いかばかり
田子の裳裾も
そぼつらむ
雲間も見えぬ
ころの五月雨
いかばかり
たごのもすそも
そぼつらむ
くもまもみえぬ
ころのさみだれ
Как промокли, наверно,
Подолы у землепашцев
Этой порой
Бесконечных
Майских дождей.
早苗取る
田子の小笠を
その儘に
脱がでぞ歸る
五月雨の比
さなへとる
たごのをかさを
そのままに
ぬがでぞかへる
さみだれのころ
梅雨は
田子の裳裾や
朽ちぬ覽
衣ほすべき
ひましなければ
さみだれは
たごのもすそや
くちぬらん
ころもほすべき
ひましなければ
В сезон дождей
Подолы землепашцев, верно,
Уж сгнили все, —
Нет времени никак
Одежды просушить...
限あれば
五月の田子の
袖だにも
おり立たぬより
斯はしぼらじ
かぎりあれば
さつきのたごの
そでだにも
おりたたぬより
かくはしぼらじ
山陰や
田子の小笠を
吹く風も
すゞしき暮に
早苗取るなり
やまかげや
たごのをかさを
ふくかぜも
すずしきくれに
さなへとるなり
早苗とる
田子の浦人
この頃や
もしほもくまぬ
袖濡すらむ
さなへとる
たごのうらひと
このころや
もしほもくまぬ
そでぬらすらむ
時過ぎば
早苗も甚く
老ぬべし
雨にも田子は
障らざらなむ
ときすぎば
さなへもいたく
おいぬべし
あめにもたごは
さはらざらなむ
今日いくか
ぬれそふ袖を
ほしやらで
おりたつ田子の
早苗とるらむ
けふいくか
ぬれそふそでを
ほしやらで
おりたつたごの
さなへとるらむ
時すきは
さなへもいたく
おいぬへみ
雨にも田子は
さはらさりけり
ときすぎば
さなへもいたく
おいぬへみ
あめにもたごは
さはらざりけり
暮ぬとて
ちまちのさなへ
とり〳〵に
いそくもしるき
田子のもろこゑ
くれぬとて
ちまちのさなへ
とりとりに
いそくもしるき
たごのもろこゑ
さひしとは
たれかいひけん
山里を
見せはや田子の
さなへとる比
さひしとは
たれかいひけん
やまざとを
みせはやたごの
さなへとるころ
時きぬと
おりたつ田子の
手もたゆく
とるや早苗を
今いそくなり
とききぬと
おりたつたごの
てもたゆく
とるやさなへを
いまいそくなり
時すきは
早苗もいたく
老ぬへし
あめにもたこは
さはらさらなん
ときすきは
さなへもいたく
おいぬへし
あめにもたこは
さはらさらなん
くれかゝる
山田のたこの
ぬれ衣
ほさてやあすも
さなへとるへき
くれかかる
やまだのたこの
ぬれころも
ほさてやあすも
さなへとるへき
我袖を
田子のもすそに
くらへはや
いつれかいたく
ぬれはまさると
わがそでを
たごのもすそに
くらへはや
いつれかいたく
ぬれはまさると