ
まつこほれぬれ
つゆはまた
をきあへぬそでの
あきのはつかぜ


下荻も
かつほに出る
夕露に
やとかりそむる
秋の三か月
したをぎも
かつほにいづる
ゆふつゆに
やとかりそむる
あきのみかつき


朝戸あけの
軒端の荻に
吹きてけり
一葉のさきの
秋の初風
あさとあけの
のきはのをぎに
ふきてけり
ひとはのさきの
あきのはつかぜ


此寐ぬる
朝げの風の
變るより
荻の葉そよぎ
秋や來ぬらむ
このいぬる
あさげのかぜの
かはるより
をぎのはそよぎ
あきやこぬらむ


昨日まで
人に待たれし
凉しさを
おのれと急ぐ
秋の初かぜ
きのふまで
ひとにまたれし
すずしさを
おのれといそぐ
あきのはつかぜ


凉しさの
増る計りを
吹き變る
風とて今日は
秋や來ぬらむ
すずしさの
まさるばかりを
ふきかはる
かぜとてけふは
あきやこぬらむ


今日よりは
秋の始と
聞くからに
袖こそ痛く
露けかりけれ
けふよりは
あきのはじめと
きくからに
そでこそいたく
つゆけかりけれ


風かはる
夏の扇は
手になれて
袖にまづ置く
秋のしらつゆ
かぜかはる
なつのあふぎは
てになれて
そでにまづおく
あきのしらつゆ


水茎の
岡の葛原
吹かへし
衣手うすき
秋のはつ風
みづぐきの
をかのくずはら
ふきかへし
ころもでうすき
あきのはつかぜ


秋きぬと
ゆふつけ鳥の
鳴なへに
けさや竜田の
山の下かせ
あききぬと
ゆふつけとりの
なくなへに
けさやたつたの
やまのしたかせ


時は今は
秋そと思へは
衣手に
吹くる風の
しるくも有かな
ときはいまは
あきそとおもへは
ころもでに
ふきくるかぜの
しるくもあるかな


かきりあれは
昨日にまさる
露もなし
軒のしのふの
秋の初風
かきりあれは
きのふにまさる
つゆもなし
のきのしのふの
あきのはつかぜ


露むすふ
衣手すゝし
ねぬる夜の
身にしられてそ
秋はきにける
つゆむすふ
ころもですすし
ねぬるよの
みにしられてそ
あきはきにける


白露の
玉しくをのゝ
浅茅原
風よりさきに
秋はきにけり
しらつゆの
たましくをのの
あさぢはら
かぜよりさきに
あきはきにけり


秋きては
いくかもあらしを
吹風の
身にしむはかり
成にけるかな
あききては
いくかもあらしを
ふくかぜの
みにしむはかり
なりにけるかな


秋きぬと
いはぬをしるは
吹かせの
身にしむ時の
心なりけり
あききぬと
いはぬをしるは
ふくかせの
みにしむときの
こころなりけり


吹そめて
いくかもあらぬ
秋風に
いとはや袖の
露けかるらん
ふきそめて
いくかもあらぬ
あきかぜに
いとはやそでの
つゆけかるらん


涙より
かつ〳〵袖に
露ちりて
待しか人の
秋のはつかせ
なみだより
かつかつそでに
つゆちりて
まちしかひとの
あきのはつかせ


もしほやく
あまのとまやの
しるへかは
恨みてそ吹
秋の初風
もしほやく
あまのとまやの
しるへかは
うらみてそふく
あきのはつかぜ


湊こす
夕波すゝし
いせの海の
をのゝふるえの
秋の初風
みなとこす
ゆふなみすすし
いせのうみの
をののふるえの
あきのはつかぜ


空蝉の
はにをく露も
あらはれて
うすき袂に
秋風そふく
うつせみの
はにをくつゆも
あらはれて
うすきたもとに
あきかぜそふく


今よりは
涼しく成ぬ
日くらしの
なく山かけの
あきの夕かせ
いまよりは
すずしくなりぬ
ひくらしの
なくやまかけの
あきのゆふかせ


真葛はひ
おきのしけらぬ
宿ならは
をそくや秋の
風をきかまし
まくずはひ
おきのしけらぬ
やどならは
をそくやあきの
かぜをきかまし


秋きては
かくこそ有けれ
吹風の
音さへつらき
庭の荻原
あききては
かくこそありけれ
ふくかぜの
おとさへつらき
にはのをぎはら


ふけはこそ
荻の上葉も
かなしけれ
思へはつらし
秋のはつ風
ふけはこそ
をぎのうはばも
かなしけれ
おもへはつらし
あきのはつかぜ


身にしむは
いかなる色の
つらさとも
しらてかなしき
秋の初かせ
みにしむは
いかなるいろの
つらさとも
しらてかなしき
あきのはつかせ


下荻の
ほにこそあらね
露はかり
もらしそゝむる
秋の初風
したをぎの
ほにこそあらね
つゆはかり
もらしそそむる
あきのはつかぜ


さらてたに
露ほしやらぬ
我袖の
老のなみたに
秋はきにけり
さらてたに
つゆほしやらぬ
わがそでの
おいのなみたに
あきはきにけり


ときしらぬ
身とも思はし
秋くれは
たか袖よりも
露けかりけり
ときしらぬ
みともおもはし
あきくれは
たかそでよりも
つゆけかりけり


幾とせの
なみたの露に
しほれきぬ
衣ふきほせ
秋のはつ風
いくとせの
なみたのつゆに
しほれきぬ
ころもふきほせ
あきのはつかぜ


風わたる
をかのかやはら
秋くれは
心みたれぬ
ゆふくれそなき
かぜわたる
をかのかやはら
あきくれは
こころみたれぬ
ゆふくれそなき


今朝はしも
をとこそかはれ
吹風の
たよりにつけて
秋やきぬらん
けさはしも
をとこそかはれ
ふくかぜの
たよりにつけて
あきやきぬらん


秋くれは
身にしむ物と
成にけり
昨日も聞し
荻の上風
あきくれは
みにしむものと
なりにけり
きのふもききし
をぎのうはかぜ


うたゝねの
涼しくも有か
から衣
袖のうらにや
秋のたつらん
うたたねの
すづしくもあるか
からころも
そでのうらにや
あきのたつらん


今よりや
いねかてにせむ
しら露も
袖にをきゐる
秋はきにけり
いまよりや
いねかてにせむ
しらつゆも
そでにをきゐる
あきはきにけり


露むすふ
しのゝを薄
ほに出て
いはねとしるき
秋は来にけり
つゆむすふ
しののをすすき
ほにいでて
いはねとしるき
あきはきにけり